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2021/06/03

ワーキング革命 第63回

電子契約の業務プロセスをWebで完結
押印のための出社を減らしてDXを推進


最初の緊急事態宣言が発出されてから一年を経て、テレワークを中心とした働き方が定着しつつある。一方、現在の働き方が定着するまでに大きな混乱が起こったのもまた事実だ。その背景には、「押印」に代表される承認や契約などの「紙」中心の働き方があった。こうした課題を解決するため、契約業務の電子化は加速したが、対応が遅れている企業も多い。そうした働き方の“これから”を考える企業に向けて、ネオキャリアはクラウド型電子契約サービス「Signing」の提供を2021年2月から開始している。

文/田中亘


この記事は、ICTサプライヤーのためのビジネスチャンス発見マガジン「月刊PC-Webzine」(毎月25日発売/価格480円)からの転載です。

公式サイトはこちら→ PC-Webzine

古くて新しい電子契約のための電子署名

テレワークといった働く場所を問わない柔軟な働き方が広がる中、契約書や請求書といった紙と印鑑を用いた書面がメインとなる業務ではいまだに出社を強いられている。そうした押印のための出社を廃止し、従業員の働きやすい環境を整えるため、企業で導入が進んでいるのが、電子契約サービスである。電子契約とは、電子化された契約書に対して、契約者を特定する電子署名を行うことで、紙と印鑑による契約と同様の効力を持つ契約方式だ。テレワークを機に注目を集めたが、実は2001年ごろから「電子署名法」や「電子帳簿保存法」などの法的基盤の整備が進められており、電子契約の仕組みそのものの歴史は古い。

電子契約は、契約を交わす双方の企業が電子認証局から電子証明書を取得して、電子署名を行う「当事者型」と、サービス事業者が契約する当事者に代わって電子証明書を取得し、電子署名を付与する「立会人型」の2種類に分けられる。当事者型は、契約する双方が電子証明書を取得する手間と署名した電子契約書の運用管理などの手間がかかることから、立会人型の電子契約の仕組みをとる電子契約サービスが普及している。

電子契約サービスによって、契約業務を電子化することで、従業員の働き方は大幅に変わる。書面の契約書では、契約書の作成、印刷、製本、押印、送付といった作業が発生し、契約締結までに1~3週間ほどかかることもある。一方、電子契約であれば、契約書の作成から送付まで全てWeb上で完結できる。従業員が押印や契約書作成のために出社を強いられることなく、テレワークの実現が可能だ。コロナ禍において求められる非接触の業務遂行にも貢献する。

そうした企業の課題となっていた紙による契約書の業務プロセスを効率化するクラウド型電子契約サービスがネオキャリアの「Signing」だ。Signingは、人事関連、会社運営関連、営業関連、業務委託関連といったさまざまな契約書を作成し、相手への送付までWebで完結できる。コロナ禍での出社や契約業務にかかわっている従業員の業務負担を削減する。

採用のツボは体験にあり

電子契約サービスを導入する際、相手方もアカウントの取得が必要となるケースがある。Signingは、導入する企業だけが契約していれば、対象となる相手がSigningのユーザーである必要はない。契約書をクラウドにアップロードして、その承認契約の要求を相手に送信し、先方が合意すれば契約は成立する。合意された電子契約書は、クラウド上に保管されるので、煩雑な管理業務から解放される。契約書がクラウドにあることで、災害対策にもつながる。

Signingの導入を決めた企業の担当者によれば、採用のツボは「体験」にあるという。Signingによる電子契約は、「契約書の準備」「契約書の送信・確認」「契約締結」「契約書管理」という4つのステップになっている。

実際に電子化された契約書をクラウドにアップロードして、相手にメールを送信し、契約が締結されるという紙の契約書よりもスムーズな一連の流れを体験すると、「これなら使える」と実感できる。また相手先も、Signingを通して電子契約を体験していけば、その利便性や使い勝手に納得して、新たな顧客になる可能性が高くなる。

電子契約の疑問を解消して本格導入へ

これから電子契約サービスの導入に踏み切る企業は、電子契約に関する疑問や導入に対する不安を多く抱えているケースが多い。顧客視点に立った商材提案をするためにも販売店は、そうした悩みを知り、エンドユーザーの疑問を一つずつ解消していく必要があるだろう。そうすることで提案もしやすくなる。

Signingにもさまざまな問い合わせが届くという。例えば、電子契約サービスで締結できない契約類型はあるのかという問い合わせだ。電子化された契約書ではなく、紙の書面が必要となる契約類型は、次のような契約が挙げられる。

・事業用定期借地権設定契約(借地借家法第23条3項)

・定期借地権設定契約(借地借家法第22条)

・定期建物賃貸借契約(借地借家法第38条1項)

上記の契約は、現状、書面を交付して説明することが必須の義務であると「宅地建物取引業法」に記載されている。契約内容を契約書に残しておくことで、それが契約の証拠になるからだ。

ほかにも紙の契約書ではかかる印紙税が電子化されたデータでは不要になることに対する疑問が多く寄せられるという。その答えは「印紙税法」の第2条と第3条1項による。紙に書いて交付する契約書は、印紙税が課税される対象となる契約書や受取書にあたる。一方、電子データは紙ではなく、かつデータを送信することは交付にはあたらないとして印紙税は課税されない。国税庁においても「電子的記録」により契約締結した場合には、印紙税が発生しない旨を明確化している。

こういった電子契約に対する疑問を一つずつ解消していくことで、電子契約サービスの導入を進めやすくなる。電子契約の導入は、契約業務に負担を強いられていた従業員の働き方を改善する大きな役割を持つ。コロナ禍対策につながるだけではなく、働き方改革への積極的な取り組みであり、ひいては業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)に通じる一歩となるだろう。

(PC-Webzine2021年6月号掲載記事)

筆者プロフィール:田中亘

東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系まで、広範囲に執筆。代表著書:『できる Windows 95』『できる Word』全シリーズ、『できる Word&Excel 2010』など。

この記事は、ICTサプライヤーのためのビジネスチャンス発見マガジン「月刊PC-Webzine」(毎月25日発売/価格480円)からの転載です。

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