刷新されたGPUと、新搭載されたNPUにより対応アプリで性能向上

LG gram Pro 17Z90SP-MA78J」はOSに「Windows 11 Home」、CPUに「Intel Core Ultra 7 プロセッサー155H」を採用。メモリーは16GB(LPDDR5X-7467)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載しています。

「インテル Core Ultra 7 プロセッサー155H」は、CPUに16コア(高性能コア×6、高効率コア×8、低消費電力高効率コア×2)の22スレッド、最大4.8GHz、28W動作、GPUに「インテル Arc Graphics」(2.25GHz)、NPUに「インテル AI Boost」を搭載した最新プロセッサーです。刷新されたGPUと、新搭載されたNPUにより、対応アプリではパフォーマンスの向上が期待されます。

ディスプレイは17インチWQXGA IPS液晶(2560×1600ドット、16:10、144Hz駆動、輝度400cd/m²、コントラスト比1500:1、色域DCI-P3 99%、アンチグレア仕様)を採用。ディスプレイ上部には顔認証対応1080pウェブカメラ、マイクを内蔵しています。

インターフェースはThunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3をサポートしています。

本体サイズは379.4×265.4×12.9mm、重量は1.3kg。77Whのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生で13時間、アイドルで20.5時間と謳われています。

本製品は17型というノートPC最大クラスのディスプレイを搭載しつつ、1.3kgという軽量ボディーを実現。大画面をつねに携帯したいのであれば最右翼のモデルです。

カラーはブラックのみ。ボディーは1.3kgと軽量ですが、米国国防総省調達規格「MIL-STD-810H」準拠のテストを7項目クリアする堅牢性が確保されています

カラーはブラックのみ。ボディーは1.3kgと軽量ですが、米国国防総省調達規格「MIL-STD-810H」準拠のテストを7項目クリアする堅牢性が確保されています

本体底面には3W+3Wステレオスピーカー(最大5W、スマートアンプ)を装備

本体底面には3W+3Wステレオスピーカー(最大5W、スマートアンプ)を装備

ディスプレイは17型WQXGA IPS液晶を搭載

ディスプレイは17型WQXGA IPS液晶を搭載

ディスプレイの最大リフレッシュレートは144Hz

ディスプレイの最大リフレッシュレートは144Hz

カラーキャリブレーション機器で計測したところ、sRGBカバー率は99.8%、AdobeRGBカバー率は89.7%、DCI-P3カバー率は98.9%という広色域を確認できました

カラーキャリブレーション機器で計測したところ、sRGBカバー率は99.8%、AdobeRGBカバー率は89.7%、DCI-P3カバー率は98.9%という広色域を確認できました

キーボードは英語配列でバックライト内蔵。キーピッチは19.05×18.5mm、キーストロークは1.0±0.2mm。タッチパッドのサイズは131.5×83.3mm

キーボードは英語配列でバックライト内蔵。キーピッチは19.05×18.5mm、キーストロークは1.0±0.2mm。タッチパッドのサイズは131.5×83.3mm

本体前面(上)と本体背面(下)

本体前面(上)と本体背面(下)

右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、3.5mmコンボジャック×1、左側面にはHDMI×1、Thunderbolt 4×2を用意

右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、3.5mmコンボジャック×1、左側面にはHDMI×1、Thunderbolt 4×2を用意

パッケージには本体、ACアダプター、USBケーブル(Type-C to Type-C)が同梱

パッケージには本体、ACアダプター、USBケーブル(Type-C to Type-C)が同梱

ACアダプターの仕様は、入力100-240V~1.6A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 3.25A、PPS:5-20V 3.25A、容量65W

ACアダプターの仕様は、入力100-240V~1.6A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 3.25A、PPS:5-20V 3.25A、容量65W

本体の重量は実測1263.5g

本体の重量は実測1263.5g

ACアダプターとUSBケーブルの合計重量は実測135.4g

ACアダプターとUSBケーブルの合計重量は実測135.4g

今後大手ソフトウェアメーカーが「インテル AI Boost」をサポートすることを期待

「LG gram Pro 17Z90SP-MA78J」に採用された「インテル Core Ultra 7 プロセッサー155H」はAI専用プロセッサー「NPU」を搭載しているのが売り。しかし、現時点で有効活用しているアプリはごく一部です。実際、「LG gram Pro 17Z90SP-MA78J」には、AIを使用して写真を整理できるアプリ「LG gram Link」がプリインストールされていますが、今回試したかぎりではNPUコアが動作することはありませんでした。

しかし、インテルは「AI PC」の普及を後押しする「AI PCアクセラレーション・プログラム」を推進しており、パートナーとしてAdobe、Blackmagic Design、Microsoft、Zoomなどを挙げています。これらの有力ソフトメーカーが「インテル AI Boost」をサポートすれば、パフォーマンスの向上や、端末内で処理を完結させることによるプライバシーやセキュリティの確保などの恩恵を受けられることでしょう。

CPUのシステム情報を見ると、「インテル AI Boost」が搭載されていることを確認できます

CPUのシステム情報を見ると、「インテル AI Boost」が搭載されていることを確認できます

プリインストールアプリ「LG gram Link」でAIを使用した写真整理を実行してみましたが、NPUコアの使用率は上がりませんでした。ただし今後新しいバージョンで利用可能となり、処理時間が短縮される可能性はあります

プリインストールアプリ「LG gram Link」でAIを使用した写真整理を実行してみましたが、NPUコアの使用率は上がりませんでした。ただし今後新しいバージョンで利用可能となり、処理時間が短縮される可能性はあります

クリエイティブワークにも活用できるだけの処理性能を実現

最後にパフォーマンスをチェックします。ベンチマークを実施するにあたっては、管理ユーティリティー「LG Smart Assistant」の冷却モードを「高」に設定して実施しています。まずCPU性能ですが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は11976pts、CPU(Single Core)は1680ptsを記録しました。マルチコア性能で1万の大台を大きく超えており、モバイルノートPCながら動画編集などのクリエイティブワークにも活用できるだけの処理性能を備えていますね。

「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は11976pts、CPU(Single Core)は1680pts

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は11976pts、CPU(Single Core)は1680pts

3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは11232(とても快適)を記録。フレームレートを見てみると、平均78.96fpsに達しています。息抜きに3Dゲームを楽しめるのはもちろんのこと、GPU「インテル Arc Graphics」はクリエイティブアプリでのパフォーマンス向上にも恩恵を受けられることになります。

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは11232(とても快適)

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは11232(とても快適)

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「HFS001TEJ9X101N」を搭載しており、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7161.22MB/秒、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は6281.10MB/秒と好成績を収めました。PCIe Gen4 x4接続SSDとしても高速な部類に入っており、ストレージ速度がボトルネックになることはないはずです。

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「HFS001TEJ9X101N」を搭載

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「HFS001TEJ9X101N」を搭載

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7161.22MB/秒、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は6281.10MB/秒

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7161.22MB/秒、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は6281.10MB/秒

大画面ノートPCのなかで大本命の1台

「LG gram Pro 17Z90SP-MA78J」最大の売りは、NPU搭載「インテル Core Ultra 7 プロセッサー155H」を採用していること。今後「インテル AI Boost」に対応したアプリが増えてくれば、さらなるパフォーマンスアップが期待できます。また本製品は17インチとモバイルノートPC最大級のディスプレイを搭載しつつ、重量は1.3kg、バッテリー駆動時間は動画再生で13時間とモバイル性能も申し分ありません。テンキー搭載、英語配列キーボードという点は好き嫌いが分かれますが、大画面ノートPCのなかで大本命の1台と言えます。

著者プロフィール

ジャイアン 鈴木(じゃいあん すずき)

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。