ワーキング革命 - 第52回

Microsoft Teams 専用デバイスで在宅勤務時のWeb会議を円滑に


自粛要請は解除されたが、テレワークは今後、主流の働き方の一つになっていくだろう。ウィズコロナ時代の社員の安全と働き方の効率を考えるならば、自粛期間に普及したテレワークは必然的に活用されていくはずだからだ。ただし、テレワークを実践して見えてきた課題もある。中でも、Web会議への円滑な参加は重要なテーマとなっている。その課題を解決し、新しいテレワークのスタイルを提案できるコラボレーションデバイスをレノボ・ジャパンが提供している。

文/田中亘


この記事は、ICTサプライヤーのためのビジネスチャンス発見マガジン「月刊PC-Webzine」(毎月25日発売)からの転載です。

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簡単セットアップで Microsoft Teamsに参加

 レノボ・ジャパンが提供しているのは「ThinkSmart View」というMicrosoft Teams専用パーソナルコラボレーションデバイスだ。Microsoft Teamsを使うために最適化されていて、他のWeb会議システムに対応しないことで、簡単なセットアップと使い勝手を実現した。

 その形状は、8インチのディスプレイを備えたフォトフレームのようだ。横に置いて使うだけではなく、スマートフォンのように縦にしても使える。ディスプレイの横にはスピーカーがあり、マイクとWebカメラも装備されている。本体の側面には、音量ボタンや、Webカメラとマイクを物理的に遮断するスイッチなどが配されている。もちろん、Wi-FiとBluetoothに対応している。

 これまでオンラインでの会議に慣れていない従業員でも、ThinkSmart ViewがあればSNSのチャット機能を使うような手軽さで、Microsoft TeamsのWeb会議を活用できるようになる。その秘訣は、非常に手軽なセットアップにある。基本的には、ThinkSmart Viewを最初に使うとき、自宅のWi-Fiへの接続設定を行い、Microsoft 365で取得したユーザーIDとパスワードを入力するだけでいい。

 スマートフォンやタブレットのセットアップを経験したことがあれば、それほど高いITリテラシーがなくても、自宅でThinkSmart Viewをセットアップできる。その容易さが、テレワークでの全員参加を実現する。

3大コラボレーション機能を提供

 Microsoft TeamsをPCで利用すると、SNS的なメッセージの交換や情報の共有なども活用できるが、ThinkSmart Viewではコラボレーションに特化した3大機能を提供している。それが、Microsoft Teams会議への参加と、外線の受発信、スケジュールの確認だ。

 この三つに特化した理由は、使いやすさの追求にある。ITリテラシーが高いユーザーは、とかくデバイスに多くの機能を求めがちだ。しかし、テレワークを全従業員で積極的に推進していくためには、誰でも参加できる仕組みづくりが重要になる。PCやアプリのセットアップに手間や時間がかかってしまうと、Web会議から脱落してしまう従業員も出てくる。それでは、組織としての力を発揮できなくなる。

 そこで、オフィスに集まれない状況を少しでも埋めるために、手軽にこまめに開催できるMicrosoft Teams会議の活用が必須となる。そのスタイルも、実際の会議のような形式張ったものではなく、廊下での立ち話のような手軽さへと進化していく必要がある。通り過ぎたスタッフを「ちょっと」と呼び止めるような気軽さで、Microsoft Teams会議を開催できる方がいい。そうしたニーズにとって、常にスタンバイしていて、手軽にスケジュールをチェックしたり、通話できるコラボレーションデバイスの存在は、テレワークの在り方そのものも革新する。

 特に、IP Phoneとしての受発信を活用すると、自宅で働く社員同士をつなぐ内線電話のように機能する。レノボ・ジャパンでは、ThinkSmart Viewが従来のオフィスに合ったビジネスフォンを革新する次世代の端末になると予見している。

一人に1台がWeb会議を進化させる

 新しい働き方が求められる状況になり、世界的にMicrosoft Teamsの売上が伸びている。それだけに、ThinkSmart Viewには大きな市場を獲得できるチャンスがある。Microsoft Teams会議をPCで利用するのが苦手な社員への普及はもちろんだが、PCのヘビーユーザーにとっても、ThinkSmart Viewを使うメリットは多い。

 例えば、ノートPCでMicrosoft Teams会議を行っている最中に、マイクをミュートにしないでキーボードを叩くと、その打音がかなりうるさくなる。ノートPCの機種によっては、タイプ圧をバネで吸収できないので、叩きつけるような音と振動をマイクで拾ってしまう。こうした問題も、ThinkSmart Viewを併用すれば解決する。

 Microsoft Teams会議をThinkSmart Viewで会話しながら、ノートPCでは資料の閲覧やタイピングを行えばいい。こうした使い分けの提案もThinkSmart View導入の一助となる。また、ThinkSmart Viewがあれば、常にPCをスタンバイにしておく必要もなく、より手軽にカジュアルにMicrosoft Teams会議を開催できるようになる。

 自粛要請が解除されても、テレワークを推奨する働き方は今後も継続される。巷では、テレワーク鬱という働き方の課題も出てきている。そうした状況を改善し、自宅にいても会社のチームとの親近感や一体感を得られるThinkSmart Viewは、一人に1台の新たなビジネスデバイスになる。

(PC-Webzine2020年7月号掲載記事)

筆者プロフィール:田中亘

東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系まで、広範囲に執筆。代表著書:『できる Windows 95』『できる Word』全シリーズ、『できる Word&Excel 2010』など。

この記事は、ICTサプライヤーのためのビジネスチャンス発見マガジン「月刊PC-Webzine」(毎月25日発売/価格480円)からの転載です。

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