Twitter活用のコツとNGな使い方――9割のフリートークが1割の商品紹介を活かす



社会人なら知っておきたいSNSトレンド - 第8回

幅広い商品がTwitterのつぶやきをきっかけに購入されている

今回から連載名を変更し、新社会人やマナーに限らず、主なSNSの特徴や利用事例・事件・各ターゲット層の使い方など、SNSに関するトレンドを広くご紹介したい。リニューアル初回は、Twitterにおける企業アカウントの成功事例とNGな使い方について。

文/高橋暁子


日本では絶好調なTwitter

 Twitter Japanによると、2015年12月時点で日本国内の月間アクティブユーザー数は3500万人。世界全体では3億2000万人であり、約1割が日本国内からのアクセスだった。単純計算すると日本人の4人に1人はTwitterユーザーということになるのだ。2015年12月時点での増加率は日本が世界でトップとなっている。

 世界的にはTwitterのユーザー数の伸びは鈍化しているものの、日本ではTwitterの人気は非常に高い。10代、20代にTwitterユーザーがとても多いことは知られている。特に10代は、LINEと並んでTwitterアカウントを利用している割合が非常に高い。それだけでなく30、40代ユーザーも増えており、10~40代にリーチするならお勧めのツールとなっている。

購入促進できるも売り込みすぎないこと

 Twitterをビジネスに活用するなら、「#Twitterみて買ったもの」というハッシュタグは必ずチェックするべきだろう。Twitter Japanが2016年1月にTwitterトレンド(よくツイートされている言葉のランキング)枠を使ってハッシュタグキャンペーンを行ったところ、3000件以上のツイートが集まった。それによると、Twitterを見て購入されたもののランキングは以下のようになった。

Twitterを見て購入されたもの
1位食品・飲料30%
2位ホビー系アイテム(キャラクターグッズ・フィギュア)24%
3位エンタメ系コンテンツ(映画・音楽・本・舞台チケットなど)17%
4位ゲーム9%
5位テクノロジー系製品6%
6位アパレル(ファッション・アクセサリー)6%
7位コスメ・パーソナルケア・美容関連製品3%
8位アプリ課金・課金カード(iTunes/GooglePlayなど)2%
9位レストラン・ファストフード2%
10位LINEスタンプ/アイコン1%

(2016年1月/Twitter Japan調べ)

 かなり幅広いものがTwitter経由で購入されていることがわかるだろう。ユーザーは有益な情報を求めて企業アカウントをフォローするので、最新情報や期間限定のお得情報などは歓迎され、売上につながる可能性が高い。

 ただし、あまりに売り込みが露骨なツイートはお勧めできない。Twitterの使い方が上手い無印良品(@muji_net)は、全体の9割を他のユーザーへの返信(リプライ)に宛て、残り1割が商品の紹介という割合でツイートしている。同じく東急ハンズ(@TokyuHands)は、リプライは全体の5割、ビジネスと関係がないお喋りが3割、商品の紹介は2割に抑えている。

 ソーシャルメディアではユーザーとの一対一の対話や、人間性が感じられるようなお喋りも重要だ。人間関係ができているからこそ、商品紹介などビジネス上の発信も受け入れられることは忘れてはならないだろう。

 また、商品情報の発信も、3時の小腹がすいたときにおやつになる商品を紹介したり、寒くて手がかじかむときにスマホ対応手袋を紹介するなど、時間や季節に合わせてユーザーが求める情報を出す工夫も必要だ。

 Twitterでマーケティング的に成功した例は非常に多い。たとえば、ポッキーは11月11日を「ポッキー&プリッツの日」とし、専用公式アカウント(@pockypretz11)も用意。Twitterにおける“24時間で最もツイートされたブランド”としてギネス認定された。最近では、募集したポッキー写真を使って作成したモンタージュ写真で、“クッキー・ビスケットの写真で作ったオンラインフォトモンタージュ”部門でもギネス認定されている。このように、投稿自体をお祭り化すると、楽しい体験となってユーザーが進んで参加してくれるようになる。

お客様に言えない台詞はツイートも厳禁

 Twitterで人気がある企業アカウントをご紹介しよう。たとえばシャープのアカウント(@SHARP__JP)は、緩いツイートで人気が高い。同じく人気のタニタ公式アカウント(@TANITAofficial)と一緒に『シャープさんとタニタくん@』のタイトルで漫画化されているくらいだ。

 人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の登場人物である津崎平匡がリストラされたときには、すかさず「津崎平匡さん、エントリーを切実にお待ちしております」とツイート。自社のロボホンがドラマの中で話題の“恋ダンス”を踊る放送に合わせてのツイートであり、時事ネタとして非常に盛り上がった。シャープ公式は定期的に自社商品を紹介しているが、それ以上にお喋りツイートが多く、ユーザーを楽しませているのだ。

シャープさんとタニタくんのLINEスタンプも登場済み。

 ただし、自由すぎる発言はやはりNGとなる。以前ご紹介したように、北海道長万部町のゆるキャラ「まんべくん」のように、意見が分かれることをツイートしてしまうと炎上につながってしまう。

 企業アカウントは、企業の代表と見られるため、問題発言をすると企業自体に迷惑がかかってしまう。通常お客様には言わないようなこと、他人を不快にさせるようなこと、意見が分かれるようなことなどはツイートすべきではない。その点には忘れないようにして運用してほしい。

筆者プロフィール:高橋暁子

 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。主な著作として『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎エデュケーション新書)、『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)など多数。

公式サイト「高橋暁子のソーシャルメディア教室