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2018/12/07

日本のデルのサポートを支える宮崎カスタマーセンターをレポート

エンドツーエンドのソリューション・プロバイダーであるデルの日本法人は、外資系でありながら、日本人がしっかり対応する日本市場に特化したサポート体制を敷いている。そのサポートを支えている拠点が、宮崎県にあるのはご存知だろうか? なぜ宮崎に設置したのか、デルがこだわるサポート体制について取材してきました。

文・撮影/飯島範久


デルのサポート拠点は13年前宮崎に開設

製品を導入する際、性能やコストとともに重要なのはサポートの充実です。故障したり、使い方がわからないといったとき、サポートへ連絡してすぐに解決できないと、作業が滞ってしまいプロジェクトがストップしかねません。迅速かつ充実し、対応がいいサポートが受けられるメーカーを選ぶことは、業務をスムーズに運ぶための潤滑剤のような役割でもあります。

世界市場のトップクラスを誇るデルは、日本国内専用のサポート体制を敷き、かなり力を入れています。本社は神奈川県川崎市にありますが、サポート業務の7割を行なうカスタマーセンターは、宮崎県宮崎市にあります。

今年の4月から宮崎カスタマーセンターのセンター長に就任した石口靖信さんは、7年前に宮崎カスタマーセンターへ赴任。テクニカルサポートマネージャーとしてお客様専任担当の活動をしてきました。デルがサポート業務の拠点を宮崎に開設したのは2005年の11月のこと。コールセンターというと沖縄や北海道がコストメリットが大きいため、設置しているメーカーが多いのですが、なぜ宮崎の地を選んだのでしょう。

センター長の石口靖信さん。コマーシャルソリューションズサポートとエンタープライズサポートの宮崎エリアマネージャーを兼務している

「当然、日本全国さまざまな所を探し回りました。そんななかで宮崎は、当時まだこうしたIT企業の進出が非常に少なかったため、企業誘致に非常に力を入れていました。そしてラブコールを受け、交流する中で、宮崎の方たちの温かさに触れたのです。親孝行ランキングが当時1位だったということで、若者が両親を思う気持ち、思いやる気持ちが強い地域でもありました。

私は東京や福岡でも働きましたが、7年前に宮崎の社員と初めて触れあったとき、ほかの地域に比べてより密接に感じたのを覚えています。お客さまに対しても、しっかりサポートしていきたいという気持ちが伝わってくるので、宮崎県民のホスピタリティ溢れる人材が拠点選定の大きなポイントだったのではないかと感じています」(石口さん)。

こうして宮崎を拠点とすることが決まり、自治体の協力を得て、中心市街地で建物を物色。宮崎市にあるこのセンターは、空港からのアクセスもよく駅から歩いて10分ほど。繁華街にも近く働きやすい場所です。もともとはデパートだったところを県からの支援も受けてオフィス用にリフォーム。

宮崎駅からほど近いデルのカスタマーセンターが入るビル

「当初500人規模のメンバーまで増強していく予定でしたので、1つのフロアの中にできる限り多くの社員を入れることが重要なポイントでした。特にコールセンターの場合は、一人のスタップが電話をとって、それをエスカレーションという形で、コミュニケーションが頻繁に行われるため、できる限り200名ぐらいの社員が1フロアに入れるようにしたかったんです」(石口さん)。

現在は、テクニカルサポート部門が300人おり個人と法人のサポート業務を行なっています。日本全国のサポート業務の7割はこの宮崎で行なっているとのこと。別のフロアには、営業部門があり約100人で業務を行なっており、内勤業務としてパートナー様向けの営業窓口、中小企業への窓口、保守延長・有料保証といった契約部門もあります。

カスタマーセンターの内部。取材当日は土曜日のため出社する人は限られていた

「法人向けのエンタープライズ製品は、宮崎ではサーバ・ストレージ製品のサポートを行っています。川崎ではハイエンドのサーバ・ストレージ製品のサポートやお客様向けのサポートを行っていますが、宮崎の方でもネットワーク製品のベーシック契約を行なっていこうとしています。特に現在は仮想化のシステムを構築しているお客様が多くなっていますので、VMwareやマイクロソフト、ハイパーバイザーのサポートというものが増えてきています。サーバとネットワークとストレージという3階層のサポートがキーとなってきているので、1つのシステムとしてのサポートを、徐々に拡大していくところです」(石口さん)。

宮崎は全体の7割程度。川崎ではハイエンドのサーバ製品コンペレント、ネットワーク製品もデータセンター向けのハイレベルの製品など

法人のデータ・ストレージ製品の場合、宮崎ではベーシックサポートとプロサポートを中心に行っています。また、法人のクライアント、サーバ製品はサポートの内容によってかわりますが、プロサポートは24時間365日のサポートを提供。ほかにも、より上位のサポートは、テクノロジーサービスマネージャーが専任で担当し、お客様の運用支援を行なっているとのことです。

デルEMCのサポートサービス内容

また、コンシューマサポートも拡充しており現在は50人ほど。さらに今年からLINEでのサポートも開設し、フォロワー数も順調に増えており、LINEアカウントへ直接問い合わせもきているそうです。

宮崎コールセンターコンテストで1位、2位を獲得

宮崎県には「Miyazaki IT Plus」というICT企業の業界団体があり、40社ほど加盟。その中で人材の交流として、スポーツイベントや宮崎コールセンターコンテストなどを行い、コミュニケーションを図っているといいます。

昨年、宮崎コールセンターコンテストの第1回が行われ、内勤の営業部門担当とテクニカルサポートのスタッフが出場。営業部門担当が1位、テクニカルサポートのスタッフが2位を獲得。地域活動やオフィス内のことを紹介してベストカンパニーアワードも受賞しています。

「デルのコールセンターが宮崎にあるということを、多くの人に知ってもらういい機会になったのではないでしょうか」(石口さん)と語り、社内のモチベーションアップにもつながっているとしています。

第1回宮崎コールセンターコンテストの様子

宮崎コールセンターコンテストでベストカンパニーアワードを受賞

デルが宮崎でサポート業務を行っていることをより知ってもらう活動は、ほかにも行っています。昨年から徐々にオフィスツアーを開始。多くはパートナー企業がユーザーを連れて来訪したり、営業部門が流通系や製造系、医療系に声をかけ、それぞれのマーケティング部門がお客様をアテンドしてこの宮崎へ訪問しているとのこと。昨年度は100社ほどの来訪でしたが、今年は8月末時点ですでに130社、200名とすでに昨年の数を超えており、最終的には250社ほどになると予想。来訪者には、宮崎県内の高校生が職場見学として仕事風景を見学したり、実機に触ったり、VRを体験してもらったりと、ITに触れる機会を設けているそうです。デルの認知にも役立っているようです。

センターで働くサポートスタッフは、派遣社員ではなく全員正社員というのも特徴です。お客様の技術的な質問に回答するため、一人ひとりを「オペーレーター」とは呼ばず、「エンジニア」と呼んでいます。お客様から連絡があると、エンジニアが問題に対して解決の案内をしたり、トラブルシューティングを行って回答。たらい回しを行わないように配慮しています。

過去の機材がすべて揃っているので、エンジニアたちはいつでも確認できるようになっている

「メーカーの正社員としてのサポートとなるので、宮崎のほうでも13年間の知識、経験の蓄積をしています。自社製品をサポートするということで、ロイヤリティの向上が特徴です。エンジニア一人ひとり権限をもたせていて、お客様の困りごとに対して、修理が必要であればどういう部品が必要なのか、どういう手配が必要なのかを判断して、エンジニアがしっかり担当するようにしています」(石口さん)。

当然正社員なので、デルのほかの正社員と同様に、自分自身のスキルを高めていき、新しいチャレンジ、新しい部署へ異動することも可能です。デルはすべての部門で必要な人材情報を公開しているので、社員自身が新しいところを目指していきたい場合は、マネージャーもそれをサポート。そのメンバーが新しいキャリアへ向かっていけるように支援をしながら成長させていくとしています。

また、社員が常に本社の社員と同じ意識を持つために、全社員ミーティングを四半期に1度必ず開催。平手智行代表取締役社長をはじめ、各部門のリーダーが宮崎へきて、会社の業績、方向性、新製品の情報を伝えています。特に宮崎の場合は、IT関連の展示会が非常に少なく、ITに関するアンテナをどうやって立てておくのか、社長からのメッセージを社員一同に向けて発しているそうです。

福利厚生面も充実しており、ストレスも解消するためのリラクゼーションコーナーやマッサージルームを社内に用意。また、社内のイベントの開催や地域社会との交流も積極的に参加。デルのアジア・パシフィック圏の中でいちばん働きやすい職場として、宮崎が選ばれています。

デルが取り組んでするボランティアや地域活動

親子パソコン組み立て教室も今年で11回目となり、インターンシップの学生たちもトレーナーとして参加する

働きやすい職場としてデルより表彰されている

より上質なサポートを求めて投資と成果主義

標準的なサポートプロセスとしては、電話やウェブなどいくつかのチャンネルを用意しています。問い合わせがくると、ナレッジの照会、調査を行って、必要があれば、修理・配送を行っています。そのあと、エンジニアの出張修理、パーツの部品を提供して、保守が行われます。クライアント製品に関しては、引取修理やオンサイト保守も行なっています。現在は80%の問い合わせが、エンジニアのみの対応で解決しているそうです。

各サポートの品質を高めていくために、正社員雇用への投資と、成果主義による社員の評価を行っているとのこと。

「まず入社したら、パソコンの基礎を6週間かけてきちんと習得させ、製品のトレーニングや電話応対のスキルも学んでもらいます。デビュー後は、デスクトップや簡単なものから経験を積んでいき、ノートPC、ワークステーションというクライアント製品の複雑なものに移行。そのあとにキャリアアップとして資格取得を行ないながら、サーバ・ストレージ製品へと進んでいきます」(石口さん)。

オフィスには資格取得者の名前がズラリと並んでいた

マネージャーやコーチがメンバーの成長やメンタルケアを行っており、日々の業務で困っていること、理解できないことを、しっかりとサポートして成長を見守っているとのこと。表彰制度もあり、お客様満足度を昇進昇格昇給に反映。エージェントランキングを公開して、自分の位置をしっかり認識し、四半期に一度ハイパフォーマンスを示したり社内改善に貢献したエージェントを表彰しています。社員同士でも同様のことを行っており、コミュニケーションやモチベーションを高める工夫をしているそうです。

顧客満足度はE-surveyによるメールでの満足度調査を行い、対応はどうだったかを0~10の11段階で評価。7以上を目標とし、顧客満足度90%以上を目標にしているとのこと。

「この目標は一人ひとりの目標であり、チームとしての目標でもあり、組織、デル全体の目標につながっていきます。ただ、日本人は可もなく不可もなくという5~6をつける人が多く、それを7以上にするにはどうすればいいのか、日々工夫しながらサポートしています」(石口さん)。

顧客満足度調査による評価

それ以外の成果主義としては、より早く対応、早めの解決という効率性と1回で問題解決、1回の修理で改善という効果性の2つも目標となっています。1件あたりどのくらいの時間を要したのかということを計測したり、短い時間の中でも、しっかりお客様が理解したのか、納得したのか、再度問い合わせがあったか、1度の修理で改善したのか、といったことを測ることで、サポートのクオリティを保つようにしているとのこと。これら3つをバランスよく高めていくことが、社員のスキルを高め、クオリティを高めることになります。

「いただいたコメントは、毎週マネージャーやメンバーを含めて、内容を分析し改善に生かしています。ハイエンドのエンタープライズサポートは、電話によるアンケート調査も実施しているので、ダイレクトなご意見ご感想をいただいています。サポート業務は、お客様からの声、『ありがとう』が社員のモチベーションにもつながります。しっかりアンケートに回答していただけるよう、日々業務を行っています」(石口さん)。

電話だけでなく、チャットやWebからの問い合わせ、ツイッター、フェイスブック、LINEサポートもコンシューマーからスタートしています。ツイッターのサポートは、アプリを使って、デルやDELLといったキーワードを検索して、常にツイートを見てエゴサーチ。お客様からの不満なツイートがあった場合は、直接担当がお客様のアカウントへメッセージを投げています。返事があったら、サポートにつなげて、問題の解決を目指しています。「フォローしていないお客さんも公式アカウントからメッセージが届くので、結構驚かれていますね。マーケティングとも連携して、内外にアピールしています」(石口さん)。

ツイッターでエゴサーチをかけて、デル製品で困っている投稿を見つけたらメッセージを送っている

最近はサービス契約によって、サポートアシスト機能を提供。従来は障害が発生すると自ら連絡して、サービス契約を確認し、システムの状態を収集したあとに、問題解決をしていました。これが、サポートアシストを導入すると、障害が発生した時点で自動的にカスタマーセンターへ通知がいき、サーバ製品なら自動的にログも送られてくるので、アサインされたエンジニアが内容を確認し、すぐコールバックできるようになります。HDDや電源ユニットは、予測検知機能も備わっているので、障害が発生する前にアラートが送るため、未然に予防的な交換が行えます。

「より複雑な問題は、レゾリューションマネージャーというインシデントマネージドチームがあります。たとえばサーバ・ストレージの場合は、ミッションクリティカルなケースで利用することが多く、システムダウンすると業務へのインパクトが大きくなります。そのような場合は、レベル1エンジニアからすぐにレゾリューションマネージャーへ移行し、単一窓口となって各技術チームと連携して対応策のコミュニケーションをとりながらしっかり終了までサポートしていきます」(石口さん)。

従来のサポートとサポートアシスタントとの違い

テクニカルサポートで行なっている部品の手配からその後の24時間監視、災害時の対応などは、川崎にあるグローバルコマンドセンターで行なっています。地震が発生したり、大型台風が接近したとき、被害の状況や影響を事前に確認して、テクニカルサポートと連携しています。交通が麻痺した場合、そのエリアの部品の配送がどういった状況になっているのか、エンジニアがお客様のところへ訪問できるのか、パートナーとともに状況を把握し共有しながら、サービスの提供状況を把握しています。

東日本大震災のときは、宮崎は影響がなかったので、サポートの電話はすべて宮崎へ回すなど、速やかな対応を行っていた

サポートへの問い合わせは、週にエンタープライズ製品が1,500件、クライアント製品が2,000から3,000件にも上るそうです。石口さんは「宮崎でサポート業務を行っていることは、皆さんあまりご存知ではないということを、オフィスツアーのプレゼンをしていると痛感しております。まだまだ宮崎発のサポートを知っていただくために、改めて努力していこうと思います」と語っています。安心サポートのために、日々スキルアップを図っているエンジニアたち。ワンストップ・ソリューションを目指して、日本ならではの肌理の細かい対応を宮崎の地から行なっていました。

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