Windows 10の管理工数を減らし、業務端末を一元管理するVMware Workspace ONE



「DISわぁるど in 北陸 かなざわ」レポートその2

まだ多くの企業が使用しているWindows 7のサポートが2020年1月に終了する。しかし、Windows 10は自動的にアップデートされるため、その管理運用への負担も大きい。仮想化技術で知られるヴイエムウェアでは、このWindows 10をはじめ、さまざまな端末を一元管理する「VMware Workspace ONE」を提供。「DISわぁるど in 北陸 かなざわ」において、その管理運用手法についての紹介セミナーが行われた。

文/陣武雅文 撮影/篠原孝志


Windows 10の自動更新や端末の多様化による管理が課題に

 当セミナーは「絶好の働き方改革チャンス到来! Windows 10の革新的な管理運用手法とは?」と題し、ヴイエムウェア社 ソリューションビジネス本部 エンドユーザコンピューティング営業部の安藤妙子氏が登壇。VMware Workspace ONEを用いた管理・運用方法について語った。

 2020年1月にサポートが終了するWindows 7に代わり導入することとなるWindows 10。そして、働き方改革によって広がるリモートワークや在宅勤務といった柔軟な働き方で利用する端末は、PC以外にもスマートフォンやタブレットなど、管理対象は増加している。それに伴うセキュリティリスクの増大も含め、企業としては将来を見据えた対応が迫られている。

Windows 10の管理運用を見直す目的

 Windows 10は進化し続けるOSとして、年に数回アップデートがあり、自動更新がかかるが、アンケートでもこれを課題と考えている企業は多い。新しいバージョンの検証が終わらないうちに新たな更新がなされ、更新管理が煩雑になるだけでなく、アプリケーションの互換性などにも問題が生じる可能性がある。

 また、これまではPCだけでよかった社内のデバイス環境は、モバイル機器が増えたことで、さまざまな場所で業務が行えるようになった反面、その管理の問題が生じている。持ち出すPCの制限や、セキュリティ面への懸念などが、企業の働き方改革の足かせにもなっており、新しいOSの管理方法とともに、柔軟な働き方に対応できる運用が企業に求められている。

多様化する端末やアプリケーションを一元管理し、リスクを減らす「VMware Workspace ONE」

 これらOS、デバイスの問題を解決するのが、クラウドサービスによって管理を行う「VMware Workspace ONE」だ。クラウドサービスのため、社内外に関わらずデバイスを管理できるので、外へ持ち出すデバイスを一元管理できる。さらに設定したポリシーを適用することで、1台1台その都度設定する必要はなく、全デバイス、あるいはグループごとに差分の設定をクラウドから流し込める。これにより、最初はシステム情報部門といったリテラシーの高いグループからはじめ、適用範囲を広げていくという管理ができる。クラウドサービスなのでサーバを立てるといった設備投資も不要だ。

 Windows 10のアップデートについてもVMware Workspace ONEから更新プログラムを管理できる。新たな更新プログラムがリリースされても適用する期間を延期することができるので、最低限の機能検査をした後、順次適用するということが可能だ。

 セキュリティ対策については、遠隔操作でデバイスをロックしたり、データの削除を行うことができるだけでなく、デバイスを外へ持ち出すことによる情報漏洩リスクについても対応できる。デバイス内のデータを企業領域と個人領域にわけ、その間のやり取りを制御してコピーできないようにする。オフィス製品は企業領域とし、SNSやフリーメールなどとのデータのやり取りを禁止することで、コピーされて漏洩するリスクを防げる。

VMware Workspace ONEの強みと評価

 ダイワボウ情報システムからは、このVMware Workspace ONEの登録が済んだPCを提供するサービスが開始された。このサービスでは、ユーザーはワンクリックでVMware Workspace ONEを登録し、設定が流し込まれるようになっており、PCが手元に届いたときから管理下に置かれて、セキュリティが担保されている状態となる。また、初期設定で機能更新プログラムが180日間延期が適用されるのでリスク回避にも効果的である。

PC出荷時からVMware Workspace ONEが登録されている新サービス

 VMware Workspace ONEはあらゆるデバイスからあらゆるアプリケーションにアクセスできることが強みだが、企業側のセキュリティと、従業員のプライバシー確保を両立させる環境を整えられる。これにより、単に効率化が図れるだけでなく、生産性が向上し、管理運用といったコストも削減。セキュリティの向上に加え、企業の成長戦略にも効果を発揮する。

 スモールスタートから始め、将来的に拡張していくといった導入にも柔軟に対応できるVMware Workspace ONEは、フリートライアルが用意されており、60日間限定利用が可能だ。

VMware Workspace ONEはフリートライアルで試した後導入できる

 まだWindows 10への移行を躊躇しているなら、アップデートの制御もでき、デバイス管理とともにセキュリティも確保するVMware Workspace ONEの導入は、今後の働き方改革の推進を含め大きなカギを握るだろう。

VMware Workspace ONE

「働き方変革」を支える次世代IT基盤 エンドユーザーの利便性と企業セキュリティを両立

 「働き方改革」では場所や状況に応じて適切なデバイスを使い分けて仕事を継続することで生産性を向上させます。こうしたITの活用環境のプラットフォームとなるのが「VMware Workspace ONE」です。VMware Workspace ONEはスマートフォン、タブレット、ノートPC、デスクトップPCなど、デバイスを問わず統合管理します。そしてアクセス管理からアプリケーションとデータの保護、統合エンドポイント管理、仮想アプリケーションおよび仮想デスクトップ(VMware Horizon)など、さまざまな機能が利用できます。なおVMware Workspace ONEはクラウドサービスとオンプレミスの両方で利用可能です。

筆者プロフィール:陣武雅文

元デザイナーながら、MS-DOS時代からパソコン書籍編集者を務める。インターネット黎明期からコンピュータネットワークにおけるコミュニティに興味を持ち、制作した書籍もネット関連やグループウェア関連が多い。現在は働き方改革と最新テクノロジーの関わり方に注目している。