六つの便利な拡張ツール

クラウド型オフィススイート「Google Workspace」の拡張ツールである「rakumo for Google Workspace」は、Google Workspaceの活用をより便利にするための、拡張機能を提供している。具体的には次の六つだ。

  • スケジュール管理「rakumoカレンダー」
  • 連絡先管理「rakumoコンタクト」
  • 社内掲示板「rakumoボード」
  • 経費精算「rakumoケイヒ」
  • 稟議・申請「rakumoワークフロー」
  • 勤怠管理「rakumoキンタイ」

まずrakumoカレンダーは、Googleカレンダーを組織で使いやすくするツールだ。Googleカレンダーを日本企業の組織体系に適したグループカレンダーに再設計できる。Googleカレンダーは、個人での利用を基本に設計されているので、国産グループウェアに慣れ親しんできた日本の組織では、各自のカレンダーを参照してスケジュールを調整するのを手間に感じる人もいる。そうした小さなフラストレーションをrakumoカレンダーは解消してくれる。

rakumoコンタクトは、Gmailとの連携で社外と社内の連絡先を一括で管理できる組織アドレス帳だ。そしてrakumoボードは、社内掲示板やポータルサイトを実現してくれる情報ダッシュボードアプリである。これらの三つの拡張ツールは、基本的にGoogle Workspaceの機能を拡張して、日本の組織に合わせた使い勝手を提供してくれる。

残る三つのrakumoケイヒ、rakumoワークフロー、rakumoキンタイは、rakumoが独自に開発したツールだ。この三つは、Google Workspaceのユーザーアカウントと連携して、経費精算や勤怠管理、社内稟議といった日々の業務をサポートしてくれる。

テレワークの増加でワークフロー特需

コロナ禍にあって、「rakumo for Google Workspace」は大きく売り上げを伸ばしたという。その主な理由は、テレワークの急速な普及で求められたワークフロー導入という特需にあった。ワークフローは、日本の業務習慣で不可欠な社内稟議を電子化するソリューション。欧米型の組織では、あまり重視されていない承認プロセスなので、外資系クラウドサービスでは、ワークフローが標準搭載されているケースは少ない。しかし、日本では申請から承認まで押印でバトンリレーをしていく稟議書の文化が広く根付いている。そのため、テレワークで離れ離れになった組織を結ぶ手段として、ワークフローの需要は高まった。

そうしたニーズにrakumo for Google Workspaceは応えてきた。もちろん、ワークフローだけに注目すれば、より多機能なソリューションもあるが、Google Workspaceとの連携や運用の手軽さという面では、rakumoワークフローにアドバンテージがある。こうして、ワークフローをきっかけにrakumo for Google Workspaceを導入した企業では、次のステップとして情報ダッシュボードアプリケーションを活用した社内掲示板の電子化を推進していく傾向が強い。こちらも、テレワークで離れ離れになった社員をつなぐコミュニケーション方法として、積極的に活用されている。さらに、テレワークでタイムカードが使えなくなり、rakumo営業部門のChromebookシフトを後押しするキンタイによる勤怠管理を推進するケースも増えたという。

この一連の流れは、まさにコロナ禍におけるワークスタイルの変化をサポートするものであり、行動制限が解除された現在でも、注目すべき提案のポイントとなる。rakumoワークフローをきっかけとして、勤怠管理や社内掲示板、経費精算といった付加価値を伝えることでrakumo for Google Workspaceの提案力は増す。もちろん、Google Workspaceによる業務の効率化やクラウドによる新しい情報共有の可能性を理解してもらうことも重要だ。それに加えてrakumo for Google Workspaceの価値を伝えられたら、Chromebookで完結するワークスタイルも提唱できる。

営業部門のChromebookシフトを後押し

rakumoの営業部門が、Chromebookで全ての業務をこなしている秘訣にはrakumo for Google Workspaceに加えて、もう一つ同社の便利なサービスが関係している。それは「rakumo for Salesforce」だ。このサービスは、Salesforceのスケジューラーを使いやすくして、SalesForce Automation(SFA)/Customer Relationship Management(CRM)と連携した行動分析も可能にする。

また、スケジュールをリアルタイムで同期する「rakumo Sync」により、SalesforceのカレンダーとGoogleのカレンダーの予定の二重入力を解消できる。営業部門にとって、SFAやCRMは必須のツールとなっているだけに、各自の行動予定はSFAに入力するケースが多い。一方で、ほかの部署ではGoogleカレンダーを利用しているとなると、スケジュールの転記が必要になる。そうした手間が発生すると、どちらかのカレンダーは使われなくなってしまう。そうした懸念をrakumo Syncは解消してくれる。双方のカレンダーが自動的に同期されるので、営業部門の予定調整もスムーズになる。おそらく、Google Workspaceによる業務に本気で取り組んできたrakumoならではの課題克服が、rakumo for Google Workspaceとrakumo for Salesforceに結実しているのだろう。

さらに、rakumo for Google Workspaceでは、Googleのクラウドサービス「Google Cloud Platform」(GCP)と連携するAPIなども提供している。ワークフローと電子署名のクラウドサインを連携させて、電子契約も推進できる。今後もrakumoでは、Googleとの連携を強化する機能やサービスを充実させていく考えだ。営業部門だけに限らず、総務や経理といった間接部門の業務も、クラウド化を推進してGoogle Workspaceとの連携を強化できれば、より多くの部門でChromebookだけで業務を完結できるようになる。そうした可能性をrakumoは提供している。

rakumo for Google Workspace

Google Workspace のユーザー管理、認証、セキュリティ機能を共通利用し、Google Workspace がもつ機能を拡張(カレンダー、社内掲示板、共有アドレス帳)、かつ、Google Workspace で補えない業務領域(勤怠管理、電子稟議、経費精算)をサポートしたクラウド型の拡張ツール群です。

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この記事は、ICTサプライヤーのためのビジネスチャンス発見マガジン「月刊PC-Webzine」(毎月25日発売/価格480円)からの転載です。

著者プロフィール

田中 亘(たかなわたる)

東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系、ITまで、広範囲に執筆。代表著書:『できるWindows95』『できるWord』全シリーズ、『できるWord&Excel2010』など。