1分でわかるIT用語集

クラウドソーシング

業務の委託形態の一種。依頼者がオンライン上で不特定多数の人に業務を発注する形態を指す。従来からの特定の外部業者に発注するアウトソーシングと対照する概念だ。クラウドソーシングのクラウドはCrowd=群衆で、クラウドコンピューティングのCloud=雲とは異なる。請負側は、クラウドソーシングサイトに登録しているSOHOやフリーランスのクリエーター・デザイナー・ライターなどである。発注側もサイトに登録する必要がある。クラウドソーシングにおける依頼の方法には、案件に対して応募を募る方法と、いくつもの応募から最適なものを選ぶコンペティション方式がある。

クラウドソーシングでは、あらかじめ納期や予算などの条件を提示したうえで募集を行うため、依頼者にとっては低予算でスピーディーな発注が行えるという利点がある。受注側では、技術があっても外でフルタイム働くことが困難な育児・介護に関わる人や、体の不自由な人にとっては利用価値の高いシステムであり、働き方改革のためのツールとしても期待されている。

ただ、ネットを介してのやりとりであるため、現状はミスマッチも存在し、発注側、受注側ともに成果物や報酬に満足のいく結果を得られないケースもある。労働力の買いたたきなどの事案が多発すれば、クラウドソーシングの発展を阻害することにつながりかねない。

(古市威志)