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ROI

「Return On Investment」の略で、「投資利益率」を指す。ある事業や施策において、投下した資本に対しての収益性を計る指標で「投下資本利益率」とも呼ばれる。計算式は「利益÷投資額×100=ROI(%)」。ROIのパーセンテージが高いほど、収益性が優れていると評価される。

ROIの手法はマーケティングの運用でも使われている。近年、マーケティング手法は多様化し、プロセスも複雑化が進んだため、実施中の施策による成果を正しく判断するのが難しくなってきた。ROIを算出することで、数値が高ければ施策を続行し、悪ければ改善や撤退を検討するなどの判断基準にできる。

費用対効果を効率的に向上させる手段として、ROIは極めて使い勝手の良い指標だが、デメリットもある。ROIは数値で表される利益をもとに算出されるが、広告やマーケティングにおける投資では、数値では表せない利益もある。例えば、広告掲載による企業のイメージアップ、知名度の向上は金額上の利益としてROIに反映させることができない。ROIの数値だけで判断すると、金額として計上できない利益を見逃す可能性がある。

ROIと混同されがちな指標に「ROAS(Return On Advertising Spend)」がある。ROIが利益を評価するのに対し、ROASは広告宣伝費に対する売上を評価する。どちらも、「投資したコストに対する効果」を計る指標である。また、広告において獲得できたコンバージョン1件あたりのコストを示す「CPA(Cost Per Action)」もある。
(青木逸美)

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