池澤あやかのサブスク研究室-第3回

もうオフィスは不要!? 案件管理から申請業務、社内コミュニケーションまで、「kintone」へ出社すれば仕事ができる!


定額利用サービス、いわゆるサブスクで提供しているサービスに焦点をあてて、紹介する本連載。本サイトのアンバサダーである池澤あやかさんが今回取材したのは、「乗り心地は?どクラウドです!」のセリフが印象的なテレビCMでおなじみのサイボウズ「kintone(キントーン)」です。


2年ぶりの再会にも「まったく変わってないね」

コロナ禍でリモートワーク(テレワーク)が推奨されるなか、サイボウズ株式会社では、自社のサービスである「kintone(キントーン)」をフル活用し、いち早くリモートワークを実施しています。案件管理やファイル管理といったデータベース機能やメールや電話の代わりになるコミュニケーション機能を合わせもつほか、さまざまなサービスとデータ連携できる特徴から、自社の仕事に合わせて柔軟に活用の幅を広げることができます。

今回、東京日本橋にあるサイボウズ本社を訪れると、オフィス内はガラーンとした状態。数人ほど作業はしていたものの、ほとんどの社員は出社することなく仕事を進めているとのことです。

池澤あやかさん。ソフトウェアエンジニア、ときどきタレント。テクノロジーとガジェットとカレーが好き。本サイトのアンバサダーも務めています

実は、2年前にも「池澤あやかの体験!スマートワークテクノロジー」の取材でサイボウズを訪れている池澤さん。その時はオフィス内も活気がありました。サイボウズによるとリモートワークの制度自体はあったそうですが、活用している社員の方が少なかったそうです。それが、2020年4月の緊急事態宣言を受け、全社員がリモートワークへ完全シフトすることに最初戸惑いはあったようですが、すぐにリモートワークに慣れてしまい、いまではあまり出社する気がおきないほど浸透しているようです。

サイボウズの本社オフィス。リモートワークが浸透し毎日出社する人がおらず、この日たまたま出社している人が極僅かいる程度。ここまで誰もいないと、賃料が無駄じゃないかと余計な心配をしてしまうほど。

池澤あやかの 体験!スマートワークテクノロジー - 第9回

池澤さんの本領発揮!? 簡単にアプリ化してバラバラな情報やツールを1つに集約

そして、今回も対応していただいたのが、池澤あやかさんと中学・高校・大学と同級生だったビジネスマーケティング本部の山田幸さん。取材以来、特に連絡は取っていなかったそうですが、

池澤あやかさん(以下池澤) 「あれからまったく変わってないね(笑)」。

山田幸さん(以下山田) 「お互いね(笑)」。

と笑顔での再会となりました。それからもうひとり、営業本部の横山智之さんにも加わっていただきkintoneの近況について教えてもらうことになりました。

左から、池澤あやかさん。ビジネスマーケティング本部の山田幸さん。営業本部の横山智之さん

池澤 「この2年で何か変わった?」

山田 「やっぱり新型コロナの影響は大きかったと思う。リモートワークを実施する企業が増えてきたためか、関連の問い合わせ数も多いですね。コロナ禍になる前からkintoneを使っていただいていたお客さまの声としてすごい印象的だったのが、『kintoneを入れていたから2日で全員リモートワークに移行できた』とか、『一部の部署でしか使っていなかったけど、全員でリモートワークをするために、全部署に広げて使うようになりました』と言われたことだったなー」

池澤 「リモートワークとしては、どんな用途で使われているの?」

山田 「リモートワークだから特別利用用途が変わるわけではないけど、日々のコミュニケーションとデータ共有とか、あとは見積・請求書の発行から捺印までをkintoneを使ってオンライン上で完結させる人が増えたかも。サイボウズでも、コロナによる緊急事態宣言をきっかけに、紙で行っていた請求書業務がkintoneに移行されました!この話はあとで詳しく……!

それ以外だと、日々エクセルやメールでやるような業務の進捗管理、コミュニケーションなどをkintone上でやってますね。いままでだと出社すれば、隣の人にいろいろ聞けたことも、聞けなくなるわけで、そうなると電話やメールで行うことになり大変になってしまう。それらを解消するためのコミュニケーションツールとしてkintoneは活躍していると思います」

池澤 「コミュニケーションツールとして利用されているんだ。最近はテレビCMもやっているよね?」

山田 「さっそくCMを見たというお客さまから『kintoneを入れたいです』というご相談があったり、もうすでに入れていただいているお客さまからも『kintoneってテレビCMをやるくらいメジャーなサービスだったんだ』という声もいただいています!」

働く女子に届けたい“きとみちゃん”誕生秘話

山田 「もう1つの大きな変化としては漫画『ホップ☆ステップきとみちゃん』ができたことかな。私のような会社で働く女子が主人公なんだけど、kintoneに出会ってストレスフリーに働けることを知って、少しずつ『仕事って我慢しなくていいんだ』っていうことを学んでいくストーリーなの」

kintoneをより身近に感じてほしいという思いから誕生した少女マンガ風冊子「ホップ☆ステップ きとみちゃん」。サイトからPDFで読めます

池澤 「きとみちゃん、可愛い! みなさんの反応はどうなの?」

山田 「きとみちゃんをきっかけにしてkintoneを知ってくれる人も多いし、すでに使っているお客さまからは、『今までアプリを作ってくれなかった女性社員が、きとみちゃんを見てアプリを作ってくれるようになりました』とか『きとみちゃんのマンガで、この機能を知ったけど、どうやって使うんですか?」といった問い合わせもいただいてる。今まで興味を持っていただけなかった人にもkintoneの魅力を届けることができているんじゃないかな」

Tシャツなどのグッズも作成して、サイボウズ商店で販売中。女子ウケを狙って制作したきとみちゃんですが、意外とTシャツは男性の購入者が多いそうです

サイボウズのリモートワークを支えるkintoneアプリを紹介

きとみちゃん誕生秘話で盛り上がっていたところですが、ここから本題のkintoneについて説明していただくことに。サイボウズのリモートワークで活用しているいくつかのアプリについて、入社からほぼリモートワークで働いてきた営業本部の横山さんに紹介していただきました。

横山智之さん(以下横山) 「よろしくお願いします! 池澤さんも初対面なのですが、実は山田さんとも今日初めて会った感じでして……」

池澤 「ええ、そうなんですか! 本当に出社していないんですね」

横山 「そうなんです。なので今日は私自身のリモートワーク体験をもとにkintoneの魅力をご紹介できればと思っています!」

池澤 「よろしくお願いします!」

横山 「まずは営業部として欠かせない『案件管理アプリ』から。このアプリでは案件名やお客様情報、進捗状況といった基本的な情報がまとめられるのはもちろん、自動グラフ機能を使って目標数字や売り上げ状況を簡単にチームで共有することができます」

kintoneアプリに蓄積したデータはリアルタイムでグラフ化。ポータル画面に貼り付けることでチーム内での共有が簡単に

池澤 「あ、この画面ほしい情報がすぐに見れていいですね。アプリが作れるのは知っていたけど、ポータル画面もオリジナルで作り込めるんですか?」

横山 「そうなんです、部署やチームの仕事に合わせて自由に変えていただけますよ」

池澤 「いいですね!」

山田 「あと、kintoneアプリの右側にある『コメント機能』もポイントです。私の前職では、エクセルでデータ管理、メールで共有していたので、情報共有までのフローが煩雑でした。kintoneでは案件に関するやりとりをアプリ一画面内で完結できるのでかなりストレスフリーになっています!」

アプリ右側にはチームとのコミュニケーションができるコメント欄がついているので、案件のデータを見ながら同じ画面内でメッセージのやりとり可能

社員の知見がどんどんたまるFAQアプリ

横山 「続いて、こちらも私がかなりお世話になっている『FAQアプリ』です」

池澤 「これまた全然違う見た目のアプリですね」

横山 「ここでは主に社内でよく質問される項目をまとめています。交通費申請の方法とか、名刺の発注方法とか。リモートワークだとこうした質問の障壁が高くなります。特に私のような中途社員だと、なおさら気軽に聞ける人も少ないので、このアプリはありがたかったですね」

FAQアプリ。カテゴリーに分かれていて、疑問や知りたいことがどんどん蓄積されていく。サイボウズでは誰かに問い合わせる前にまずはこのアプリをチェックするんだとか

山田 「FAQアプリは私もよく使いますね。サイボウズは日常の業務にkintoneをフル活用しているので、わからないことがあるとGoogle検索するみたいにkintone検索するんです。そうすると、こういうアプリがヒットして、ほとんど自己解決できてしまう」

横山 「ちなみに前回の取材についても、kintone を検索したらやりとりが出てきました。2年前にサイボウズにいなかった自分でも、kintoneに知見がたまっていることで、こうした初めての業務でも、スムーズに進めていくことができた気がします」

池澤 「だから今日まで会わなくても大丈夫だったわけですね(笑)」

日報ならぬ分報でリモートワークでもオフィスにいる雰囲気に!?

横山 「あとサイボウズでは、分報(ふんほう)という使い方をしていまして……」

池澤 「分報?」

横山 「社内のTwitterのようなものなんですが、たとえばその日に自分がやるタスクや、打ち合わせの感想、業務の進捗などを自由に書き込めるスペースを用意しています。リモートワークだと業務上のきっちりした情報共有はするけど、雑談レベルのような情報は共有しにくいですよね」

分報の例の1つ。いま何をしてるか報告していく使い方

その人がどんな人なのか、伝わってくる温かみのある投稿も。オフィスで雑談しているような感覚でもあり、ここで知見を共有して問題の解決に導く手立てにもなります

池澤 「これまた新しい使い方ですね、以前取材に来た時には聞かなかったような」

山田 「コロナ禍でリモートワークが始まって以降、結構メジャーな文化になりつつありますね。わざわざ進捗報告の時間を取らなくても、分報を見ていれば元気そうだとか、ちゃんと進捗しているということがわかるので、便利だなと思います」

横山 「なかなかチームメンバーとも会えない状況が続いていますが、その人がどんな人なのかといったところも、分報から感じ取ることができます。投稿にコメントをしたことをきっかけに、仲良くなったりもしますね」

池澤 「kintoneそのものがオフィスみたいになってますね!」

山田 「これはいいコメントを引き出せましたね(笑)」

押印のために出社も必要なくなるソリューションとの連携

池澤 「リモートワークでの使い方、勉強になりました!そういえば、前回はJavaScriptを使ったカスタマイズでkintoneの画面に虫が出てきたりしたのですが今日は……?」

山田 「虫は出てこないけど、リモートワークで実用的かつJavaScriptを書かなくてもできる連携ソリューションをご用意してます!」

池澤 「なんだろう!」

横山 「池澤さんもご存知の通り、kintoneはAPIを使用することで、さまざまなITサービスと連携できることが強みの1つです。リモートワークになってからますます注目されているのが電子契約サービス。今日はkintoneと連携できる「Adobe Sign」についてご紹介します!」

池澤 「電子契約サービス!リモートワークでは特にニーズが多そう」

横山 「使い方は簡単です。たとえば雇用契約書を締結させるとします。kintoneの「雇用契約書アプリ」を用意しておき、「Adobe Sign」とのAPI連携作業を行います

※kintoneの設定方法に慣れていなかったり、法令をしっかりと遵守したアプリを作れるか不安という場合には、Adobe Sign連携プラグインの提供会社が構築をサポートすることが可能です。

まずはAdobe Signと連携したkintoneアプリを開き、送信先情報やメッセージを記入

横山 「続いて送付する契約書の作成です。ここは帳票出力サービスと連携することで、ボタンを押すだけでkintoneアプリの内容が契約書に反映されます。契約書のレイアウトも自由自在に設定できますよ」

続けて契約事項を登録。するとkintoneアプリ上部に「契約書作成」ボタンが表示される

「契約書作成」ボタンをクリックするとkintoneアプリに登録した項目が反映された契約書PDFができる

池澤 「すごい!ワンクリックで契約書ができた!」

横山 「最後に契約書を契約相手に送ります。ここで「Adobe Sign実行」ボタンを押します。そうすると、契約相手のメールアドレス宛に契約書のPDFが届くので、署名などをして承認することで、契約が完了します」

アプリ上部の「Adobe Sign実行」ボタンを押すと、送信先メールアドレス宛に、契約書承認依頼がメールで届く

契約相手に送付された契約書の中には、署名できるスペースが用意されており、必要箇所にサインが適応される

池澤さんが簡単なカスタマイズに挑戦

池澤 「こういうのも、簡単にカスタマイズできちゃうんですか?」

横山 「もちろんです!」

ということで、池澤さんにアプリの簡単な改修作業を体験していただきました。

今回はすでにあるアプリに対し、フォーム入力時に何を入れればいいのか、注意書きを入れてみます

送信先に送るメッセージの初期値を設定しました。こうすることで、その都度メッセージを入力する必要がなくなります。送信する際に入力し直すことも可能です。もちろん池澤さんはこれらの作業を何なくこなせました

池澤 「このぐらいのことなら、プログラムを考えるわけでもないので、誰でも作れますね!自分が使いやすいようにしたり、わかりづらい部分をどんどん改善していくことで、より使いやすいシステムにできそう」

横山 「まさに、現場の『ここは使いにくいから改善したいよね』という声をどんどん取り入れながら、日々手軽に改善できるのが、kintoneの良いところなんです。API連携を使って他システムの機能も取り入れつつ、kintoneをフロントに置くことで柔軟な変更も対応できるのも強みですね!」

kintoneがリモートワークに活用されている話を伺った池澤さんに、今回の感想を伺いました。

池澤 「kintoneは、以前から便利なことは知ってたんですが、今回はリモートワークに焦点を当てて伺い、これだけいろいろとできればもはやオフィスはいらないかもと思いました。(笑)リモートワークで必要なアプリも、作ろうと思えば開発コストをかけずに自分でも作れてしまう。あと、kintoneを入り口にさまざまなITサービスを組み合わせて使っていける点もかなり魅力的に感じました!」

ほかのソリューションとの連携は、iKAZUCHI(雷)の販売店に問い合わせれば、最適なパートナー企業を紹介してくれることでしょう。他社のアプリ(連携ソリューション)は、kintoneのサイトに掲載されているだけでも200以上あり、組み合わせ次第でできることがさらに広がります。

今回紹介したソリューション

バラバラのデータを簡単に一元化してチームの生産性を向上

kintone


 業務に課題が生じても、それを解決するためのシステムの開発には時間とコストがかかるため、課題が放置されがちです。そこでkintoneを使えば現場が必要とする業務システムを、誰でも簡単に短時間で利用できるようになります。ドラッグ&ドロップやキーボード入力だけで、データベースとプロセス管理、コミュニケーションが一体化した業務システムが簡単に作成できます。kintoneで作った業務システムはクラウドで管理されるため、スマートフォンやタブレットなどモバイル活用ができてワークスタイル変革に最適です。

サブスクリプション管理ポータル

iKAZUCHI(雷)


「iKAZUCHI(雷)/いかづち」はサブスクリプション管理ポータルです。DISの販売パートナーは、「iKAZUCHI(雷)」をご利用いただくことで、多様化するサブスクリプション型のクラウドサービスの注文工数が削減され、月額や年額の継続型ストックビジネスの契約やご契約者様の一元管理が可能になります。