女性が活躍する社会へ向け何が必要か? 配偶者控除の上限引き上げに7割超賛成



子育て・介護に国の支援必要84.5%

女性活躍推進法の施行から約1年。女性が社会に参加しやすくなる様々な施策が行われてきた。その中でも注目を集めている配偶者控除の上限引き上げについて、「しゅふJOB」のアンケート結果が公表された。企業はどのように捉えているのだろうか。

文/陣武雅文


配偶者控除上限引き上げに7割以上が賛成

 女性活躍推進法が施行され、4月で1年を迎える。その間、政府や企業内で、女性の活躍を支援する動きが活発化している。その中で大きな議論となっているのが配偶者控除の上限額の見直しだ。

 これまでは配偶者控除を受けるため、上限額を超える収入にならないよう、働き方に制限をかける女性も多かった。この上限額を引き上げることによって、女性が社会で活躍しやすくすることを目的としたこの見直しについて、主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」が企業に対し、アンケート調査を行い、その結果が公開された。

 配偶者控除見直し案として、収入制限を103万円から150万円とする議論がある中、その引き上げについて企業の77.7%が賛成している。

配偶者控除見直しへの賛否について。企業の7割以上が引き上げに賛成。

配偶者控除の賛否の理由。

 配偶者控除そのものを続けるべきかどうかについての調査では、続けたほうがいいと考える企業が5割以上、続けないほうがいいと考える企業が3割以上という結果となり、その存在自体への意見が分かれていることがわかる。

 配偶者控除を続けるほうがいいと答えた理由については、多様な働き方を認めてサポートすべきという意見が65%となり、働き方改革と合わせた考え方をしている企業が最も多い。しかし、続けないほうがいいと答えた企業は、配偶者控除があるために収入調整をする人がおり、この控除がなくなれば制限を気にせずに働く人が増えると考えている割合が68.9%に上る。女性の社会進出に必要なものが、多様な働き方なのか、収入制限という壁の撤廃なのかは意見が分かれるところではあるが、いずれにしても見直すべきと考えている企業が多いことがこの結果からも見てとれる。

女性の活躍には子育てや介護の支援が必要

 配偶者控除に関する調査とは別に、企業や国が取り組むべきことについてのアンケート結果も発表されている。

女性が活躍するために企業・国が取り組むべきこと。

 企業の取り組み、国の支援項目ともに、子育てや介護に対するサポートが挙げられ、それぞれ74.6%、84.5%という高い数値をみせた。女性活躍推進法が施行され、女性の社会進出の推進が図られても、子育てや介護といった分野が女性の担当となっている社会実態があり、この分野でのサポート向上が、女性の活躍につながると考えている企業が多いという結果となっている。