サービスを拡充し幅広くビジネスを展開
中堅・中小企業やスタートアップ企業のDXを推進

ワークスアプリケーションズ・エンタープライズ
「HUEワークフロー」「ArielAirOne」

2021年7月、ワークスアプリケーションズ・エンタープライズ(WAPE)は大手企業向けERPやグループウェア製品に加え、中堅・中小企業やスタートアップ企業向けのSaaS型サービスの提供を本格的に開始した。大手企業に対し直接販売が中心となっていた従来のビジネスモデルを、エリアや業種を問わず間接販売を通じて全国に拡大していくという。その販売戦略について話を聞いた。

2,200社以上の導入実績
顧客の要望を製品に反映

代表取締役
社長執行役員
宮原雅彦 氏

 ワークスアプリケーションズ・エンタープライズ(WAPE)は、ERPやグループウェア製品の開発・販売およびサポートやSaaS型サービスの販売などを手掛けている。親会社であるワークスアプリケーションズは2021年4月、持株会社に移行し経営管理機能などを集約することで業務効率化を図った。WAPEは“企業の生産性を高め、企業価値を拡大する”という理念で企業のDX推進に注力している。

 WAPEで社長執行役員を務める宮原雅彦氏は「DXの推進は、企業の成長に欠かせない要件です。当社は、ERP製品『HUE』を創業当初から提供し、企業価値の拡大に貢献してきました。HUEは、標準機能の機能網羅率が高いためアドオン開発なしで導入いただけること、また、法改正や技術トレンドの変化に無償で対応しており、一定の保守コストでご利用いただけることを強みとし、大手企業を中心に2,200社以上のお客さまに導入され、高い評価をいただいています」と話す。

 顧客からさまざまなフィードバックを受ける中で、ERPの導入プロジェクトで使用した自社ツールを製品化してほしいという要望があった。そうした声を受けて製品化したのが、SaaS型サービスを組み合わせた製品群「HUE Works Suite」の一つであるオンライン型プロジェクト進捗管理サービス「HUEプロジェクトボード」だ。HUE Works Suiteは、証憑電子データ管理サービス「HUE EBM」やNLP(自然言語処理)技術を活用したAIチャットボットサービス「HUEチャットボット」など複数のサービスラインアップがあるが、ワークフロー製品の市場規模が伸びていくと見込み、容易に導入できるワークフローサービス「HUEワークフロー」の提供に力を入れている。

企業の成長に合わせて
製品の機能を柔軟に拡張

 HUEワークフローは、業務で必要な申請書などの紙の書類を電子化できるオンライン申請・承認サービスだ。Excelなどのスプレッドシート形式の申請フォームを取り込むことで、すぐに利用を開始できる。宮原氏は「Excelなどのスプレッドシート形式の申請フォームは多くの企業で使われています。使い慣れている申請フォームをそのまま利用できるので、新たにHUEワークフローを導入しても操作に戸惑うことはないでしょう。また直感的に操作できるように、紙の申請書からフォーマットを変更しなくても申請フォームを取り込めるように設計しています。さらに、複雑になりがちなワークフローの作成方法を、ノーコードで簡単に設定できるようにしました。ドラッグ&ドロップによって紙に描くようにワークフローの設定が行えるため、専門的な知識を習得しなくても運用可能です」と導入や運用のしやすさをアピールする。

 HUEワークフローは、HUEで培った技術を顧客の声に応じる形でマイクロサービス化したものである。また、事業のフェーズに応じて、カスタマイズを自在に行えるように操作しやすい管理画面を採用した。

 この点について宮原氏は「事業を開始したばかりのスタートアップ企業では、従業員が増えたり、部署を統合したりするなど、組織の変更や再編が頻繁に行われます。そのような状況にあっても、必要な機能だけを追加・拡張したり、削除したりできるので、中堅・中小企業やスタートアップ企業に最適な製品だと言えるでしょう。さらに、SaaSでの提供であるため、初期費用がかからないのもメリットです」と説明する。

 また、ERP製品のフィードバックによって、“組織全体のパフォーマンスをさらに向上させたい”といった要望を受けて開発したのがグループウェア「ArielAirOne」だ。

 ArielAirOneは、アドレス帳やスケジュールの管理、共有といった基本機能に加えて、アプリケーションや文書の閲覧・編集の権限を詳細に設定できる。グループ会社同士の利用を想定し、アクセス権限機能を強化。企業内の情報やノウハウなどの共有と内部統制の強化を両立させられる。「スケジュールや掲示板をポートレット形式と呼ばれる小さなウィンドウで表示できます。ウィンドウの情報はプロジェクト単位、部門単位、個人単位などの表示設定が可能で、エンドユーザーが必要な情報へスムーズにアクセスできるようになります」(宮原氏)

全国規模でビジネスを展開し
社名や製品の認知度向上を目指す

WAPEの今後の販売戦略について、宮原氏は「中堅・中小企業向け製品を市場に投入したことで、日本全国のさまざまな業種の企業にも、当社の製品やサービスを提案しやすくなりました。今後は、ワークスアプリケーションズという社名や当社の製品サービスを認知していないお客さま、パートナーさまにも、HUEワークフローやArielAirOneを知っていただき、互いに企業価値を高めていきたいと思います。それを実現するためには、ダイワボウ情報システム(DIS)さまとの協業や連携が必要不可欠です。ERPを含む、当社のあらゆる製品を韋駄天に登録する準備を進めていますので、DISさまと共に社名を含めた製品サービスの認知度向上、販路拡大を目指していきたいと考えています」と展望を語った。