ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第47回

ビデオ会議に最適な27インチQHD液晶ディスプレイ「Dell C2722DE 27インチコラボレーションモニター」


デル「Dell C2722DE 27インチコラボレーションモニター」

ビデオ会議の機会が急激に増加している現在、そのための装備はPC環境にとって重要な要素となっています。今回は「Microsoft Teams」向けに世界で初めて認定された、デルの27インチQHDビデオ会議ディスプレイをご紹介します。

文/ジャイアン鈴木


飛び出るウェブカメラをディスプレイ上面に搭載

「Dell C2722DE 27インチコラボレーションモニター(以下C2722DE)」最大の特徴は、ディスプレイ上面に500万画素IRカメラが内蔵されていること。プッシュイン・プッシュアウト方式を採用しており、ウェブカメラ部を上から押せば、自動的にせり出してカメラとマイクが利用可能となります。収納していればウェブカメラは無効化され、レンズ自体も物理的に遮断されます。プライバシー的に安心して利用できる仕様ですね。

ウェブカメラの上面を押すと、バネの力で下からせり出してきます。ここには500万画素カメラ、IR LED、ノイズキャンセリングマイク、ウェブカメラLEDインジケーターが配置されています

パッケージには、USB-Cケーブル(C to C)、DisplayPortケーブル(DisplayPort to DisplayPort)、USB 3.2 Gen1 Type-A to Type-Bアップストリームケーブル、電源ケーブル、説明書類が同梱されています

ディスプレイには27インチQHD IPS液晶(2560×1440ドット、60Hz、16:9、350cd/平方m、コントラスト比1000:1、応答速度8ms[GtoG典型]/5ms[GtoG高速])を採用。表面にはアンチグレア(非光沢)処理が施されています

本体背面。スタンドをはずせば、ディスプレイアームなどに装着可能なVESAマウントが現れます

USB Type-Cをはじめとした豊富なインターフェース

本製品にはHDMI、DisplayPort(入力/出力)、USB Type-Cアップストリーム(DisplayPort、最大90W電力供給)、USB Type-Cダウンストリーム、USB Type-Bアップストリーム、USB 3.2 Type-A Gen1(5Gbps)×3、有線LAN(RJ-45)、3.5mmヘッドフォンジャックと、インターフェースが豊富に用意されています。

特に重宝するのがUSB Type-Cアップストリーム。同梱の「USB-Cケーブル(C to C)」などで対応ノートPCを接続すれば、ディスプレイに映像出力しつつ、ノートPCを最大90Wの電力で充電可能です。

また、一組のキーボードとマウスで2台のPCを操作したり、デイジーチェーン機能を利用して2台目のディスプレイを追加することも可能。ケーブルの数をできるだけ減らして、卓上をスッキリさせられるのもC2722DEの大きなメリットです。

本体背面端子部。左からセキュリティーロックスロット、電源端子、HDMI、DisplayPort(入力)、USB Type-Cアップストリーム(DisplayPort、最大90W電力供給)、DisplayPort(出力)、USB Type-Bアップストリーム、USB 3.2 Type-A Gen1(5Gbps)×2、有線LAN(RJ-45)を配置

ディスプレイ下部。左からUSB 3.2 Type-A Gen1(5Gbps)、3.5mmヘッドフォンジャック、USB Type-Cダウンストリームを用意

対応ノートPCとの接続はケーブル1本でOK。最大90Wの電力で充電可能です

左が電源ボタン、右がスティックボタン。スティックボタンを押すと設定画面が表示されます

左からTeams、フック、ボリュームダウン、ボリュームアップ、マイクミュートボタン。Teamsボタンワンプッシュで「Microsoft Teams」を起動可能です

設定画面はプリセットモード、輝度/コントラスト、ディスプレイ情報、アスペクト比、入力信号の順番で切り替わります

設定画面でスティックを上に押すと、輝度/コントラスト、入力信号、色、ディスプレイ、USB、オーディオ、メニュー、カスタマイズ、その他……と項目が並ぶ詳細設定画面に切り替わります

自由度の高い調節機構、縦置きもOK

C2722DEのサイズは612.34(W)×230(D)×445.57(H)mm(スタンド含む)。ディスプレイ位置調整機構は、高さ120mm、傾斜角度-5度/+21度、回転角度180度、スイベル角度90度ときめ細かくセッティング可能です。一般的な用途であれば十分な調整機構が備わっていますが、さらに自分好みに設置したいのならサードパーティー製のディスプレイスタンドやディスプレイアームを準備しましょう。同梱のスタンドを取り外せば、100×100mmのVESAマウントを利用可能です。

高さは120mm、傾斜角度は-5度/+21度まで調節可能

ディスプレイの高さは座高に合わせて調整が必要。適切な高さに調節すれば劇的に疲労は軽減されます

回転角度180度に対応。縦置きすればウェブページや書類の閲覧性が向上します

スイベル角度は90度。会議室などに設置して、複数人で利用する際に便利。なお、水平視野角、垂直視野角ともに178度と広いので、斜めからでも画面をハッキリと見られます

sRGBカバー率99.5%の広色域を実測

色域についてはスペック表に記載がなかったので、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.5%、AdobeRGBカバー率は78.2%、DCI-P3カバー率は83.3%という値が出ました。カラーキャリブレーションさえ実施すれば、ウェブコンテンツの色確認、調整にも利用できる広色域を備えていると言えます。

実測したsRGBカバー率は99.5%、sRGB比は113.2%

AdobeRGBカバー率は78.2%、AdobeRGB比は83.9%

DCI-P3カバー率は83.3%、DCI-P3比は83.4%

照明の映り込みなどを軽減するアンチグレア(非光沢)仕様ですが、輝度が350cd/平方mと明るいので、鮮やかに映像を表示可能です

500万画素ウェブカメラの画質も良好

肝心のウェブカメラの画質は基本的には良好です。500万画素のイメージセンサーを搭載しているだけに、ディテールをきめ細かく撮影できます。ただしイメージセンサーが小さいのか、ある程度光量がないとノイズが多くなりますね。部屋の照明が暗い場合には、LEDライトなどを補助的に設置したほうがよいかもしれません。

カメラから145cmほど離れれば、上の写真ぐらいの画角を確保できます

Windows 10の「カメラ」アプリで撮影(HDRオン、照明あり)

Windows 10の「カメラ」アプリで撮影(HDRオン、照明なし)

IR(赤外線)カメラの認識速度は申し分なし。IRカメラが働き始めてから2秒強でロックが解除されます(Core i7-11370H搭載機でテスト)

ビジネスワークを快適にする機能が盛りだくさん!

C2722DEは、ウェブカメラ、IR(赤外線)カメラを搭載しつつ、USB Type-Cをはじめとした豊富なインターフェースを装備し、一組のキーボード&マウスで2台のPCを操作可能な「KVM機能(パソコン切り替え機能)」も実現しています。また、ハードウェア限定保証の期間内であれば、ひとつでもドット抜けが見つかったときに無償で代替品と交換できる「プレミアムパネル保証」、交換が必要になったときに翌営業日までに代替品を出荷する「良品先出しサービス」などのサポートも安心感が高いです。ビジネスワークに特化したディスプレイを探しているのなら絶好の一台と言えます。

ジャイアン鈴木

筆者プロフィール:ジャイアン鈴木

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。