ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第23回

15倍ズーム、パン・チルト対応! 部屋中見渡せるビデオ会議用カメラの決定版



ロジクール「Logicool Rally PTZ Camera CC4900E」

働き方の変化に伴いビデオ会議はいまやデフォルト。しかしノートPCに搭載されているウェブカメラは大きな進化を遂げておらず、多人数でのビデオ会議では、画質や機能的に物足りません。そこで今回は数多くのWebカメラをリリースしているロジクール製品のフラッグシップモデル「Logicool Rally PTZ Camera CC4900E」をご紹介します。

文/ジャイアン鈴木


4K対応のイメージセンサーを搭載したハイエンドウェブカメラ

 「Logicool Rally PTZ Camera CC4900E」(以下Rally Camera)は大人数でのビデオ会議向けに開発されたWebカメラ。4K対応のイメージセンサーを搭載しており、4K、1440p、1080p、900p、720pなど用途に合わせた解像度で撮影可能です。

本体前面。15倍HDズームにより、最望遠側でも大きな解像度の低下はありません。なお、光学ズームは何倍なのかは明記されていません

本体背面。中央にあるのはリモコンとのペアリングボタン、右にあるのはセキュリティースロットです

本体左側面。カメラは左右と上下の2軸方向に回転できます

本体右側面

本体底面。中央には三脚ネジ穴を用意。その手前に見えるのはUSB Type-C端子とMIPI端子です

 本製品には、光学ズームとデジタルズームを組み合わせた「15倍HDズーム」、メカニカルなパン・チルト機構、90度の広視野角を備えており、会議室内を広く撮影することも、参加者やホワイトボードに寄って撮影することも可能です。

本製品に同梱されているリモコンによって各種操作ができます

 同梱されるリモコンは、円盤状のボタンで8方向へのパン・チルト操作を、「+」と「-」でズームします。上部の赤いボタンはビデオミュート、円盤中央のボタンはカメラをホーム位置に戻す機能が割り当てられています。「1」と「2」はプログラマブルボタン。任意の方向・ズーム倍率で3秒間長押しするとその画角を記憶し、いつでも復帰可能です。

 本製品には非常に多くの付属品が同梱されていますが、セットアップ自体は非常にカンタン。必須なのはカメラ本体、リモコン、USB 3.0 Type-Cケーブル、分配器、電源アダプターのみ。カメラマウントや分配器用ケースは必要に応じて使用します。

 手順は、カメラ本体に分配器を取り付けたのち、電源アダプターを接続してから、USB 3.0 Type-CケーブルでPCと接続するだけ。Rally Cameraを利用するためのソフトウェアは自動的にインストールされるので、あとは「Skype」などの対応アプリケーションでRally Cameraを選択すればオーケーです。

多くの付属品が同梱。中央にあるカメラマウントや分配器用ケースは天井などに設置する際に利用。電源アダプター用変換プラグは8個も用意されています

セットアップは容易。まずはカメラ本体に分配器を取り付け、USB 3.0 Type-Cケーブルと電源アダプターを接続します

電源アダプターをコンセントに差してから、USB 3.0 Type-CケーブルのType-A側の端子をPCに接続します

Rally Cameraを利用するためのソフトウェアは自動的にインストールされます

あとは「Skype」などのビデオ会議用アプリで使用するカメラとしてRally Cameraを選択すればセットアップ完了です

 さて実際に使ってみた感想ですが、4K対応イメージセンサーを搭載しているだけに解像感は非常に高いですね。発色も実際の色に忠実だと感じました。

 ちょっと驚かされたのが15倍HDズーム。望遠端でも細かな文字が読めるだけの解像感が確保されています。ビデオ会議でプロジェクターに表示されたプレゼン資料の文字やグラフが読めなくて困ることはなさそうです。

 逆にちょっと期待はずれだったのがワイドダイナミックレンジ機能を搭載した「ロジクールRightLightテクノロジー」。外光が差し込むカーテンをバックにしたときに、かなり顔が暗く映りました。顔の表情が判別できないほど暗いわけではないですが、もう少し露出を上げたほうがいいように思いました。

Rally Cameraの広角側で撮影。解像感は高く、また画面の歪曲も気にならないレベルです

Rally Cameraの望遠側で撮影。人形のうしろの文字もしっかりと判読できます

Rally Cameraで撮影。外光が画面の大部分を占めると、顔が暗く映ってしまいます

 ただ残念ながら「Skype for Business」や「Microsoft Teams」、「Google Hangouts Meet」、「Zoom」、「BlueJeans」、「BroadSoft」、「GoToMeeting」、「Vidyo」などの主要ビデオ会議アプリが、まだ4K解像度に対応していません。せっかく4K撮影が可能な製品にもかかわらず、Rally Cameraの性能をフルに活かしたビデオ会議が行えないのです。

 とは言え、ゆくゆくはこれらビデオ会議アプリも4Kに対応するでしょうし、アプリ側がフルHD解像度だからこそ、ズームしたときでも解像感が損なわずに、細かい文字でも見えるわけです。90度の視野角やパン・チルトなどの機能性は、ビデオ会議を円滑に進める助けとなってくれるはず。テレワークの要となるビデオ会議は、こういった良質のカメラを備えることが鍵となるでしょう。

Rally Cameraは、一定時間稼働していないとレンズが自動的に下を向きます。未使用時に撮影不可能なポジションをとることで、プライバシーへの配慮をアピールしているわけです

ジャイアン鈴木

筆者プロフィール:ジャイアン鈴木

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。