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2018/03/30

いますぐ読みたい「働き方ブック」レビュー - 第15回

「日本企業に効果あり!」なノウハウを集めたデジタル化指南書発見



『3ステップで実現するデジタルトランスフォーメーションの実際』ベイカレント・コンサルティング・著

「業務のデジタル化」を説く指南書は海外発が多いせいか、たいがい日本特有の事情を無視した内容で、役に立たないことが多い。しかし本書は、日本企業のデジタル化を進めるコンサル会社がその経験をもとにまとめた「日本企業への特効薬」だ。

文/成田全


もはや避けて通ることができない“デジタル化”

 先日、埼玉県さいたま市で、AI(人工知能)による市内約300の認可保育施設への入所希望者を割り振る実験が行われた。2017年の入所希望者7990人を振り分ける作業は約30人の職員で約50時間かかったが、AIはこの作業をなんと数秒で終えてしまった。しかも精度はAIも手作業もほぼ同じだったという。

 仕事の「デジタル化」は、もはや避けて通ることができない問題だ。しかしどう導入すればよいのか悩んでいる、導入しようとしているがうまくいかない、また導入したがきちんと機能していない、といった企業もあることと思う。

 デジタル組織をどう構築すべきか、悩める経営陣や担当部署の方に参考にしてもらいたいのが、多くの企業を戦略・業務・ITによって総合的にサポートする日系総合コンサルティングファーム「株式会社ベイカレント・コンサルティング」がまとめた『3ステップで実現するデジタルトランスフォーメーションの実際』だ。

デジタル化するための“3ステップ”

 デジタル時代は「自動運転車」の開発で自動車業界以外の企業が参入するといったように、あらゆる産業でディスラプション(破壊)が進行するが、その技術によってイノベーションを起こし、新たな事業を始める絶好の機会でもある。ディスラプションに巻き込まれず、新事業を始めるにはどうしたらいいのか? 本書では、デジタルによる事業構造の変革を意味する「デジタルトランスフォーメーション」に取り組み、ビジネスモデルの変革を進めていく必要がある、と指摘している。

 書名にある「3ステップ」とは以下の通りだ。

  • STEP1: デジタルパッチ
  • STEP2: デジタルインテグレーション
  • STEP3: デジタルトランスフォーメーションの完遂

 この戦略によってひとつずつ、確実にデジタル対応することが必要と説いている。

 まずは「既存のサービスやオペレーションに対して適用できるデジタル技術を実装」するデジタルパッチを行う。続く第2ステップで「デジタル技術を活用して、全社を挙げて顧客を丸ごと囲い込んだサービスを提供したり、リアルとデジタルに関係なく顧客体験に訴求」するデジタルインテグレーションへと進み、最終的に「ビジネスモデルを変革し、収益構造まで変える。それに関連する会社機能をすべて変革」した状態であるデジタルトランスフォーメーションの完遂へと導いていく流れとなっている。デジタル化の目的は「何でどのように儲けるかというビジネスモデルの変革」にあるのだ。

“日本企業のデジタル化”にターゲットを絞った一冊

 そして本書の肝は「日本企業にターゲットを絞った」ことにある。あなたの周りに普段パソコンで仕事をし、スマートフォンを所有しているにもかかわらず、「デジタルのことがわからない私に、わかるように説明してもらえますか?」と言う上司・同僚・部下、「デジタル化については自由にやってくれたまえ」と言いながらすぐに結果を求める経営者や株主、また事業基盤は安定しているのになぜ今デジタル化が必要なのか、そんな組織にはウチからの人材は出さないという部署など、頭がコチコチなアナログ人間たちにどう対応したらいいのかの処方箋がある。これは海外のビジネス書を翻訳した書籍にはない特徴と言えよう。

 日本的な縦割り組織にどうデジタル化の風穴を開けるか、守旧派や現状維持を是とする部署をいかに説得するか、どのようにデジタル組織を構築すべきか、成果はどう上げていったらいいのか、失敗をどう次へ活かすか――本書は日本企業の人材育成、キャリアパスなどに絡めて、これまで多くの企業を支えてきたベイカレント・コンサルティングの精鋭たちが先行事例を提示しながら、デジタル化への有効な基本戦略を日本の企業にターゲットを絞って懇切丁寧に解説してくれる。

今月読みたい「働き方ブック」はこれ!

 スマートワーク・ブームを反映して毎月洪水のように押し寄せる「働き方ブック」のなかからオススメ本をスマートワーク総研がピックアップ!

『地域とヒトを活かすテレワーク』(古賀広志、柳原佐智子、加納郁也、下崎千代子 編著/同友館)

介護、生産性向上、人手不足、地方創生など『働き方改革』のなかでのテレワークに現在注目が集まっている。そうした現状と課題、あり方を解説する。(公式サイトより)

『経理部門の働き方改革のススメ』(中尾篤史/税務研究会出版局)

経理部門の「ムダ、ムラ、ムリをなくすテクニック」を公開! 政府が推進する働き方改革によって、企業は人材の確保、残業時間の削減など、あらゆる場面で業務を見直す必要が出てきています。このような時代の中で、経理部門においても単純に経理業務をこなすのではなく、最大限効率的、合理的に業務を行うことが求められています。そこで本書は、経理部門の業務の中にひそむムダ、ムラ、ムリを減らすための改善策を解説します。

現場では特に問題意識を持っていないような、よくあるシーンを会話形式で取り上げ、業務を改善し効率化するためのテクニックを提示しています。企業の経理担当者または経理部門の管理者や、企業をクライアントに持つ税理士などにおすすめの一冊です。(Amazon内容紹介より)

『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社』(小室淑恵/毎日新聞出版)

働き方に大きな課題を抱えた状態からスタートした企業を、弊社のコンサルタントが2~3年かけて伴走し、一緒に障壁を乗り越えてきた過程を赤裸々に紹介しています。中には、1年間、経営トップに取り組みを反対され続けていた企業もあります。地味ではありますが、本質的な改革手法を丁寧に解説しますので、どんどん取り入れて実践していってください。全国各地の業種も規模もさまざまな企業が「働き方改革」に取り組むことによって、日本社会の長時間労働問題を根本的に解決していきましょう。(公式サイトより)

『女性発の働き方改革で男性も変わる、企業も変わる』(小島明子/産労総合研究所)

少子高齢化に伴う労働人口の減少に応じた人手の獲得と、優秀な人材の獲得や長時間労働是正のために、現在の日本では「働き方改革」が大きな注目を集めています。本書は、女性や管理職への調査やインタビュー、そして働き方改革を牽引している事例をもとに、まず女性発で働き方改革をすることで、男性の働き方を変え、社会の生産性を高める施策を提言しています。(Amazon内容紹介より)

『ディープラーニング(やさしく知りたい先端科学シリーズ2)』(谷田部卓/創元社)

ディープラーニング(機械学習、深層学習)はAI、人工知能の急速な進化に寄与している。知能とは何かを問うということは、人間の考え方や視覚、聴覚、言語といった普段なにげなく使っている感覚と脳の関係を一から考え直すことにほかならない。本書はディープラーニングとはどういう技術なのか、そのしくみと最新の動向をわかりやすい文章とイラストで解説する。話題の先端科学に触れたいという知的好奇心に応えるイラスト図解シリーズ第2弾。(公式サイトより)

筆者プロフィール:成田全(ナリタタモツ)

1971年生まれ。大学卒業後、イベント制作、雑誌編集、漫画編集を経てフリー。インタビューや書評を中心に執筆。文学、漫画、映画、ドラマ、テレビ、芸能、お笑い、事件、自然科学、音楽、美術、地理、歴史、食、酒、社会、雑学など幅広いジャンルを横断した情報と知識を活かし、これまでに作家や芸能人、会社トップから一般人まで延べ1500人以上を取材。

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