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STEAM教育

STEAM(スチーム)教育とは、文系・理系といった枠にとらわれず、考える力や問題解決力を身につけるための教科横断的な学習モデル。「STEAM」は、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を組み合わせた造語。

STEAM教育の基幹には、サイエンス分野を中心とした「STEM(ステム)教育」がある。「STEM教育」は、科学、技術、工学、数学を横断的に学習し、IT社会やグローバル社会に順応できる「理系人材の育成」を目的としている。STEMにプラスされた「A」は、単に美術だけではなく、Liberal Arts(人文社会の教養)も含まれる。芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理など幅広い分野で物事を捉える社会性を意味している。

AI(人工知能)IoTが飛躍的な進歩を遂げている現代、求められる人材のスキルも変化している。今後、新しい技術を生み出すには、倫理的な思考や問題解決の能力に加えて、創造性やデザイン力が必要とされる。例えば、環境汚染や貧困などの社会課題に向き合うには、生活や文化、政治や経済といった「複合的な知識」を持ち、自由な発想力や想像力で自分の考えを具体化し、表現して伝える力が活かされる。サイエンスの力だけでは不足する部分を補うために「A」が加えられたと言える。

STEAM教育は内容が高度なため、高校の段階で重点的に取り組むべきとされるが、一方では、その土台として小学校や中学校から取り組むことも重要と言われている。文部科学省は、学校がカリキュラムを作る基準として新たな学習指導要領を定め、小学校では20年度、中学校は21年度、高校は22年度の新入生から実施されている。これにより、文部科学省は高校を中心にSTEAM教育を導入する学校が広がるとみている。
(青木逸美)