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2017/06/27

働き方改革のキーワード - 第2回

残業時間の次は「勤務間インターバル」が焦点



「徹夜仕事で朝帰り後、シャワーを浴びて即出社」からの解放

残業時間上限設定の次は「勤務間インターバル」が焦点となる。勤務時間に応じての休憩時間設定ではなく、勤務と勤務の間を一定時間空けるための方策だ。これによって、徹夜仕事で朝帰り後、シャワーを浴びて即出社といった連続勤務に歯止めがかかる。さっそく「勤務間インターバル導入コース」と銘打った助成金も登場した。

文/まつもとあつし


残業時間の上限規制の次にあるもの

 政府が押し進める「働き方改革」。今年3月には残業時間の上限を確実なものとする方向で労使間の協議が決着しています。具体的には残業時間の上限を実質ないものとしてきた36協定(年に6ヵ月までは制限無し)の特別条項に「1ヵ月100時間未満」という上限が設けられることになります。

 この月100時間という基準は、過労死につながる時間外労働の事例に基づいたものです。いわば「ここを超えては生命の危険も伴う」というギリギリのラインがようやく設けられたと言えるでしょう。

 しかし、たとえ残業時間が月100時間未満に設定されたとしても、休息がほとんど取れないままの勤務が続いたとしたらどうでしょうか? 労働基準法では休憩時間については以下のような規定がありました。

  • 労働時間が6時間以内………………休憩時間無し
  • 労働時間が6時間超8時間以内……最低45分
  • 労働時間が8時間超…………………最低60分

 この中で馴染み深いのはお昼休みとして設定される60分の休憩時間。しかし、これはあくまでも1回の勤務時間に対する休憩であって、翌日(その次)の勤務までにどのくらい心身を休ませるのが適切なのかは日本では十分に議論されていませんでした。一方EU加盟国では、すでに「24時間につき最低連続11時間の休息時間」を義務化する規制が定められています。

 働き方が多様となり、またITサービスの拡がりによって365日・24時間の対応が求められる現代では、深夜・早朝の作業の後、翌朝通常の業務に就く、といったケースも珍しいことではなくなりました。過労死につながるような長時間労働を避け、ワークライフバランスを実現するには、勤務と勤務の間の「インターバル」が重要だという認識が拡がりつつあります。労働基準法の改正までは踏み込まれていませんが、残業時間の抑制に続き、この「勤務間インターバル」をどう設けるのか? 国そして労使が取り組む次のテーマの1つだと言えるでしょう。

9時間以上の企業は助成金制度も利用可

 とはいえ、「残業時間の抑制だけでも手間とコストが掛かるのに、勤務間インターバルの導入なんて」という企業からの声も聞こえてきそうです。

 実は厚生労働省では、「勤務間インターバル導入コース」と銘打った助成金(職場意識改善助成金)を用意しています。

 この助成制度は、休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルの導入を目標とする企業を支援するもので、具体的には次のような取り組みの実施に対して、助成金が支給されます。

  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知、啓発
  • 外部専門家によるコンサルティング
  • 労務管理用ソフトウェア・機器の導入・更新
  • 勤務間インターバル導入のための機器等の導入・更新

※業種や資本金、雇用者数によって支給対象となる事業主は異なります。詳しくは厚生労働省のホームページでご確認ください。

(厚生労働省配布資料より)

 この助成金の支給額は、取り組みの実施に要した経費の一部を、「成果目標の達成状況に応じて支給する」という踏み込んだものです。

(厚生労働省ホームページより)

 達成目標時間は「9時間」に加え、先述のEU基準ともなっている「11時間」も設けられている点にも、注目しておきたいところです。

 実際私たちの日常の仕事を振り返っても、1日丸々取り組んでも成果が出なかった課題が、一晩しっかり休むことで、あっさりと解決するといった場面があるはずです。国がワークライフバランスに対するサポート策を用意する中、この機会を捉え「勤務間インターバル」にしっかりと取り組んでみることは、働く側だけでなく、雇用する側にもメリットは大きいはずです。

筆者プロフィール:まつもとあつし

スマートワーク総研所長。ITベンチャー・出版社・広告代理店・映像会社などを経て、現在は東京大学大学院情報学環博士課程に在籍。ASCII.jp・ITmedia・ダ・ヴィンチニュースなどに寄稿。著書に『知的生産の技術とセンス』(マイナビ新書/堀正岳との共著)、『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)、『コンテンツビジネス・デジタルシフト』(NTT出版)など。

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