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インテルに学ぶグローバル企業の最新ワークプレイス変革 前編


IT業界におけるインテルといえば、半導体のベンチャー企業の老舗中の老舗だ。1968年の創立から、一貫してIT業界に革新を巻き起こしてきた。そして、テクノロジーだけではなく、働く人と環境にも注目した同社のワークプレイス変革は、これからの働き方のモデルを示している。

第1回

インテルに学ぶグローバル企業の最新ワークプレイス変革 前編

文/田中亘


この記事は、ICTサプライヤーのためのビジネスチャンス発見マガジン「月刊PC-Webzine」(毎月25日発売/価格480円)からの転載です。

公式サイトはこちら→ PC-Webzine

 IT業界におけるインテルといえば、半導体のベンチャー企業の老舗中の老舗だ。1968年の創立から、一貫してIT業界に革新を巻き起こしてきた。同社の共同創業者であるゴードン・ムーアが提唱したムーアの法則は、50年近く経った今も、IT業界における進化の定説として、広く用いられている。そして、テクノロジーだけではなく、働く人と環境にも注目した同社のワークプレイス変革は、これからの働き方のモデルを示している。

優秀な人材は働きやすい会社に集まる

 世界的に成功を収め、IT業界のトップブランドを誇るインテルは、「Workplace Transformation」という働き方の改革に取り組んでいる。その背景について、同社 情報システム部 APAC and Japan 地域部長の邱 天意(キュウ テンイ)氏は、次のように切り出す。

 「ビジネスでは、早い速度で革新を起こしていかなければ、どんなに大きな企業でも生き残ることができません。そのためにはワークスペースを改革して、コラボレーションを起こせる空間にできるかどうかが重要になります。また、デジタルネイティブの優秀な人材は、最初からITを駆使したコラボレーションや情報のシェアに抵抗感がなく、反対に働く環境にそうした便利なITがなければ、ストレスを溜めてしまったり、もっと働きやすい会社に移ってしまったりします」

 米国などでは特に優秀な人材ほど、企業のブランドには左右されずに、自らが働きやすく、能力を発揮できる会社を選ぶ傾向にある。そうした人材を積極的に採用し、なおかつ社内の人材のコラボレーションを促進するためにも、ワークプレイスの改革は重要なテーマとなっているのだ。

 「実際に新しい働き方を実現するためには、人材とITと施設それぞれにおける取り組みが重要になります。企業文化や制度の整備に加えて、ITによるモビリティやコミュニケーションの促進、そして新しい働き方に沿ったオフィスのレイアウトや設備の革新が必要なのです」と邱氏は指摘する。

キーワードは“SMAC”

 インテルでは、ワーキング革命のキーワードとして「SMAC」を提唱している。
「SMACは、“Social”“Mobile”“Analytics”“Cloud”の四つの要素を示しています。SocialはSNSのようなコラボレーションを強化するために必要です。もちろん、そのSNSをどこでも使えるようにするためには、Mobileが必須です。そして、ビッグデータからの洞察を得るためのAnalyticsも重要になります。これらのITを支えるために、Cloudが基盤となるのです」と邱氏は説明する。

 インテルは時間や場所に限定されない働き方を実現するために、SMACを駆使してオンとオフ、仕事と個人を巧みに切り替えている。働き方にメリハリがつくことで、個人の生産性も高くなるというのだ。こうした柔軟な働き方を実現するために、同社では1997年のモバイルビジネスPCの導入をきっかけとして、2002年から社内のワイヤレス化に取り組んできた。

 インテルの社員は平均3年で新しいPCに更新しているが、外部に持ち出すPCもすべての性能を発揮できるリッチクライアントになっている。その代わりに、セキュリティには最大限の配慮を払い、早い時期からドライブの暗号化を推進し、2008年からは全社的にvProテクノロジーを搭載したPCにリプレースしている。また、2009年からはIntel SSDを搭載したPCの導入によって、ストレージの暗号化の処理速度を向上させ、社員の生産性を高めた。

やる気を高めるソーシャルコラボの仕組み

 インテルがクラウドやモバイルに本格的に取り組みだした時期は、2011年になる。この年に、社員が利用するデバイスにスマートフォンやタブレットが加わり、クラウドによるクライアントの認識とサービスの提供がスタートした。

 「インテルには固定電話がありません。各社員は無線LANでアクセスしているPCを使って、ボイスメッセージを交換しています。2000年くらいからインスタントメッセージ(IM)は利用していましたが、2009年にIP電話とソフトフォンを導入して、個人の机から固定電話がなくなりました」と邱氏はコミュニケーション方法の進化についても触れる。

 2013年からは完全な無線オフィスを推進し、モバイル向けのアプリケーションも拡充して、新しいソーシャルプラットフォームを導入してきた。現在では、グローバルの全社員約10万人の中で約76%がソーシャルコラボレーションに参加しているという。インテルでは、ソーシャルコラボレーションを促進するために「AVA」というユニークな取り組みも推進している。AVAは、Ask、Vote、Answerの略語で、リーダーからの回答を入手するための「質問の投票システム」だ。

 「AVAは、社内のソーシャルネットワークを利用した質問の仕組みです。忙しいトップリーダーから的確な回答を得るために、はじめに質問の内容を部下たちが投票で選び、人気の高い質問だけをリーダーに尋ねるシステムです。全員の質問内容や投票の経緯などの履歴はすべて残るため、それらがとても参考になるだけではなく、参加者の一体感にもつながります」と邱氏はAVAの効果を語る。

 世界で活躍する10万人という社員のモチベーションの維持に、AVAに代表されるソーシャルネットワークの利用が大きく貢献しているようだ。AVAのほかにも、インテルでは便利で効率の良い働き方を促進するために、数多くのモバイルアプリやファシリティを整備してきたが、その取り組みとセキュリティ対策などの最前線については、次回詳しく紹介しよう。

(PC-Webzine2016年4月号掲載記事)

筆者プロフィール:田中亘

東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系まで、広範囲に執筆。代表著書:『できる Windows 95』『できる Word』全シリーズ、『できる Word&Excel 2010』など。

この記事は、ICTサプライヤーのためのビジネスチャンス発見マガジン「月刊PC-Webzine」(毎月25日発売/価格480円)からの転載です。

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