1分でわかるIT用語集

サイロ

サイロとは、牧草など家畜飼料を保管する円筒形の貯蔵庫のことで、塔のように立ち並び、それぞれが独立していて、内部はつながっていないもの。これをIT領域に転用し、業務プロセスや業務アプリケーション、各種システムが孤立し、情報が連携されていない状態を「情報(データ)のサイロ化」という。データが縦割りで分断され、連携していない様子をサイロに見立てた。

各部署が独立して業務を遂行する「縦割りの組織構造」がサイロ化の要因といわれている。また、SaaSの普及により業務システムや業務アプリケーションの個別導入が加速したことも、サイロ化の一因として挙げられる。

サイロ化が進むと、各部署の業務プロセスやシステムに同じ機能や同じデータが散在して、全社的に見たITやデータの利用効率が低下。経営判断に必要なデータが可視化できないため、状況の把握にタイムラグが発生し、迅速な意思決定ができなくなる。せっかく収集した顧客データを的確に生かせず、顧客満足度が下がる可能性もある。

デジタルトランスフォーメーション(DX)推進において、全社でのデータ共有・連携・統合は必要不可欠。DX推進を図るためには、社内のサイロ化の解消が急務といえる。サイロ化の解消には、データ統合を目的としたシステム導入が欠かせない。ITインフラが乱立する状態を解消してデータを一元化、組織的に活用できるようにする。そのためには、部署間の相互理解を深めることが重要となる。縦割り組織から風通しのよい組織への構造改革に会社全体で取り組むことが必要だ。
(青木逸美)