戸田覚の週刊「ジバラ」-自分働き方改革のススメ【第42回】

写真を切り抜いて資料のクォリティアップ(2)


今回の自働(ジバラ)は、写真を切り抜いて活用する方法の2回目。活用編として、切り抜いた写真を書類に貼り付けていく。切り抜いていない写真を貼り付けていた、今までの書類とぜひ比較していただきたい。ちょっとした手間はかかるが、その価値は十分にあるはずだ。

文/戸田 覚


Wordで切り抜き写真を使うメリット

 Wordに普通に撮影した写真を貼り付けると、まあ、普通に作ったような書類が出来上がる。さほど悪くないのだが、文章に対して写真が場所を取りすぎるし、なんとなく古めかしい資料に感じないだろうか?

 そこで、切り抜いた写真を貼り付けてみよう。すると、周囲の余白部分がなくなるので、書類がスッキリとしたイメージになる。ただ、写真を変更しただけなのに、完成度が上がったように見える。

 さらに、切り抜いた写真なら文字を回り込ませるとさらに見栄えがよくなる。ちょっと、広告やカタログっぽいデザインに感じるだろう。こんな資料が簡単に自分でできてしまうのだからすばらしい。また、文字を回り込ませることで、書類のスペースが大きく節約できる。資料の枚数を減らす効果もあるのだ。

普通に写真を貼り付けた資料。よくありがちな書類だが、見栄えはイマイチ

切り抜いた写真に変えるだけでモダンに感じられる

写真に文章を回り込ませることで、スペースも節約できる

 前回紹介した、ぼかしの違いも改めてチェックしておこう。上のWordの資料に貼り付けた写真は切り抜いた後で周囲をぼかしている。ぼかしていない写真では、ギザギザが目立ってしまうのだ。

こちらはぼかしていない写真で、周囲がややギザギザしている

ぼかした写真は周囲が美しい

PowerPointのスライドにもおすすめ

 切り抜いた写真はPowerPointのスライドにもおすすめだ。スライドの見た目がスッキリする。これまでの写真だとスライドの背景に加え、写真自体の背景が重なることになって邪魔なのだ。

 さらに、複数の写真を重ねてアニメーションで切り替えることで、動画的な効果が発揮できる。写真を撮影する際にスマホやカメラを三脚で固定し、被写体の位置も同じにすれば、ほぼ同じ写真が複数撮れる。被写体の一部を動かして撮影し、アニメーションで切り替えれば、折りたたみの様子、瓶の蓋を開けたところ、ケーブルをつないだ状況などが、動きを交えて説明できる。

 アニメーションの指定は簡単で、写真をぴったりサイズで重ねておき、開始効果と終了効果で、動く前の写真を消して、動いた後の写真を出すだけだ。

 写真を切り抜くにはちょっとした手間がかかるが、資料のクォリティが大きくアップするのでおすすめだ。

切り抜いた写真を貼り付けたスライドは見た目もスッキリ。スライドをクリックすると写真が変化します。写真はアニメーションで動かすので、この状態では2枚重なっている

筆者プロフィール:戸田 覚

1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。