ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第39回

テレワーク用途を重視して独自のビデオ会議向け機能、プライバシー保護機能を搭載した13.3型モバイルノートPC


NEC「LAVIE Pro Mobile PM950/SAL」実売価格21万円前後(税込)

テレワーク用ノートPCにはバランスが重要。処理がどんなに速くても、重すぎたり、バッテリーがもたなかったりするとストレスがたまります。そして欲を言えば、テレワークをより快適にしてくれる独自機能も搭載してほしいものです。今回はそんな欲張りな希望に応えてくれるテレワーク特化型モバイルノートPC「LAVIE Pro Mobile」のレビューをお届けします。

文/ジャイアン鈴木


性能と省電力のバランスが取れたインテル第10世代CPUを採用

LAVIE Pro Mobileは13.3インチディスプレイを搭載したクラムシェル型ノートPC。CPUは第10世代のインテルCoreプロセッサーが採用されており、Core i7-10510U/メモリー16GB/ストレージ512GB/プライバシー機能付きディスプレイを搭載した「PM950/SAL」(実売価格21万円前後)、Core i7-10510U/メモリー8GB/ストレージ512GBを搭載した「PM750/SAシリーズ」(実売価格20万4000円前後)、Core i5-10210U/メモリー8GB/ストレージ256GBを搭載した「PM550/SAシリーズ」(実売価格18万2000円前後)がラインナップされています。

今回は最上位モデルのPM950/SALを借用しています

ディスプレイは、13.3型フルHD IPS液晶(1920×1080ドット、ノングレア)という基本スペックは共通ですが、今回レビューする最上位のPM950/SALはプライバシー機能「LAVIEプライバシーガード」が搭載されています。

LAVIEプライバシーガードが有効になると、ディスプレイの視野角が180度から90度に狭くなり、画面を覗き見されにくくなります

CPU、メモリー、ストレージ、ディスプレイ以外のスペックは共通。OSは「Windows 10 Home」、オフィスアプリは「Microsoft Office Home & Business 2019」がプリインストールされています。

なお直販サイト「NEC Direct」で購入すれば、OS、CPU、メモリー(最大16GB)、ストレージ(最大1TB)、本体カラー、ワイヤレスWAN(LTEモジュール)、バッテリー容量、オフィスアプリのあるなしを選択可能。外出先でシームレスにインターネットを利用したい場合はワイヤレスWANを搭載することを強くオススメします。

新旧インターフェイスを豊富に用意、もちろんUSB PD対応

本体サイズ/重量は、PM950/SALが307.2×216×16.9mm/約955g、PM750/SAシリーズとPM550/SAシリーズが307.2×216×16.7mm/約889g。つまりLAVIEプライバシーガードを搭載するPM950/SALが0.2mm厚く、66g重いことになります。

インターフェイスは、USB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-C×1(USB PD 3.0、DisplayPort対応)、USB 3.1 Type-A×1、HDMI×1、ヘッドセットジャック×1、microSDメモリーカードスロット×1と新旧インターフェイスが豊富に用意されています。DisplayPortに対応したUSB 3.0 Type-CとHDMIを同時利用すれば、本体と合わせて最大3枚のトリプルディスプレイ環境を構築できるわけです。

またUSB 3.0 Type-CがUSB PD 3.0に対応しているのもポイントが高いですね。スマートフォンやタブレットと充電器を共有できること、USB PD対応モバイルバッテリーから給電できることは、2020年のモバイルノートPCの必須条件だと思います。

本体天面

本体底面

本体前面(上)と本体背面(下)

本体右側面(上)と本体左側面(下)。右側面にはヘッドセットジャック×1、USB 3.1 Type-A×1、HDMI×1、左側面にはセキュリティーロックスロット×1、USB 3.0 Type-C×1(USB PD 3.0、DisplayPort対応)、USB 3.1 Type-C×1、microSDメモリーカードスロット×1が配置されています

ディスプレイ面、ディスプレイ上部には顔認証対応ウェブカメラ、IRランプ、輝度センサーが内蔵されています

キーボード面。キーボードは日本語仕様のみ。タッチパッドは全体が沈み込むダイビングボード構造を採用しています

ビジネスユーザーはココに注目!

さて冒頭でもお伝えしたとおり、PM950/SALにはテレワークに特化した独自機能が採用されています。まずはサウンド関連ですが、2W+2Wのステレオスピーカーに加えて、ディスプレイの上側にデュアルアレイマイクを搭載。これにヤマハのオーディオエンジンが組み合わされており、会議参加人数に合わせてスピーカーの範囲を調整する「ミーティング機能」、周囲のノイズを低減してクリアーな音声を伝える「ノイズサプレッサー」、部屋の残響を抑えて相手の声を聞き取りやすくする「ルームエコー抑制」が実装されています。どれもオンライン会議のコミュニケーションを快適にする便利機能と言えます。

ディスプレイ上部の小さい穴部分にデュアルアレイマイクが内蔵。

「LAVIEかんたん設定」→「YAMAHAサウンド」から「Meeting」タブに進むと、ひとりで会議に参加する「パーソナル」、複数人で会議に参加する「マルチユーザー」に切り替えられます

シェアオフィスなどで仕事をする際に重宝するのが「Glance by Mirametrix」。使用者が離席すると自動的に画面をロックしたり、消灯する「スマートロック」、サブディスプレイ接続時に使用者が見ていないディスプレイをぼかす「スマートディスプレイ」、他者の視線を検知するとディスプレイの視野角を制限して覗き見を防止する「プライバシーガード」、他者の視線を検知すると画面上部に警告を表示する「プライバシーアラート」など、さまざまなプライバシー保護機能が提供されています。これらの機能を利用すれば、人の目を気にせずに、仕事だけに集中できるわけです。

スマートロックを有効にすれば、ロックのかけ忘れはありえません

プライバシーアラートを有効にすれば、イヤフォンを装着していても画面の警告で覗き見にすぐ気づけます

このほかにも、最新無線LAN「Wi-Fi 6(11ax)」の対応、天板と底面にカーボン素材を採用した軽量かつ堅牢なボディー、タイピングしやすさを追求したキーボードと、NECらしい手堅い作りが魅力です。

Wi-Fi 6(11ax)対応無線LANルーターと組み合わせれば、クラウドサービスと、より高速にデータをやり取りできます

面加圧試験や落下試験をクリアーした堅牢ボディーは、ケースなしにナップザックに入れても安心して持ち運べます

キーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmのキーボードが搭載されており、エンターキー、バックスペースキー、カーソルキーも大きめ。打鍵感もよくフルスピードでタイピングできるキーボードです

個人的には英語キーボードがないのがちょっと残念ですが、NECが手がけているだけに日本のテレワーク事情にとてもマッチしたマシンに仕上がっています。モバイルノートPCとしての高い基本性能だけでなく、オンライン会議の快適性、プライバシー性能を重視する方に自信を持ってオススメできる一台です。

ジャイアン鈴木

筆者プロフィール:ジャイアン鈴木

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。