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アーリーアダプター

新しい商品やサービスを比較的早い段階で受け入れ、購入する人々のことを指す。米国の社会学者エベレット・M・ロジャースが提唱した「イノベーター理論」における消費者の5分類のうちの一つ。新しいモノを受け入れるスピードは早い方から2番目に位置する。新しい価値観と常識的な価値観を併せ持つとされる。アーリーアダプターは他の消費者への影響力が大きいことから、購入した新商品やサービスはヒットしやすいといわれている。

イノベーター理論の消費者5分類は次のとおり。

[1]イノベーター:革新者
新しいものを進んで採用する。新しさだけに価値を感じ、ベネフィット(利益、恩恵)やメリットには興味がない。他に普及させる行動はしない。市場全体の2.5%

[2]アーリーアダプター:初期採用層
流行に敏感で、自ら情報収集を行ったうえで、ベネフィットを判断する。情報を積極的に発信することから、オピニオンリーダーとも呼ばれる。市場全体の13.5%

[3]アーリーマジョリティー:前期追随層
平均より早く新しいものを取り入れる。比較的、慎重なタイプ。アーリーアダプターの影響を強く受ける。市場全体の34.0%

[4]レイトマジョリティー:後期追随層
周囲の使用状況を確認して、一般的に流行してから取り入れる。比較的、懐疑的なタイプ。市場全体の34.0%

[5]ラガード:遅滞層
流行や世の中の動きに関心が薄い、最も保守的なタイプ。マーケティングのターゲットになりにくい。市場全体の16.0%

イノベーター理論では、イノベータがいち早く「新しさ」に飛びつき、アーリーアダプターがインフルエンサーとなって情報を発信し、安全性や利便性を確認したアーリーマジョリティーによって、一気に市場に普及するといわれている。イノベーターとアーリーアダプターを合わせた16%に受け入れられることが普及の分岐点とされ、「普及率16%の論理」と呼ばれる。これに対して、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーとの間には深い溝(キャズム)があり、普及率16%を達成しても、市場に普及するとは限らないという「キャズム理論」もある。
(青木逸美)