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仮想化

コンピュータシステムを構成する資源(コンピュータ、サーバー、OS、アプリケーション、ネットワークなど)を物理的にではなく(それぞれを別個のコンピュータに振り分けるのではなく)、理論的に分割、あるいは統合して利用する技術。一つのコンピュータに複数の役割を与え、逆に複数のコンピュータを一つに見せかける仕組みのこと。

例えば、仮想化ソフトウェア(エミュレーター)を用いて、ベースとなるサーバー(物理サーバー)に仮想化された環境を作ることで、複数台に見せかけることができる。この見せかけのサーバーを「仮想サーバー」と呼ぶ。

それぞれの仮想サーバーはOSやアプリケーションを実行でき、独立したコンピュータのように扱える。一台の物理サーバーで複数のOSや異なるアプリケーションを稼働するので、省力化や省スペース化になる。また、サーバー機の台数を減らし、保守費用も抑えられ、コスト削減になる。

このほか、複数のストレージ(ハードディスクやDVD、CD)を仮想的に統合して、大容量の格納庫として扱う「ストレージ仮想化」、アプリケーションをOSから切り離して利用する「アプリケーション仮想化」などがある。
(青木逸美)