Microsoft 365で業務効率アップ!【第95回】

iPadのMicrosoft Officeが圧倒的に進化(2)


前回に引き続き、iPadのMicrosoft Officeについて紹介していこう。そもそも、iPadのMicrosoft Officeは、Word、Excelなど単体のアプリがリリースされていた。ところが、2021年2月のアップデートで、「Microsoft Office」として1本のアプリに統合されて使いやすくなった。実は、iPhone版は以前より統合されていたのだが、ようやくiPad版でも対応したわけだ。

文/戸田 覚


ファイルの扱いが簡単に

 統合されたMicrosoft Officeアプリは、OneDriveも合体していると考えていいだろう。アプリを起動したら、左のメニューよりホームボタンをタップすることで、最近使ったファイルが一覧できる。Microsoft Officeのアプリがまとめて表示されているので、パソコンでの作業も引き継ぎやすいのだ。

 もちろん、このホーム画面からファイルの新規作成にも対応している。

ホーム画面でOneDriveも利用可能。最近使ったファイルが素早く開ける

右の「+」ボタンをタップすると新規書類が作れる

パソコンとファイルをやりとり

 統合されたMicrosoft Officeには、パソコンと手軽にファイルをやりとりする機能も搭載されている。iPadで「操作」→「ファイルの転送」をタップすると、カメラが表示される。パソコンのブラウザーで「transfer.Office.com」にアクセスし、表示されるQRコードをiPadで読み込むのだ。コードを確認したら、ファイルを指定してやりとりできる。パソコンでは、ブラウザーからダウンロードできる仕組みだ。

 もちろん、OneDriveを使っていればこんな手間はかける必要がないが、うまく同期できないときなどに利用するといいだろう。

ファイルの転送も利用可能だ

パソコンでは指定されたリンクを開いてQRコードを表示する

iPadのファイルをパソコンに送れる。逆も可だ

スキャナー機能が便利

 統合されたMicrosoft Officeは、スキャナー機能が素晴らしい。書類をスキャンしてテキストにしたり、Wordのファイルにすることができる。

 また、印刷された表をスキャンして、そのままExcelの表に変換する機能は、紙しかない書類をデータ化したいときには、大いに手間を省いてくれるはずだ。

 パソコンでは、カメラが使いにくいのだが、iPadやiPhoneだからこそ役立つ機能だ。

 なお、2回目の今回紹介した機能は、ほぼ同じことがiPhoneでもできるので、iPadをお持ちでない方も試してほしい。残念ながらマルチタスクやマウスは、iPhoneでは使えない。

紙の書類を撮影する

撮影した紙の書類をテキスト化できる。Wordの書類にする機能も搭載する

紙の表を撮影する

表として認識される

そのままExcelのファイルに書き出せる。入力の手間を大いに省いてくれる

筆者プロフィール:戸田 覚

1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。