戸田覚の週刊「ジバラ」-自分働き方改革のススメ【第33回】

質の高い書類を時短で作るWordの秘密ワザ(1)


自分の働き方を改革(「自分働き方改革」ジバラ)することは、小さな効率化かもしれないが、積み重なれば大きな差が生まれる。ジバラを推し進めるのが本連載の目的だ。今回は、Wordを使った質の高い書類作成を効率化する方法を紹介しよう。

文/戸田 覚


アウトラインとは見出しを並べる機能

 Wordには、アウトライン機能が古くから搭載されている。長文や論文などを書くときには重宝する機能だが、実はビジネスの書類作成にも非常に効果的だ。

 あまり使われていないアウトラインの使い方を説明していこう。今回はWordで使い方を説明するが、PowerPointやExcelにも機能は搭載されている。特にPowerPointでは、Wordと似た使い方が可能だ。自分で工夫して働き方を改革する「ジバラ」にはおすすめの機能だ。

 アウトラインとは、書類の構成を考えながら作成できる機能だ。見出しを最初に作成し、その順番や内容を考えながら構成を作っていくものだと考えるとわかりやすい。

 多くの方が、書類を作成する際には頭の中でぼんやりとした構成を考えながら書き始めるだろう。もしくは、すでに適当な構成ができあがっているひな形を使って必要な部分を書き換えようとする。

 だが、それぞれの書類ごとに適切な構成は異なる。完成度をアップするには、書類を作り始める前に最適な構成を考えるべきであり、そこで役立つのがアウトラインというわけだ。

 まず、Wordの画面をアウトラインに切り替えたら、書くべき内容を箇条書きにしていく。わかりやすく言うなら、目次を作ると思えばいい。A4用紙1枚の企画書でも、内容を考えれば箇条書きの目次は作れるはずだ。

まず画面をアウトラインに切り替える。「表示」-「アウトライン」で切り替えられる

目次を作る感覚で盛り込む内容を箇条書きにしていく

階層を考えて指定していく

 続いて、内容の階層を考えていく。まず、タイトルは一番上の第一階層になり、他はすべてその下になるのが普通だ。そこで、タイトル以外の部分を選択して、画面上のコマンドで階層を下げる。ドラッグで選択したら、右矢印をクリックすれば「レベル2」になるはずだ。

 次に、それぞれの箇条書きをチェックして順番を入れ替える。順番はドラッグで入れ替え可能だ。それぞれの箇条書きの頭のマークの部分にマウスポインターを合わせると、表示が十字に切り替わるのでそこでドラッグすればよい。

 さらに、この時点で内容を考えて整理していく。ダブっているものがないかを調べたり、階層を考えて構成する。例えば、「価格について」や「発売日」は、「概要」としてまとめたほうがわかりやすい――といったことを考えて内容を組み立てていくのだ。

 だいたいの構成がまとまったら、続いて内容を書くのだが、そこは次回紹介しよう。なお、順番や階層は後でも変更可能なので、“ほぼこれでいいだろう”といった程度の完成度で、本文作成作業に取りかかってかまわない。

タイトル以外をドラッグで選択する

選択状態で画面左上の「→」をクリックすると階層がまとまって下がる

文頭の記号をドラッグすれば順番の変更も可能だ

階層をだいたい整えた。次回からここに本文を入力していく

筆者プロフィール:戸田 覚

1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。