テレワーク時代の働き方と「ThinkPad X1 Nano」

レノボ・ジャパンは2020年10月、全国の会社員1万3,158名に対してテレワークの実施状況を聴取し、ニューノーマルな働き方の現状を浮き彫りにした。その分析結果から、ウィズコロナとアフターコロナを見据えたテレワーク環境における最適な最新PCを導き出した。二度目の緊急事態宣言が出され、感染の収束までは可能な限りのテレワークが求められる現在にあって、生産性を落とさずに在宅での働き方を革新するには、どのような取り組みが求められるのか。レノボ・ジャパンの調査結果と合わせてリポートする。

81%がオンライン会議でも問題ないと回答

レノボ・ジャパンの調査では、コロナ前と後でのオンライン会議の実施状況について集計している。コロナ前の2020年2月の段階では1カ月当たりのテレワーク実施率は16%にとどまっていた。それが調査を実施した2020年10月時点では42%へと増加した。その頻度も、週4~5回(13%)以上や週2~3回(14%)以上と高くなっている。また、オンライン会議の実施についても、コロナ前の17%に対して、10月には41%にまで増えている。

 興味深いことに、コロナが収束しても39%はオンライン会議を継続する見通しだと回答している。そして、特に注目すべき結果として、81%の回答者が「実際に会わなくてもオンライン会議で問題ないと思うようになった」と判断している。さらに、83%が「通勤が当たり前ではないと思うようになった」と答えている。テレワークとオンライン会議の浸透は、多くの働く人たちに意識の変化をもたらしている。

 働く人たちの意識が変化する一方で、レノボ・ジャパンでは経営者や役員にも「テレワーク環境への設備投資」と「オンライン会議環境への投資」に関する調査を行っている。結果として、テレワークもオンライン会議への投資も、従業員300名以上と未満の企業では大きな差が出ている。テレワーク環境への設備投資では、従業員300名以上の企業の経営者の49%が重要になるという積極的な回答を寄せているのに対して、300名未満では24%と半減する。

 オンライン会議環境への投資についても同様で、300名以上の54%に対して、300名未満は22%と低い。レノボ・ジャパンの分析によれば「企業規模によってテレワークやオンライン会議への設備投資に対する重要性の感じ方に差がある」という。これは反対に考えると、重要性を感じていない300名未満の企業では、経営者への積極的な働きかけが、新たな設備投資につながる可能性もある。

在宅勤務の作業環境と世代間の違い

 レノボ・ジャパンでは在宅勤務の作業環境についても調査している。自宅のどこでテレワークを実施しているかは、今後のPC提案において貴重な情報になる。職場や出先とも違う自宅でのPC作業は、通勤から解放される半面、課題もあるはずだ。そんな現状が、場所と年代から垣間見られる。

 まず、最も多かった回答が「書斎などの執務室(44%)」となる。次が「ダイニングテーブル(33%)」で、「リビングの椅子やソファ(29%)」と続く。これだけならば、一般的な家庭の環境に思われるが、1位と2位の作業場所には世代による違いがある。20~30代に限るとダイニングテーブルを作業場所にしている傾向が高い。反対に、年代が高くなるほど書斎などの個室があるか、独立した子供の部屋を書斎代わりにしているケースが多いのだろう。

 「テレワークで利用するノートパソコンで重視する条件」も集計している。その1位が処理速度(95%)という回答に、レノボ・ジャパンでも「驚きを感じている」という。これまでの感覚では、バッテリー寿命や軽さ、堅牢性などが重視されていた。しかし、テレワークで仕事をするようになると、ノートPCにもデスクトップ並みの処理速度を求める傾向が高まっている。

 その背景には、ZoomやTeamsなどのWeb会議システムに対するフラストレーションがあるのかも知れない。Windows 10そのものも、旧Windows 7に比べると、グラフィックス処理を多用している。そのため、旧世代のプロセッサーを搭載したノートPCでは、画面描画や動画再生などで処理がもたつくこともある。これまでは、モバイル用途だからと気にしなかったノートPCの処理速度が、ストレスになっている状況がうかがい知れる。

ThinkPad X1 Nanoの最適度

 調査結果を受けてレノボ・ジャパンでは、テレワークでも生産性を高められるノートPCとして、13インチの「ThinkPad X1 Nano」を提案している。Nanoは、第11世代のインテルCoreプロセッサーを搭載し、2Kの16:10 4辺狭額縁ディスプレイを備えている。重量は約907g~で、本体サイズは幅約292.8×奥行き207.7×高さ16.7mm~のコンパクトさを実現している。

 軽くてパワフルなだけではなく、上向きの四つのマイクでオンライン会議の声をしっかりと拾い、キーボード面に装備されたスピーカーにより、音声もしっかりと聞き取れる。ヘッドセットなどを使わなくても、快適なオンライン会議が可能になる。

 また、HPD(Human Presence Detection)という新機能により、利用者がノートPCの前にいるかどうかを判断し、離席すると自動でログオフされる。プライバシーとセキュリティ対策の面からも、HPDは効果的と言える。加えて、省電力にも貢献する。

 今回、その実機を借りて実際に原稿を書いてみた。筆者は、これまで旧世代のThinkPad X1 Carbonを使い続けてきた。そのため、X1シリーズのキーボードには愛着がある。その旧世代と比較しても、ThinkPadらしさは失っていない。ThinkPad X1 Nanoのサイズ感は、これまでのX1シリーズというよりも、ThinkPad X270などのシリーズに近い。それでいて、13インチの2Kディスプレイは、十分な作業スペースを提供してくれる。2,160×1,350という少し縦長のディスプレイ解像度は、Wordの編集画面やExcelのワークシートを実質的に広く使えるようにするので、作業もはかどる。家の中で持ち運ぶとしても、ThinkPad X1 Nanoの軽さは魅力的だ。

 アンケート調査から見えてきたテレワークの課題に対して、働く環境の改善提案としてのThinkPad X1 Nanoは、魅力的な商材と言えるだろう。

田中 亘(wataru tanaka)
東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系ITまで、広範囲に執筆。代表著書:『できるWindows 95』、『できるWord』全シリーズ、『できるWord&Excel 2010』など。