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2016/07/11

こだわりのWindows 10 Mobileスマホ
「VAIO Phone Biz」はこうして作られた - 第1回


VAIO株式会社 商品企画部 商品企画担当 岩井 剛氏、ビジネスユニット2 ダイレクターの林 文祥氏のおふたりにお話を伺った。今回から数回に渡って、チャレンジの連続だったと語るWindows 10 Mobile採用スマートフォン「VAIO Phone Biz」の開発秘話をお届けする。

第1回
BtoCのVAIOには初体験の連続だったVAIO Phone Biz開発

VAIO Phone Biz開発者インタビュー

文/飯島範久


 4月22日に発売された「VAIO Phone Biz」。その名の通り企業をターゲットにWindows 10 Mobileを採用したうえで、VAIOブランドのこだわりとユーザーが快適に使える性能の両立を目指して生まれた端末だ。しかしその陰にはVAIO社のたゆまぬ挑戦が存在した――。

 今回はVAIO株式会社 商品企画部 商品企画担当 岩井 剛氏、ビジネスユニット2 ダイレクターの林 文祥氏のおふたりにお話を伺った。今回から数回に渡って、チャレンジの連続だったと語る開発秘話をお届けする。

VAIO株式会社 商品企画部
商品企画担当 岩井剛氏

VAIO株式会社 ビジネスユニット2
ダイレクター 林文祥氏

いまからスマホに参入するなら企業向けがいちばん伸びる

―― まずVAIOがスマホ開発に乗り出したいきさつから教えてください。

岩井 VAIOはもともとソニーのPC事業が独立してできた会社なのでPCが本業ですが、PC自体、特にコンシューマ向けの販売台数が頭打ちになっており、もうひとつ事業の柱を立ち上げる必要がありました。

 そこで、需要があり、なおかつ我々が開発できるものとしてスマートフォンと通信に注目しました。

 ただ、そうは言っても個人向けのスマートフォンは飽和しつつあるので、VAIOの強みが活かせる商品/ビジネス企画を考えた結果、最終的に企業向けのVAIO Phone Bizという商品にたどり着きました。

―― 企業向けは具体的にどの程度伸びているのでしょう?

 様々な資料がありますが、国内向けの法人市場で考えた場合、2013年の650万台契約が、2019年には1690万台にまで達するという予想がありまして、およそ2.5倍市場が膨らむとVAIOとしては考えています。

 そのなかで細分化していきますと、2013年はまだiOSとAndroidで2分化された国内市場が、将来的にはWindows 10 Mobileのシェアが14%程度になるのではと考えられています。

 その理由として、基幹システムはWindowsであることが多いことと、BlackBerryの終息で企業が次のプラットフォームを探している、といった需要が見込まれています。

Windows 10 Mobile採用を後押ししたのはContinuum機能

―― OSをWindows 10 Mobileにした理由は?

岩井 開発当初は、必ずしもWindows 10 Mobileに決め打ちして開発していたわけではなく、Androidでも作れるとは考えていました。ですが、Windows 10 Mobileの全体像が見えてくるにしたがって、たとえばセキュリティやモバイルデバイス管理(MDM)といった利点が、Androidよりも企業向けだと感じました。

 なかでも昨年6月のBuildというイベントでContinuum(コンティニュアム)機能が発表され、それが想像以上に使えそうだということで、企業でのスマートフォンやPCの使い方を変えるきっかけになるのではいう所に注目しました。このときContinuumが使えるWindows 10 Mobile(を採用したスマートフォン)という企画が固まった感じです。

―― 今後は企業も、シェアの多いiOSやAndroidよりもWindows 10 Mobileを選ぶと確信していると。

岩井 Androidは、やはりセキュリティ面でマルウェアがインストールできてしまうなどリスクが高いですね。国内の個人向けだとスマートフォンの普及率が60%に届くぐらいですが、一方の企業向けはまだ立ち上がってきたところです。未だにフィーチャーフォンを使っている企業も多いですし、市場が出来上がっている状況ではないので、参入に際して勝機はあると思っています。

VAIO Phone Bizが注目されている要素の1つは、やはりこのVAIOらしいフォルムだろう。

積極的に端末を貸し出して検討いただく

―― 発売から2ヵ月ほど経ちましたが、企業からの反応はいかがでしょう?

岩井 企業向けですので、商談から導入まで時間はかかってしまうのですが、反響自体は高くいただいておりまして2月の発表以降、VAIOへダイレクトに入ってきている問い合わせだけでも毎日複数件ございます。導入を検討しているので機材を貸し出してほしいですとか、商品の説明をしてほしいといった希望が多く、現在は検証用の貸し出し機材が足りず、お待ちいただいているという状況です。

―― VAIOとしての導入に向けたサポート体制は?

岩井 基本的に、お問い合わせいただいた際には機材を送るだけではなく、VAIOの法人営業担当者が一旦ご訪問させていただき、商品の説明をしたうえで貸し出しを行なっています。試用期間は2~3週間ですね。

―― では、すでに導入している企業も?

 何件かは導入済ですが、やはり社内システムでの動作を検証してから本格導入となりますので、大企業にはまだ導入実績がありません。まだ発売して1ヵ月半(取材時)ですのでこれからですね。VAIOは、これまでBtoC市場は経験してきましたが、BtoBはかなり感触が違うという印象です。

―― 企業側はWindows 10 Mobileをどう受け止めていますか?

岩井 他のプラットフォームと比べて管理のしやすさに注目されていらっしゃるようです。Continuumに関しましても、「本当に普段遣いできるのか、ぜひ試してみたい」との声が寄せられています。

―― 管理しやすいというのは具体的にどういう点なのでしょう?

岩井 MDMツールがPC用のWindowsと同様に使えることですね。他のモバイルOSではPCとまったく異なるツールを使って管理しなければならなかったものが、PC向けのツールでそのまま管理ができます。よって、システム管理者さんから見れば非常に扱いやすいOSだと思います。

Windows 10 Mobileのホーム画面は、見慣れたWindows 10のスタートメニューと同様のデザインだ。

次回は――VAIOの世界観と、法人向け端末としての性能を両立させるには?

 成熟した市場を攻略する一手として、本格的な法人向け製品の開発に乗り出したVAIO社。次回は、VAIO Phone Biz開発中の“生みの苦しみ”などについて語っていただく。(以下次回)

筆者プロフィール:飯島範久

1992年にアスキー(現KADOKAWA)へ入社し『DOS/V ISSUE』や『インターネットアスキー』『週刊アスキー』などの編集に携わる。2015年に23年務めた会社を辞めフリーとして活動開始。PCやスマホはもちろん、ガジェット好きで各種媒体に執筆している。Microsoft Officeは95から使っている。

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