1分でわかるIT用語集

SD-WAN

「Software Defined-Wide Area Network」の略称。SDとは仮想化技術を用いて、ネットワークやストレージなど物理的なインフラをソフトウェアで制御すること。WANは地理的に離れた拠点を結ぶ広域ネットワークを指す。

主に社内LANやデータセンター内のネットワーク構築で使用される「SDN(Software Defined Network)」をWANに適用することで、本社と支店などの離れた場所のネットワークも一元管理し、インフラにかかる負荷をコントロール、快適なネットワーク通信を提供できるようにしたのが「SD-WAN」である。

従来は、拠点からクラウドサービスへアクセスする場合、いったん自社のデータセンターを経由していたが、SD-WANを使用すればクラウドサービスへの直接のアクセスが可能になる。また、在宅型テレワークの増加により生じる、VPNのキャパシティー不足などの問題も解決できる。

SD-WANは、特定のクラウドサービスを拠点から直接インターネットへ接続させるなど、ネットワークの転送先を制御して、機器への負荷を軽減することができる。この柔軟な通信経路制御により通信品質が大幅に向上。機器の一元管理とアプリケーションの可視化によって、複数の拠点のWANルーターや回線の状況を把握できるので、管理者の負担を軽減する。新規の拠点を追加する際も、機器をネットワークに接続するだけで設定が適用されるため、担当者が現地に出向むく必要がない。

SD-WANの構築を検討する際は、導入前、導入後の保守運用サポートに注意が必要。すべてのSD-WAN機器がユーザーの求めるセキュリティ機能が整備されているわけではないため。事前に、どこまでをサービス事業者が実施・運用してくれるのかを確認することが必須だ。
(青木逸美)