1分でわかるIT用語集

SAP

「Systemanalyse und Programmentwicklung」の略称で、「サップ」と呼ばれることもある。SAPはドイツのヴァルドルフに本社を置く、ヨーロッパ最大級のソフトウェア開発会社。SAP社が開発し、提供するERP(Enterprise Resources Planning)パッケージ製品をSAPと呼ぶ場合が多い。

ERPは「ヒト・モノ・カネ」といった企業経営の環境・資源要素を適切に分配し、一元管理するシステム。経営・業務の効率化のために多くの企業で導入されている。これまでは、部署ごとに会計管理や販売管理、給与管理などのシステムを使うのが一般的だったが、ERPによって経営資源を一元管理することで、全体の効率化を実現する。主なシステムとして、「会計管理」「販売管理」「在庫購買管理」「生産管理」「人事給与管理」が挙げられる。

SAPは世界中のグローバル企業への導入実績があり、さまざまな業種・業態で活用されている。そのため、豊富な標準機能を持ち、各国の法制度・商習慣に対応している。パッケージ製品なので、1からシステムを作るよりも、簡単かつ短期間での導入が可能だ。要望に合わせてオンプレミス(自社でサーバーを保有)かクラウド(クラウド上のサーバーを利用)かを選択できるメリットもある。一方で導入費用が高い、システムの操作が難しいなどのデメリットもある。

注意が必要なのは、現在導入しているSAP ERPの保守サポートが2027年12月に終了することだ。この保守サポート終了によって起こりうる問題を「2027年問題」と呼ぶ。リスクを避けるためには、2027年までにERPを刷新するなどの対策が必要となる。
(青木逸美)