筆者プロフィール:まつもとあつし
スマートワーク総研所長。ITベンチャー・出版社・広告代理店・映像会社などを経て、現在は東京大学大学院情報学環博士課程に在籍。ASCII.jp・ITmedia・ダ・ヴィンチニュースなどに寄稿。著書に『知的生産の技術とセンス』(マイナビ新書/堀正岳との共著)、『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)、『コンテンツビジネス・デジタルシフト』(NTT出版)など。
2018/07/26
「名刺は大切に扱ってきちんと整理、保管しろ」――ビジネスパーソンの誰もが新人のころに厳しく指導された記憶があるはずです。けれども働き方改革・スマートワークの進展によって「名刺文化」にも変化が訪れようとしています。
文/まつもとあつし
そもそも日本のビジネスシーンにおいて名刺の存在感はとても大きなものでした。はじめて会う相手には、まず名刺を差し出して自己紹介をし、相手の席順に応じて名刺を並べ、丁寧に扱うというのが常識とされてきました。
それに対して海外では、名刺交換の前にまず「握手」と自己紹介を行う、というのが一般的です。握手の強さ(強すぎず、弱すぎず)や表情・声の調子(相手の名前のイントネーションを確認する)といったところに重点が置かれ、名刺の交換は求められればその後で、ということも珍しくありません。筆者も目の前で名刺に名前の読み方をメモされた上、そのままポケットに突っ込まれて驚いたことがありますが、特にマナー違反ということではないのです。
このように名刺に対する考え方が異なるなか、米国ではLinkedInと呼ばれるビジネスSNSが人気を博しています。
LinkedInはビジネスSNSの代表格といえる存在だ。
LinkedInはFacebookなど他の汎用SNSとは異なり、ビジネス上のつながりに特化しています。そのため、自分の経歴や専門領域を詳しく記載するよう求められます。それらの情報をもとに、転職エージェントからアプローチが寄せられることもあります。これから商談に臨む相手が、どんな役職を経てきたのか? つながりのある知人はいないか? など事前のリサーチにも役立てることができるのです。
名刺そのものは氏名と所属を示したものに過ぎませんから、それだけでは価値は大きくありません。時々整理したり、その情報をアップデートするという手間を掛けなければ、ビジネスに実際に活かすのは難しいという面もありました。LinkedInのようなビジネスSNSの台頭は、名刺の役割をデジタル・クラウドの世界にさらに移し替えていくものです。近い将来、ビジネスシーンでももう名刺は必要ない、という時代が訪れるかもしれません。
海外に比べ名刺文化が強い日本でも、名刺管理のデジタル化・クラウド化が少しずつ進んでいます。有名なところでは、Sansan株式会社が提供する法人向けクラウド名刺管理サービスSansanや、その無料版Eightが挙げられるでしょう。
現在国内における名刺管理サービスはこのSansanをはじめ、数種類が存在しています。その多くに共通しているのが、オペレーター(ヒト)による名刺情報の手作業入力です。名刺をスキャンしただけでは、会社ごとにレイアウトやフォントが異なる名刺をすべて正しく文字認識することは困難です。従来のスタンドアロン型名刺管理ソフトの泣き所もここにあり、大量の名刺をスキャンした後で、誤った認識結果を修正する作業を強いられるのが苦痛だというヒトも多かったはず。クラウド型サービスは最終的にヒトの目で確認し、修正することでこの手間を省いてくれます。
ヒトの手が入った名刺管理ソリューションは精度の面でアドバンテージをもつ(画像はCAMCARD BUSINESS standard)。
いったんクラウドにデータが保管されれば、その人が名刺交換後に転職・異動してもその情報がアップデートされていくのも有り難いポイントです。Sansanのような法人向けサービスではさらにこれらの情報を、SFA(営業支援システム)などとも連携しながら社内で共有し企業活動に活用することができるのです。
いずれ日本でも名刺交換という風習が姿を消すかもしれません。しかし、これまでに蓄積された名刺(コンタクト)情報を蓄積し、データ資産として整備しておくことは、個人・企業を問わずビジネスプレイヤーが活動を続けていく上での必須条件となっていくはずです。
スマートワーク総研「ソリューションファインダー」にも、名刺管理サービスがラインナップされています。ぜひチェックしてみてください。
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スマートワーク総研所長。ITベンチャー・出版社・広告代理店・映像会社などを経て、現在は東京大学大学院情報学環博士課程に在籍。ASCII.jp・ITmedia・ダ・ヴィンチニュースなどに寄稿。著書に『知的生産の技術とセンス』(マイナビ新書/堀正岳との共著)、『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)、『コンテンツビジネス・デジタルシフト』(NTT出版)など。
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