最新のPCにリプレースするだけでアタックサーフェスを70%削減

仲西氏(以下、敬称略)●来年10月にWindows 10のサポート終了を迎えますが、Windows 7のサポート終了時と比較して、Windows 11への移行が半年以上早く進んでいると感じています。その要因として、Windows 10に対するWindows 11の互換性の高さが挙げられます。Windows 10で稼働しているアプリケーションのほとんどが、Windows 11でも問題なく動作するため移行が早まっているのだとみています。

 マイクロソフトではWindows 10で稼働しているアプリケーションの99.7%が、Windows 11でそのまま動作すると公表しています。

 またWindows 10のサポート終了への対応というだけではなく、Windows 11へ移行することで得られるメリットが大きいことも早期の移行を促進していると考えています。

 これまでマイクロソフトではWindows 11へ移行するメリットとして、セキュリティが格段に強化できることを第一にアピールしてきました。セキュリティリスクは深刻化しており、攻撃の対象となる領域、すなわちアタックサーフェスが拡大しています。現在のセキュリティリスクに対して、2015年夏より提供が開始されたWindows 10に採用されているテクノロジーで防御できる範囲は限られます。新しいテクノロジーが採用されたWindows 11搭載PCにリプレースするだけで最新のセキュリティ対策を講じることができ、安全性が大きく向上します。

佐近氏(以下、敬称略)●インテルがGfK Japanに依頼して実施した調査によると、2019年のWindows 7のサポート終了への対応と、2020年のコロナ禍でのリモートワーク対応によって、当時は最新のプロセッサーだった第8世代のインテル® Core™ プロセッサーとWindows 10を搭載したPCが約800万台販売されました。この約800台のPCのほとんどが現在も利用されています。

 今から4〜5年前のWindows 10を搭載したPCと、最新のプロセッサーとWindows 11を搭載したPCを比較すると、アタックサーフェスが70%削減されるというデータがあります。PCを最新の製品にリプレースするだけで攻撃対象領域が大幅に削減されるのですから、投資効果は非常に高いといえます。

 ちなみに米国のコンサルティング会社のJ.Gold Associatesが行った調査によると、セキュリティインシデントが発生した場合の従業員1人当たりのコストは475米ドル(約7万円)から14,600米ドル(約2,200万円)、平均7,538米ドル(約113万円)かかると分析しています。平均コストの金額に対して新しいPCを購入するコストはわずか2,200米ドル(約33万円)で、そのROI(投資利益率)は243%にも達すると結論づけています。つまり新しいPCを導入するだけでセキュリティリスクとインシデント発生時のコスト負担が大幅に削減できます。(1米ドル=150円換算)

日本マイクロソフト
デバイスパートナーソリューション事業本部
マーケティング本部
Commercial Windows戦略部 部長
**仲西和彦** 氏

日本マイクロソフト
デバイスパートナーソリューション事業本部
マーケティング本部
Commercial Windows戦略部 部長
仲西和彦

Windows 11との組み合わせで仕事の作業効率が大幅向上

佐近●Windows 11を搭載した新しいPCはパフォーマンス面でも大きなメリットがあります。第12世代以降のインテル® Core™プロセッサーには性能を優先する処理を受け持つ「Pコア」と、電力効率を優先する処理を受け持つ「Eコア」の二つのコアを搭載するハイブリッドアーキテクチャが採用されています。そしてWindows 11にはPコアとEコアをより効率よく制御する機能が搭載されており、これらを搭載するPCを導入すれば仕事の作業効率を大幅に向上させられます。

仲西●先ほどWindows 11に移行するメリットとしてセキュリティの強化を挙げましたが、今年からAIも強くアピールしています。マイクロソフトが提供している「Copilot」はWindows 10でも動作を保証していますが、Windows 11ではOSに組み込まれているため、AIによるメリットがより多く利用できます。

 例えばフィッシング詐欺を防御する「SmartScreen」や、Teamsでの音声のノイズ除去をはじめ、常に人物を映像の中心に映したり、顔の向きを正面に補正したりする「Windows Studio Effects」などにAIが活用されています。

 このようにWindows 11ではAIを活用して高度な機能を提供しており、今後もアップデートによってAIを活用した機能が次々と追加されていきます。セキュリティの強化とともにAIの活用においてもWindows 11へ早期に移行することで、今のメリットとこの先のメリットをいち早く手に入れられます。

インテル
セールス&マーケティンググループ
ビジネスクライアント・テクニカル・セールス・スペシャリスト
**佐近清志** 氏

インテル
セールス&マーケティンググループ
ビジネスクライアント・テクニカル・セールス・スペシャリスト
佐近清志

リプレースを機会にアップグレード NPU搭載プロセッサーとvProを選択

佐近●AIの活用においてもより新しいプロセッサーを搭載したPCが有利になります。インテルのプロセッサーには以前からAI処理を高速化する仕組みが搭載されていますが、昨年12月に発表したクライアント向けの最新プロセッサーである「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」に、AI処理専用の「NPU(Neural network Processing Unit)」が初めて搭載されました。

 AI処理をNPUで実行することで、AIを利用した機能やアプリケーションが高速に動作し、ビデオ会議などでは消費電力をNPU非搭載のプロセッサーに対して最大35%削減できます。

 今後Windows 11にさまざまなAI機能が追加され、あらゆるアプリケーションにAIが採用されていきます。NPUを搭載していないプロセッサーでもAIを利用することは可能ですが、NPUを搭載していないプロセッサーでAIを多用するとパフォーマンスが低下し、バッテリーの消費も大きくなり、仕事の作業効率の低下につながります。

仲西●コロナ禍以降、PCを使用する時間が増えており、仕事におけるPCの重要性がますます高くなっています。ですからPCをリプレースする際は、より高いセキュリティとパフォーマンスを備えたPCにアップグレードすることを強くお勧めします。

佐近●インテルは今年2月にインテル® Core™ Ultra プロセッサーを搭載する「インテル® vPro® プラットフォーム」を発表しました。インテル® vPro® プラットフォームはOSの下層のファームウェアとハードウェアを守るセキュリティ機能を提供するほか、PCを遠隔操作で保守・運用できる機能などを提供します。

 ビジネスで利用するPCを選ぶ際は、NPUを搭載するインテル® Core™ Ultra プロセッサーと、高度なセキュリティを実現しPCを効率良く管理できるインテル® vPro® プラットフォームを採用したWindows 11搭載PCを最優先候補に挙げて、お客さまにご提案していただきたいです。