筆者プロフィール:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。主な著作として『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎エデュケーション新書)、『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)など多数。
公式サイト「高橋暁子のソーシャルメディア教室」
2017/03/23
これまで、様々なSNSごとの使い方のコツを実例を交えながらご紹介してきた。今回は、いよいよLINEにおける企業アカウントの成功事例とNGな使い方をご紹介する。ビジネス向けに新しく登場した「LINEWORKS」にも要注目だ。
文/高橋暁子
企業がLINE経由で消費者に情報を伝えたい場合、企業向けの「LINE公式アカウント」や「LINEスタンプ」もあるにはあるが非常に高額なため、よほどの企業でなければ選択肢に入らないだろう。現実的な手段としては「LINE@」がお勧めだ。
配信数に制限があるものの、安価にビジネス利用できることもあって企業にはうれしいサービスだ。友だちに対して一斉にメッセージやクーポンが配信可能。友だちからの個別の問い合わせに一対一でやりとりでき、気軽なお知らせはタイムラインも利用できる。
LINEはプッシュ通知でユーザーにメッセージを配信できる一方、ユーザーにとって魅力あるメッセージではなかったり、配信数が多過ぎると、すぐにブロックされてしまう。一斉配信するメッセージはユーザーにとってメリットや魅力あるものに限定し、それ以外のことはタイムラインに投稿するようにするといいだろう。
宮城県を中心に展開する住まいと暮らしのDIYセンター「ダイシン」では長年チラシしか利用していなかったが、LINE@を活用し始めたところ、新聞を読まない顧客層にもチラシと同様の内容を配信することができ、チラシのみだった頃と比べて売上が3~5割増しとなった。
ダイシンの場合、LINE@でのクーポン配信が効果大で、たとえば灯油値引きクーポンは、クーポンを開封した30%が来店につながっている。さらに、高圧洗浄機とスチームクリーナーの実演販売を事前にLINE@で告知したところ、売上が前年比180%にもなったそうだ。
LINE@は無料から使えるが、公式アカウントとは違ってアカウントの告知は自社で行う必要がある。つまり、実店舗や他の媒体などで告知して友だち登録してもらう必要があるのだ。LINE@を活用する際は、この点が重要となる。同店では元々自社メンバーズ会員制度があったため、“LINE@友だち登録で200ポイントプレゼント”という特典を用意。新規メンバーズ会員入会申し込み時にもアナウンスしているため、LINE@友だち登録拡大につながっているそうだ。
ダイシンの場合、LINE@は新聞購読層以外にリーチする媒体として有効だった。
子供服ブランド「BABYDOLL」では、実店舗だけではなく通販でもLINE@を活用している。少子化が進む中で、子ども服は孫がいる高齢者層へのアピールが課題となっている。LINE@を使うことで、その層へもリーチできるようになったという。
LINE@のメッセージは開封率・クリック率共に高く、クリック率に至っては他のSNSの12倍の反応があるという。12月の年末セール時には、前年比177%を超える売上につながっている。
友だち追加のためには、ウェブサイトとメルマガにLINE@の友だち追加のバナーやリンクを付けているほか、定期的に購入する顧客にはLINE@紹介チラシを同封。同時に友だち追加でクーポンプレゼントキャンペーンを行っている。月に一度のペースでクーポンを配信しており、全品10%オフのクーポンを配信したときには、5日間で平常時の14倍の友だち追加があったそうだ。
リアルタイムにクーポンやメッセージを配信することで、実店舗への来店促進や、通販ビジネスの売上拡大にもつながっている。無料から利用できるので、中小規模の店舗や企業にもお勧めだ。
LINE@は、孫がいる高齢者層にも届く。
LINEの活用はLINE@だけではない。LINEをビジネス上のコミュニケーションに使う例も増えている。
一方、このような調査結果もある。ウォンテッドリーの「コミュニケーションツールに関する意識調査2015」(2015年11月)によると、「仕事上のつながりがある人とLINEやFacebookでつながることに抵抗がありますか」という質問に対して、全体の43.4%が「抵抗がある」と回答。また、「仕事上のやりとりにLINEやFacebookなどのSNSを使うことに抵抗がありますか」という質問に対しても「抵抗がある」との回答が全体の42.4%を占めた。
LINEは元々、電話番号を知っている同士でつながる、かなりプライベート寄りのツールだ。そのためプライベートとビジネスは分けたいと考えるユーザーが多いというわけだろう。また、社員各々がLINEの個人アカウントを使い始めてしまうと、企業にとっては情報漏えいなどの危険性が増す(いわゆるシャドーIT)。
そこで、LINEの使い勝手はそのままにビジネス専用で使える「LINE WORKS」というアプリがスタートしている。シンプルなトーク、掲示板、アドレス帳と管理機能のみを備えたライトプランで年額3600円または月額360円から。機能が拡大したベーシックプラン、プレミアムプランも用意されている。LINEを本格的にビジネスに活用したい企業は、チェックしておこう。
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。主な著作として『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎エデュケーション新書)、『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)など多数。
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