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アントレプレナー(entrepreneur)

フランス語の「entrepreneur」が語源で「仲介人」「貿易商」という意味がある。ビジネスシーンでは事業家や起業家を指す。ゼロの状態から事業を起こす創業者という意味合いが強く、新たな市場を切り拓く起業家をアントレプレナーと呼ぶ。類似する言葉に「イントレプレナー(intrapreneur)」があり、会社内で起業に挑戦する人を指し、「社内起業家」とも言う。

アントレプレナーになるための資格は特にないが、起業家としてのマインドが必要となる。優れた創造性やチャレンジ精神のことで、これを「アントレプレナーシップ(起業家精神)」という。アントレプレナーシップは今後のリーダー育成に欠かせない要素と言われている。

近年、アントレプレナーが求められている背景として、日本経済の行き詰まりが挙げられる。1970~80年代、日本は飛躍的に経済成長を遂げたが、情報化社会の到来やバブル崩壊とともに限界を迎え、日本経済は長い停滞期に入った。AIやIoT、ブロックチェーンなど、新たなテクノロジーが登場し、ビジネス環境が劇的に変化。新たなビジネス創出が強く期待されるようになった。こうした状況の中で、グローバル経済の発展を見据え、日本経済の将来を切り開く存在として、アントレプレナーの重要性が高まったのである。

近年、終身雇用や年功序列といった日本型雇用システムは崩壊しはじめ、成果主義や能力主義に切り替わりつつある。人の指示を待つのではなく、自発的にビジネスに取り組み、高いリスクに果敢に挑む姿勢を持ったアントレプレナーが、ますます必要となるだろう
(青木逸美)