ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第42回

低価格を追求しつつも性能、質感、デザインに妥協なし!「Surface Laptop Go」


マイクロソフト「Surface Laptop Go」価格8万9800円(税込)~

一口にノートPCと言っても、ディスプレイ回転型や脱着型など、さまざまなスタイルが発売されています。今回レビューする「Surface Laptop Go」は、スタンダードなクラムシェル型。ただし低価格を追求しつつも、性能、質感、デザインに妥協のない、まさにリファレンスモデル的な高コスパマシンです。

文/ジャイアン鈴木


Surface Laptop史上、最軽量&最安値を実現

「Surface Laptop Go」はマイクロソフトがリリースした12.4型クラムシェルスタイルのWindows 10搭載モバイルノートPC。本体サイズは278.18×205.67×15.69mm、重量は1110g、そして価格は法人向けモデルで8万9800円からと、Surface Laptop史上最軽量&最安値を実現しています。

本体の実測重量は1128g。カタログスペックよりほんのちょっと重いですが、製造時の誤差によるものと思われます

OSは「Windows 10 Pro」、CPUは「Core i5-1035G1」(4コア8スレッド、1.00~3.60GHz)を採用。メモリー(RAM)は8GBまたは16GB、ストレージ(SSD)は128GBまたは256GBが搭載されています。

ハードウェア的なスペックで異なるのはメモリーとストレージ容量のみ。というわけで法人向けには、Core i5/RAM8GB/SSD128GB(8万9800円)、Core i5/RAM8GB/SSD256GB(11万2800円)、Core i5/RAM16GB/SSD256GB(13万6800円)というハードウェア構成が用意され、それにプラチナ、アイスブルー、サンドストーンの3色が組み合わされています。ただし、最上位モデル(Core i5/RAM16GB/SSD256GB)はプラチナのみ。つまり、計7モデルがラインナップされているわけですね。

今回借用したモデルはCore i5/RAM8GB/SSD256GBという構成です

これ以外のスペックはすべて共通。ディスプレイは12.4型液晶(1536×1024ドット、148ppi、3:2、10点マルチタッチ対応)を搭載。通信機能はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0をサポートし、インターフェースはUSB-C×1、USB-A×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、Surface Connectポート×1を装備。生体認証はWindows Hello対応指紋認証センサー一体型電源ボタンを採用。設計容量3万9700mWhのバッテリーを内蔵しておりバッテリー駆動時間は最大13時間とされています。

本体天面。アルミニウム素材が使われており、価格以上の高級感を備えています

本体底面。ベース部分にはポリカーボネート複合樹脂とグラスファイバーが使われています。ゴム足は安定感の高いバータイプです

ディスプレイの解像度は1536×1024ドット、128ppiとやや低め。3:2の画面比率は上下の見通しがよいので、ウェブ閲覧や文書作成にもってこいです

キーボードは日本語仕様のみ。キーピッチは実測18.5mm前後、キーストロークは1.3mm。スペースキーの横に、「あ」キー(IMEオン)、「A」キー(IMEオフ)が新搭載されています

本体前面と本体背面

右側面にSurface Connectポート×1、左側面にUSB-A×1、USB-C×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1が配置されています

パッケージには、Surface Laptop Go、39W電源アダプター、説明書類(クイックスタートガイド、安全性および保証に関するドキュメントなど)が同梱されています

パフォーマンスと使い勝手をチェック!

さて、Surface Laptop Goの処理性能ですがCPUベンチマーク「CINEBENCH R15」のCPUで485 cbとけっして高くはありませんが、比較的負荷の低い3Dゲーム「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」であれば「やや快適」という判定が出ていますし、ストレージ速度もNVMe接続のSSDを搭載しているだけに読み込み速度で2012.51MB/s、書き込み速度で793.77MB/sを記録しています。ウェブブラウジング、オフィスアプリの利用、動画の視聴などの一般的なビジネス用途であれば、十二分なパフォーマンスを備えています。

使い勝手に関しては、新設された「あ」キー(IMEオン)、「A」キー(IMEオフ)がよいですね。ホームポジションから指を動かすことなく、両親指で日本語入力、英語入力を切り替えられて便利です。MacBookも同様のキーが用意されているので、WindowsとMacを両方使っている方は、違和感なく利用できそうです。

3:2という画面比率も、仕事用にはやはり快適。Surface Laptop Goでこの原稿を書いてみましたが、上下の見通しがよいので文章の流れを把握しやすいですし、画像や表を挿入する際も作業しやすく感じました。ただし、16:9で作成された動画などを鑑賞するときには上下の黒帯が気になるかもしれません。

一方、「どんな光でも美しい画像が撮影できるHDカメラ」とアピールされているウェブカメラは、室内でも明るく撮影できるものの、色味がちょっと不自然に感じました。ビデオ通話の機会が増えているので、ノートPCのウェブカメラにはスマホと同等の画質に引き上げられることを期待したいところです。

CPUベンチマーク「CINEBENCH R15」のCPUは485 cb、CPU(Single Core)は166 cb、OpenGLは52.88 fps

3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のスコアは3239(1280×720ドット、標準品質、ノートPC)

ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は2012.51MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は793.77MB/s

MacBookのような「あ」キー(IMEオン)、「A」キー(IMEオフ)を装備。MacBookとの両刀遣いには重宝するキーです

3:2の画面比率は前後の見通しがいいのでウェブ閲覧に最適です

Surface Laptop Goのウェブカメラ(720p HD、F2.0)で撮影。室内でも明るく撮れますが、色味がやや不自然ですね

手頃な価格のサブノートPCを探している方にピッタリな一台

一般的なノートPCであればCPUは2~3種類用意されていますが、Surface Laptop GoはCore i5の1つのみ。ここからも本製品が処理性能だけでなく、コンパクトなモバイルノートPCを求めるユーザーの利用シーンを見据えて、トータルバランスに配慮した設計がなされていることがわかります。手頃な価格のサブノートPCを探している方にとって、Surface Laptop Goはピッタリな一台と言えます。

ジャイアン鈴木

筆者プロフィール:ジャイアン鈴木

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。