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オーケストレーション

オーケストレーション(orchestration)は、コンピュータシステムやソフトウェア、サービスの構築における、設定、管理、調整の「自動化」を意味する。オーケストレーションを取り入れることで、複雑化するタスクやワークフローを柔軟かつ効果的に管理できる。ソフトウェアの迅速な開発、トランザクションの一括処理、大規模なサーバーの管理、データ分析などに活用される。

オーケストレーションと自動化は、機能面では同じだが対象範囲が異なる。自動化は単一のタスクを自動で実行することを意味するが、オーケストレーションは複数のシステムをまたいで行われる多数のタスクを統合して自動化する。このため、オーケストレーションは自動化をさらに拡張したものと言える。

複雑なプロセスやシステム全体を自動化するオーケストレーションにはメリットも多い。従業員の手作業を最低限にすることで、人為的なエラー発生を低減させ、コストを大幅に削減し、生産性の最適化につながる。高度なセキュリティ対策も可能だ。その結果、企業の信頼性と一貫性が向上する。また、オーケストレーションには汎用性があるため、クラウドやオンプレミスの分散システムにも応用できる。
(青木逸美)