企業にとって、自社製品に対するお問い合わせサポート業務というのは、顧客満足度を上げる重要な要素の1つです。問い合わせ方法には、電話やチャット、メールなどがありますが、電話での会話やメールでの文章による問い合わせだと、なかなか状況を把握しづらいことがあります。特に個別のアプリケーションなどでは、お客さまの端末環境によって左右されるケースも多く、ITリテラシーの程度によっても解決までの過程が大きく変わってきます。そんなときに、お客さまの端末状態を確認しながらサポートできれば、早期解決につながりムダに出向いてサポートを行う頻度も減るはずです。

今回お話しを伺った、インターコムの「RemoteOperator Helpdesk」は、そんな相手のパソコンやスマートフォンへ接続して画面を共有し操作できる、国産のクラウド型リモートコントロールツールです。Windowsの機能としてリモートデスクトップ接続がありますが、誰もが簡単に接続できるものでもなく設定も面倒です。しかし、本製品はそういった面倒なことをせずとも簡単に接続ができ、リモートでサポートを受けられるのが特徴です。

そんな本製品について、インターコムの田中千尋さんにお話を伺いました。

聞き手はエンジニアでありタレントの池澤あやかさん。なお記事中の発言は個人の見解で所属企業を代表するものではありません

聞き手はエンジニアでありタレントの池澤あやかさん。なお記事中の発言は個人の見解で所属企業を代表するものではありません

誰でもどこからでも簡単に接続しアクセスできるのが強み

お話を伺ったインターコム 営業本部 プロダクト営業部 ROセールスグループ主任の田中千尋さん

お話を伺ったインターコム 営業本部 プロダクト営業部 ROセールスグループ主任の田中千尋さん

田中千尋さん(以下、田中) 「今回、紹介したいのは『RemoteOperator Helpdesk』という商品です。国産のクラウド型リモートコントロールツールで、遠隔地の端末を画面共有して、お客さまや従業員の端末の問題を、リモートで解決できるというものになります」

池澤あやかさん(以下、池澤) 「社員向けだけでなくお客さま対応としても活用できるツールなんですね」

田中 「はい、社員向けヘルプデスクだけでなく、お客さまサポートセンターのオペレーターさんにも活用いただけます。相手の画面を見ながら操作のサポートや遠隔操作ができるので、例えば、お客様がパソコンで困っていた場合、訪問して解決することになると、かなりの時間がかかってしまいますが、リモートであればオペレーターが自席からサポートできるので、スピード解決が可能になります」

池澤 「すぐその場で解決できるのであれば、お客さまにとっては非常に助かりますね」

田中 「本商品を導入していただいているポイントとしては、まず簡単に接続できるところです。接続先に関しては、事前の準備やプログラムのインストールが不要で、お客さまのITリテラシーに依存することなく利用できます。導入いただいている中小企業のソフトウェアメーカーさまから『どんなお客さまでも簡単に接続できるので、使いやすい』との評価をいただいています」

選ばれるポイントとして、「簡単に接続ができること」「ポインターやファイル転送機能などのサポート機能の充実」「バソコンだけでなくスマホやタブレットにも対応」などが挙げられる

選ばれるポイントとして、「簡単に接続ができること」「ポインターやファイル転送機能などのサポート機能の充実」「バソコンだけでなくスマホやタブレットにも対応」などが挙げられる

池澤 「どんなお客さまでも確実に接続してもらうというのはなかなか難しいと思うので、かなり重要なポイントですね」

田中 「機能面でも、サポート側で直接操作することもできますが、ポインターで指し示して操作を促したり、相手へファイルを転送する機能を備えています。最新のプログラムに更新するときに、ファイルを送った上で実行していただくといった使い方ができます。また、管理者権限で接続することもできるので、再起動後の再接続の機能で、インストール作業を滞りなく行うこともできます」

池澤 「インストール作業では再起動を伴うケースがありますもんね」

田中 「あとは、パソコンだけではなくスマートフォンやタブレットにも対応しています。残念ながらリモートコントロールはできませんが、画面の共有は可能なので困りごとを解決しやすくなっています。社内のヘルプデスクでも、従業員のスマートフォンの設定に関する問い合わせが多いようで、活用していただいています」

池澤 「それはスマートフォンで会話しつつ、操作をするという感じですか?」

田中 「はい、音声は電話になりますので、スピーカーフォンやヘッドホンをつけてサポートへ連絡し、画面を見ながら操作していただく感じです」

池澤 「パソコンのサポートを受ける場合も、電話で話をしながら行うと」

田中 「そうですね。コールセンターなどであれば、お客さまからの電話からサポートをスタートさせるので、通話した状態で画面を共有しましょうというストーリーだと思います。ただ、最近は電話よりも、チャットでの会話やメールの署名に接続ページへのURLを入れるなど、サイトへの誘導さえできれば電話なしでもリモートサポートはできます。契約ごとに接続ページのURLは固定されているので、問い合わせページに接続ページへのURLを張っておけば、そこからサポートへつながります」

導入のメリットは、お客さまの悩みを迅速に解決できて顧客満足度のアップにつながるところ。社員ヘルプデスク用途でも、場所を問わず迅速に対応できるため、ダウンタイムを短くできる。

導入のメリットは、お客さまの悩みを迅速に解決できて顧客満足度のアップにつながるところ。社員ヘルプデスク用途でも、場所を問わず迅速に対応できるため、ダウンタイムを短くできる。

池澤 「社内ヘルプデスクだとチャットとかありそうですよね。コロナ禍でリモートワークが増えましたが、それに合わせて本製品を導入する企業は増えましたか?」

田中 「コロナ禍前までは、お客様サポートで導入するケースが多かったのですが、コロナ禍以降は、社内ヘルプデスク用途が増えてきています。コロナ禍前から働き方改革の1つとしてリモートワークは推進されていましたが、新型コロナウイルスをきっかけに導入する企業が増えたのか、問い合わせ数が伸びました」

池澤 「オペレーターに対して、問い合わせが詰まる状況も発生すると思いますが、待合室みたいな機能はあるのでしょうか」

田中 「待合室のような機能はないのですが、接続待機ボタンから接続するために番号を発行し、接続を開始すると利用できるライセンス数が減ります。そのため、残りのライセンス数を確認したり、オペレーターごとの利用状況も確認できるので、接続時間の長いオペレーターへのケアもしやすくなっています。また、対応したオペレーターでは対処できない場合、より熟練したスーパーバイザーなどへバトンタッチするエスカレーション機能もあり、滞りなくサポートできる仕組みになっています」

コンソール画面から、オペレーターの利用状況を確認できます

コンソール画面から、オペレーターの利用状況を確認できます

実際にRemoteOperator Helpdeskを体験

田中 「では、実際にリモートサポートの手順を体験していただこうと思います」

池澤 「お願いします!」

田中 「今回は、サポートされる側はすでにアプリをダウンロードして実行している状態です。相手がお客さまの場合は、その都度サポートページにあるリンクをクリックしていただきアプリをインストールしていただきます。社員ヘルプデスクの場合は、あらかじめ端末にアプリをインストールさせておき、接続用のショートカットを作っておけば、サポートページへアクセスすることなく、すぐに利用開始できます。まず、オペレーター側から番号をお伝えします。今回は『40番を押してください』という具合です。ここは、6桁の接続番号という設定にもなりますが、社内ヘルプデスクであれば表示されたアイコンをダブルクリックするだけのほうが簡単でしょう」

管理画面の設定から、接続方式をアイコンか番号入力か選択できます

管理画面の設定から、接続方式をアイコンか番号入力か選択できます

左側がオペレーター側、右側がサポートされる側の画面。アイコンが表示されるので、これをダブルクリックします

左側がオペレーター側、右側がサポートされる側の画面。アイコンが表示されるので、これをダブルクリックします

池澤 「ダブルクリックしました」

田中 「すると、すぐ自動的に画面共有された状態になります。あとは、ポインターを表示して手順を指し示したり、それでも難しい場合はオペレーター側で操作をするモードへ移行して問題を解決できます」

池澤 「結構なめらかに動きますね」

田中 「そうですね。画質優先や速度優先の設定があり通信環境や作業内容によって切り替えが可能です。あとは、先ほどお話したファイル転送は、ファイルのドラッグ&ドロップで相手へ送れます」

画面共有開始された直後の画面。オペレーター側にサポート先のパソコン画面が表示されていることがわかります

画面共有開始された直後の画面。オペレーター側にサポート先のパソコン画面が表示されていることがわかります

オペレーター側がポインターを表示させると、サポート先のパソコン画面にもポインターが表示され、わかりやすく手順を指し示すことができます

オペレーター側がポインターを表示させると、サポート先のパソコン画面にもポインターが表示され、わかりやすく手順を指し示すことができます

重要なポイントをペンで描くこともできます

重要なポイントをペンで描くこともできます

「操作モード」を選択することで、サポート先の端末を操作できます

「操作モード」を選択することで、サポート先の端末を操作できます

池澤 「サポートされる側のファイルを送ることもできますか?」

田中 「はい、できます。例えばリモートコントロールでログを取ってそれを収集し、オペレーターが調べるということが可能です。その他にも、システム情報を取得できる機能や、サポートしている最中の様子を録画したり画面キャプチャーを撮ることもできるので、問題が発生した様子などをベンダー確認するといった使い方もできます」

池澤 「あらゆる想定に対してなんでもできる感じですね」

ファイルの転送は、ドラッグ&ドロップ操作で実行できます

ファイルの転送は、ドラッグ&ドロップ操作で実行できます

サポート相手側のシステム情報の取得も行えます

サポート相手側のシステム情報の取得も行えます

田中 「そうですね。あとはクリップボードの共有やお客さまの操作を禁止にしてマウスの奪い合いにならないようにするなどの機能もあります。オペレーター側が操作するにあたっては、設定でお客さま側にその都度許諾を取るアラートを表示できます」

池澤 「お客さま相手だと、勝手に操作するよりアラートがあれば安心ですね」

サポート相手側の操作を禁止することもできます

サポート相手側の操作を禁止することもできます

サポート相手側は操作が禁止されている旨のメッセージが表示されます

サポート相手側は操作が禁止されている旨のメッセージが表示されます

接続が終了すると、メッセージが表示されます

接続が終了すると、メッセージが表示されます

対有人だけでなく対無人のサービスも

田中 「料金体系ですが、RemoteOperator Helpdeskには、今回紹介した接続先が有人の『サポートライセンス』と接続先が無人の『リモートアクセスライセンス』の2つがあります。サポートライセンスのほうは、基本ライセンスとして年契約と月契約があり、例えば1年、1ライセンスで使っていただいている場合、問い合わせが多い時期には、その期間だけ3ライセンスにしよう、と月単位で増加できます」

池澤 「サポートする担当の方が1人だったら1ライセンスという感じですか?」

田中 「いいえ、サポート部門で利用する同時接続数分のライセンスのみで大丈夫なんです。なお、ライセンスと別にオペレーターを区別するIDがあります。こちらはオペレーターが複数いる場合は、オペレーターごとにIDを取得することをおすすめしています。サポートしたときログが記録されるため、IDを使いまわすと誰の記録なのかわからなくなってしまうためです。オペレーターIDは追加購入できるようになっています」

池澤 「確かに誰がサポートしたのかわからないと、もしあとで何かあった場合問題ですよね」

田中 「あと、先程紹介したエスカレーション機能を利用する際には、必ず別のオペレーターIDが必要です。オペレーターごとに機能制限を設けることも可能なので、オペレーターの能力に合わせた使い分けもできます」

池澤 「企業によって使い方はさまざまだと思いますが、どのくらいのライセンス数の契約が多いのでしょうか」

田中 「サイトにいくつかの導入事例が紹介されていますが、本製品は中小企業さんに導入いただくケースが多く、大体1~5ライセンスで利用されています」

池澤 「お客様対応でオペレーターを多く抱えている大企業だと、それなりに多くなると思いますが、社内サポートや中小企業だとそれほど抱えられないですよね」

田中 「もう1つの、リモートアクセスライセンスの場合は、接続先端末台数による課金になっています。Wake-on-LANで離れた場所から端末を起動も可能なので、現場へ行かずとも作業可能となり、迅速かつ業務の効率化につながります」

池澤 「事業所が1箇所ならまだしも、いくつも拠点のある企業なら、その効果は絶大ですね」

田中 「RemoteOperatorシリーズには、今回ご紹介したRemoteOperator Helpdeskのほかに、RemoteOperator Enterpriseなどがあり、そちらでは金融業界で多く導入いただいています。この手の商品は海外製が多いのですが、開発から販売、サポートまで自社で対応しており、既存ユーザーさまからの要望に対して、日本ならではの対応を行う体制を取っています。今後もより良い製品を目指してバージョンアップを図っていきたいと考えています」

池澤 「今回お話を伺い、社内でこのようなサポートをしてくれたらありがたいと思いました。結構社内ツールって一般のツールに比べて分かりづらいことが多いので、リモートでサポートしてもらえると嬉しいですね」

田中 「多拠点になると、そもそもITに詳しい従業員がいないこともあり、場合によっては出張せざるを得ないこともあります。本製品を使えば、本社からでも迅速に解決できるのが、おすすめポイントです」

池澤 「リモートワークだと、周りに誰もいないので聞くこともできないから、リモートサポートはぜったい必要だと思いました」

RemoteOperator Helpdesk

離れた場所にあるお客さま端末や、社内の別フロアや営業所にいる従業員の端末のリモートサポートが可能です。お客さまや現場のトラブルを迅速に解決し満足度の高いリモートサポートを実現します。また、無人環境にあるPCやサーバを離れた場所からメンテナンスできます。現場へ行かずに作業可能なため、業務効率化や緊急時の対応迅速化を実現します。

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