エルダー制度
エルダー(Elder)は「先輩、年長者」という意味。一般的に企業などで「エルダー制度」という場合は、先輩社員が教育係(エルダー)として、新入社員の実務指導や相談役を担う制度を指す。同じ部署の比較的年齢が近い先輩社員がエルダーになることが多い。近い制度として、新入社員をメンタル面で支える「メンター制度」もある。メンターは他部署から選ばれることが多い。
エルダー制度は、新入社員に働きやすい環境を提供し、早期育成や離職率を下げることを目的としている。というのも、近年、若手社員が早期退職する割合が高く、3年以内の早期離職率は約30%と言われる。早期に退職されると、採用や研修、育成に費やした時間が無駄になり、企業にとっては大きな損失となる。そのため、先輩社員が新入社員をサポートするエルダー制度が重要視されている。
また、エルダー側にも新人指導を通してマネジメントスキルが向上するというメリットがある。他部署のエルダー同士が指導方法を共有することで、部署間のコミュニケーション活性化にもつながる。
(青木逸美)