1分でわかるIT用語集

DMS(DocumentManagementSystem)

DMS(Document Management System)、日本語では文書管理システムのこと。企業や組織が所有するドキュメントを電子化して保管し、管理、検索可能な状態で従業員に提供する。このため、業務効率の向上やセキュリティの強化などに貢献する。当初、オンプレミスのシステムが多かったが、現在ではクラウド型のサービスのニーズが高まり、AIや機械学習などの機能が統合された製品・サービスも登場している。

国内でも、電子帳簿保存法の度重なる改正などの法整備により紙で大量に保管されていた書類の大半が電子に移行してきており、DMSの重要性は高まっている。また、2020~23年の新型コロナウィルス感染症の流行で、社外からの社内文書共有需要が高まった結果、クラウドベースのDMSニーズが上昇し、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連のデータ分析の需要から、DMSにはコンテンツの抽出や予測分析などの高度な機能が求められるようにもなってきている。

現在、DMSに特に求められている機能としては、さらなるセキュリティ強化とコンプライアンス対応だ。サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクが高まり、機密データのさらなるセキュリティ強化は必須となっている。また、グローバルなデータ保護規制(GDPRやHIPPAなど)対応は事業継続の条件の一つであり、コンプライアンス要件に沿ったDMSの機能(暗号化やアクセス制御など)はさらに高度なものが必要になっている。
(狐塚淳)