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2019/09/19

社員の衛生要因を数値化し、人事戦略に活かす「ハイジ」


苦労して人材を採用したのに、退職者が相次ぐ……、そんな状況が多くの企業で発生している。なぜ、こんなに退職者が多いのか? そう思う総務や人事の担当者は多いはずだ。そうしたなか、株式会社OKANは退職者の離職理由や社員のハイジーンファクター(衛生要因)を分析する「ハイジ」のサービス提供を開始した。

文/豊岡昭彦


退職理由を“見える化”して人手不足の課題解決を

 株式会社OKAN(https://okan.co.jp/)は、オフィスにいながら1品100円で健康的な食事ができる「オフィスおかん」(https://office.okan.jp/)を提供してきた。「オフィスおかん」は各オフィスの専用冷蔵庫、専用ボックスなどに、ご飯やお総菜のレトルトを置き、電子レンジで温めるだけで、手軽に食事ができるのが特徴。「食の福利厚生」や「ぷち社食」と呼ばれ、食をきっかけにさまざまな課題を解決するサービスとして人気を集めている。5年前(2014年3月)にサービスを開始し、現在では全国約1,500社以上が導入、売上げは毎年2倍の勢いで伸びている。

「オフィスおかん」https://office.okan.jp/

 フード産業と思われていた、そのOKANが2019年7月にリリースしたのが“ハイジーンファクター”改善サービス「ハイジ」だ。“ハイジーンファクター”とは、社員の「衛生要因」を意味し、そこから退職者の離職理由などもわかり、未然に離職を減らすための注意を喚起するツールだ。同社で、「ハイジ」を担当する岡本達矢氏に「ハイジ」の特徴や開発意図について聞いた。

「弊社のビジョンは『働く人のライフスタイルを豊かにする』ですが、オフィスおかんでさまざまな企業の総務・人事系の方とお付き合いするなかで、いま彼らにとって一番大きな問題が人手不足と採用の問題であることがわかってきました。採用しても次々に辞めていく人がいては、底の抜けたバケツに水を注いでいるようなものです。求人広告や面接のコストなどを考えると、1人を採用するのに300~1,000万円ほどのコストがかかると言われていますし、せっかく教育した人が辞めてしまうと社内にノウハウが蓄積されていきません。離職者を減らすことが日本の多くの企業にとって喫緊の経営課題になっているのです」

株式会社OKANハイジ事業部事業責任者岡本達矢氏。 岡本氏は、前職で就職活動をサポートする仕事を担当していたため、人事担当者の仕事内容や気持ちを理解していることが強み

 人手不足が続くなかで、人材の採用コストは増加しており、人事関係の部署では頭の痛い問題になっている。OKANは、そこにビジネスチャンスを見いだすとともに、パートナーである総務・人事系の部署をサポートできないかと考えたのだ。

「なぜ、辞めてしまうのか。その答えを出すために、社員の不満につながる衛生要因(ハイジーンファクター)を見える化、顕在化するのが「ハイジ」の特徴です」

 そこでOKANが注目したのが、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」だという。ハーズバーグは、社員の離職の理由を以下の2種類としている。

・モチベーター(動機付け要因):理念への共感、仕事のやりがい、職務内容など

・ハイジーンファクター(衛生要因):健康、家庭との両立、人間関係、職場環境など

 多くの企業が採用している「従業員満足度調査」は、このうちモチベーター、すなわち仕事のやりがいを調べるものがほとんどだと岡本氏は言う。さらに、退職理由はモチベーターよりもハイジーンファクターが多く、8割を超えると指摘する。

「実際には仕事のやりがいを感じていても、働き続けられず、離職してしまう人が少なくありません。ですから、従来の『従業員満足度調査』だけでは不十分と感じている人事担当者も多かったのです。働きがいを感じていても、働きにくさを感じ、実際に働き続けることができない。そのような要因をあぶり出すのが『ハイジ』です。『ハイジ』は、ハイジーンファクターに特化したサービスとして、唯一のものです」

人事総務の仕事の優先順位を明確に

 OKANが提供する「ハイジ」では、企業の従業員は1か月に1回、49問、約10分間の匿名アンケート調査にオンラインで回答する。その結果、執務環境、リフレッシュ環境、社内の雰囲気、労働時間などの12要素のハイジーンファクターについて分析結果を表示。その結果を、エリア、部署、役職、年齢、家族形態、性別などで表示できる(3名以下のチームは個人が特定されてしまう危険があるため、表示しない)。

「組織全体での分析のほか、個々の支店や部署ごとの分析もできます。問題のある項目がハイライトされるため、人事総務系の部署が次に何をやるべきか、その優先順位を明確にできるのです」

「ハイジ」では、ハイジーンファクターをリフレッシュ環境、社内の雰囲気、適正な労働時間、休暇の取りやすさ、制度の充実、周囲の理解、生活負担の軽減、チームワーク、フィジカルヘルス、メンタルヘルス、私生活の充実と支援の12要素で分析できる

ハイジのサービスを継続することで、不満足要因のスコア変化を把握できる

 例えば、職場環境の改善においても、これまでは総務部の“勘”や経営者の“一存”で行われることが多かったわけだが、「ハイジ」を使えば、社員の意見や体感を“数値化”できるのだ。

「『ハイジ』の情報をもとに環境を整備し、社員の不満が減れば、数値として進捗状況を確認できます。これまで数値化が難しかった総務・人事の仕事を可視化できるのです。その結果として離職者を減らすことができれば、これまでコストセンターと考えられてきた総務や人事がプロフィットセンターになることも可能なのです」

 OKANでは、分析ツールを提供するだけでなく、そのサポートや場合によってはコンサルティングも行って、ハイジーンファクターを改善するための施策を支援するという。

「『ハイジ』を累計20社に導入しましたが、総務・人事の担当者からは大変好評をいただいています」

「ハイジ」の数値をもとに、現状把握(See)、分析(Plan)、 効率的な対処(Do)を繰り返すことで、社員の働きやすさを促進し、離職者を減らすことができる

 これまでも「人財が大切」であることは多くの企業で言われてきたが、社員の「働きやすさ」を表す指標はほとんど存在しなかった。人手不足の時代にあっては、人事戦略が経営戦略の大きなポイントの1つであり、「ハイジ」はその人事戦略を決めるための指標のひとつになる可能性を持っている。

 働き方改革の中で、スーパーフレックスやテレワーク、フリーアドレスなど、様々な試みが行われているが、それを社員たちはどう感じているのか。1つの企業の成功事例が他社には当てはまらないという中で、「ハイジ」の数値化された指標はその解決にも力を発揮するだろう。

筆者プロフィール:豊岡昭彦

フリーランスのエディター&ライター。大学卒業後、文具メーカーで商品開発を担当。その後、出版社勤務を経て、フリーランスに。ITやデジタル関係の記事のほか、ビジネス系の雑誌などで企業取材、インタビュー取材などを行っている。

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