スマ研・ニュース解説 Vol.5

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【NewsPickUp-2】

経済産業省コネクテッド・インダストリーズ税制(IoT税制)を創設

経済産業省は政府の方針であるIoTの普及進展に向けて「コネクテッド・インダストリーズ税制(IoT税制)」を創設した。一定のセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用により生産性を向上させる取り組みに対し、必要となるシステムや、センサー、ロボットなどの導入を特別償却や税額控除で支援する。

http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/data-katsuyo/iot-zeisei/iot-zeisei.html

【解説】

IoT導入の必要性を感じる製造業者は少なくないだろう。ドイツ発のインダストリー4.0、米国主導のIIC(インダストリアル・インターネット・コンソーシアム)、そして日本のSociety 5.0と、繰り返しIoTの重要性と、普及に向けた動きが説明されてきた。取引先のIoT導入が本格化すれば、自社もそれに役立てるためのデータ提供を求められるようになる可能性は高い。しかし、そのためにはかなりの投資が必要になる。

その負担を軽減すべく2018年に制定されたのが、IoT投資に対して課税特例を設けるコネクテッド・インダストリーズ税制だ。対象となるのは青色申告事業者であれば、業種や資本規模は問わないが、事前に計画の認定を受ける必要がある。計画には「データ連携や利活用の内容」「セキュリティ面」「一定期間内の目標達成」の3つの要件が必要で、対象設備であるソフトウェア、機器備品、機械装置の導入投資に対して、特別償却30%または税額控除3%(賃上げを伴う場合5%)の措置を受けられる。投資金額はトータルで最低5,000万円が必要だ。適用は、平成32年度末(2020年度末)までで、政府の2020年に向けたSociety5.0の取り組みのなかで、IoT進展を促すことの重要性を示すものだ。

コネクテッド・インダストリーズ税制の概要(経済産業省のサイトから)

センサーなどによる新しいデータの取得とそのシステム連携を考えている場合、魅力的な支援と感じる企業も少なくないだろう。5,000万円以上という投資の制限も、工場を1つIoT化するには妥当な金額だ。セキュリティ措置は、グループ企業間や事業所間でデータのやり取りを考えるなら必要な措置だと言える。なお、セキュリティは内部ですべて賄う必要はなく登録セキスペ(https://www.ipa.go.jp/siensi/)などによる担保が可能となっている。

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