自社の経験を活かして製品に反映するサイボウズ



「DISわぁるど in とちぎ 宇都宮」レポートその5

これからのワークスタイルの要となるテレワークでの業務遂行。「DISわぁるど in とちぎ 宇都宮」に出展していたサイボウズは自社の経験を活用したワークスタイル提案を行っていた。ブースとショートセッションの模様をお届けする。

文/陣武雅文


宣伝コピーで一気に注目が集まった「Kintone」を展示

 サイボウズ株式会社のブースでは主力製品の「Kintone」などを展示・紹介しつつ“うちわ”を配っていたのだが、いろいろな意味でギリギリだろうとSNSで話題となったコピーをあしらったデザインで会場でも目を引く存在だった。

サイボウズ株式会社のブース。

kintoneはプロジェクトごとにワークスペース自体を創出してくれるクラウドサービス。プログラムの専門知識がなくても、日報や案件管理をツール化できる。

 例のコピーは自社での体験に基づくものも多く、会場内で行われたショートセッション「ワークスタイル変革 はじめの一歩 サイボウズで手軽に共有」でもその一端が披露されていた。25%を超える離職率を改善させるために働き方改革を推し進め、現在では離職率4%まで下がったサイボウズの経験はその提供製品にも活かされており、その体験事態を外へ発信することで、売上向上にもつながっているという。

ショートセッションの様子。会社の離職率と売上のグラフ。離職率が改善していく中、売上が伸びていることがわかる。

 働き方改革では、勤務体系や給与といった制度の改革だけでは成り立たず、そうした制度を上長が率先して行うなど風土の改革も必要であると説く。そしてそれを加速するために必要なのがツールであり、リアルとバーチャル、どちらの環境でも同じように業務できるようにすることが重要と、ショートセッションでは解説していた。

 社内での体験談や会社を変えてきたノウハウなどは、「サイボウズ流 ワークスタイル変革ブック」という小冊子にまとめられ、ブースで配布されていた。それによれば、場所を問わず顧客情報などにアクセスでき、社内でのコミュニケーションをビジネスチャットやメール、あるいはつぶやき掲示板などで行うことで、社内・社外に関わらず、従業員全員が同じ環境で業務を行えることが重要だという。

ワークスタイル変革は、制度と風土の改革と、それを進めるためのツール活用が重要。

社内でも社外でも同じように情報が入手でき、他社員とのコミュニケーションも図れる環境作りが、離職率低下・売上向上につながっているという。また、リモートワークを使うことで遠いところにいても同じように働けるという安心感は離職率低下などに貢献するとのこと。

筆者プロフィール:陣武雅文

元デザイナーながら、MS-DOS時代からパソコン書籍編集者を務める。インターネット黎明期からコンピュータネットワークにおけるコミュニティに興味を持ち、制作した書籍もネット関連やグループウェア関連が多い。現在は働き方改革と最新テクノロジーの関わり方に注目している。