スマ研・ニュース解説 Vol.6


スマートワーク関連の気になるニュースを深掘り! 今回は「高度外国人材活用推進ポータル」、「働き方改革関連法への企業の対応調査」、「連合が取り組むLINE働き方改革相談」の3本です。

文/狐塚淳


【NewsPickUp-1】

JETRO(日本貿易振興機構)が高度外国人材活躍推進ポータルサイトを開設

JETRO(日本貿易振興機構)は、海外からの高度な知識・技能を有する外国人材の更なる呼び込み・国内での就職促進に向け、「高度外国人材活躍推進ポータルサイト “Open for Professionals”」を、2018年12月に開設した。同ポータルサイトでは、日本での就労を希望する外国人留学生等と高度外国人材の採用に関心がある中堅・中小企業の双方に向け、日本の生活・就労環境や入管制度の情報、関係省庁等が実施する高度外国人材関連のイベント情報などを横断的に集約・提供していく。

https://www.jetro.go.jp/news/releases/2018/413877da9e0eab68.html

【解説】

国内の労働人口が急速に減少していく中で、高度外国人材の活用は急務だ。そのための法整備は進み始めているが、日本で働きたいと考える外国人材へのケアや、その受け入れを希望する企業への情報提供はまだ十分とは言えない。JETROが開設した「高度外国人材活躍推進ポータルサイト “Open for Professionals”」は、その両者に向けた情報提供を加速する仕組みだ。

昨年、政府の「未来投資戦略2018」に基づき、関係省庁による高度外国人材受入れ施策の有機的な連携を図るための仕組みとして、ジェトロに「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」が設置された。そのための具体的な情報提供を目的に開設されたのが同ポータルサイトだ。情報発信に加え、海外展開を目指す中堅・中小企業からの高度外国人採用に関する手続きや課題解決等に関する相談にもきめ細かく対応していく予定だという。

“Open for Professionals”では、「企業の方に」と「日本で働きたい方に」と題し、それぞれ4ステップの情報を提供している。企業向けはStep.1高度外国人材とは、Step.2採用活動、Step.3採用前後の手続き、Step.4活用に向けての工夫。日本で働きたい外国人材向けはStep.1日本で学ぶ・働く、Step.2就職先を探す、Step.3必要な手続き、Step.4働き始めたら、の4段階だ。

外国人材向けの情報を見ると、政府の人材育成・還流事業の紹介から、日本語教育関連情報、仕事を探すことができる場所の紹介など、さまざまな支援が省庁横断で提供されていることがわかる。

一方、企業向けでは、在留資格や入国の流れ、来日後の手続きなど、外国人材採用経験のない企業にも理解しやすい情報が並んでいる。また、「活躍に向けて」のステップではメンター制度などのフォローアップ体制の必要性や、海外扶養親族に関連した労務・税務、海外ではなじみのない「手取り」の説明の必要性など、行き届いた情報が並んでいる。

外国人材自身が、日本で働くための手順や手続きを知ると同時に、人材不足に悩む中堅・中小企業に必要な情報をワンストップで提供することで、就労と雇用のミスマッチを生まない労働が可能になり、人手不足解消に貢献することを目指している。

当事者である外国人材と受け入れ企業以外の立場でも、ここに掲載されている情報を知ることで、日本が必要としている外国人材の受け入れには多くのケアしなければならない点があることが理解できるだろう。

なお、JETROでは2019年度以降、高度外国人材の採用に関心がある中堅・中小企業等の情報や、日本で就労を希望する外国人留学生が在籍する大学等の情報を掲載し、更なるコンテンツの拡充を図っていく予定だ。

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