ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第11回

ほとんどのビデオ会議アプリで使える手軽に設置可能な少人数向けビデオ会議システム



ロジクール「ConferenceCam Connect CC2000eSV」

ワークスタイルの変化に応じて最もスタイルが変わったのが会議ではないだろうか。昨今では同じ都市内にいたとしても、お互いの移動時間を節約するためにテレビ会議システムを活用する機会が増えてきている。今回は6人程度までの少人数のビデオ会議に最適なシステムをご紹介しよう。

文/ジャイアン鈴木


バッテリー内蔵でWi-Fi環境ならどこでもビデオ会議可能

ロジクールの「ConferenceCam Connect CC2000eSV」は最大で6人規模をターゲットにしたビデオ会議システム。サイズは304.2mm×75mm×75mm、重量は766g。パッと見は少し大きめの保温タイプの水筒といったところだが、持ち上げるとその軽さに拍子抜けする。

本体前面。前面上部にはカメラ部をカバーするようにリモコンが装着されている。

本体背面。上部の三つ穴はマイク。

本体背面下部には、上からNFCタッチエリア、ケンジントンロック、マイクロUSB端子、電源端子、HDMI端子が配置されている。

リモコンは横にスライドさせるように力を入れると取り外せる。

本製品はWebカメラとして機能する「ビデオ会議モード」、Bluetoothオーディオデバイスとして利用できる「Bluetoothモード」、ワイヤレスディスプレーアダプターとして活用できる「ワイヤレススクリーンミラーモード」の3つのモードが用意されている。それぞれのモードへは、天面のタッチボタンに触れるだけで切り替え可能だ。

中央が電源ボタン、下が「ビデオ会議モード」ボタン、左が「Bluetoothモード」ボタン、右が「ワイヤレススクリーンミラーモード」ボタン。ボタンはタッチ式なので触れるだけでOK。

「ビデオ会議モード」で利用する際はPCとUSBケーブルで接続する。OSは、Windows 7、8.1、10とMac OS X 10.7以降に対応。

「Bluetoothモード」は、iPhoneやAndroidなどBluetooth接続可能なスマートフォンで広く利用できる。

「ワイヤレススクリーンミラーモード」は、AndroidまたはWindows 8.1での動作がサポートされている。「Windows 10 Creators Update」を適用した「Surface Pro 4」では接続できなかった。

 本製品は300万画素のイメージセンサーが搭載されており、最大1920×1080ピクセルの高解像度でビデオ電話が利用できる。また複数人でのビデオ会議を想定して90度の広い画角を備えており、4倍のデジタルズームも可能だ。

 フロントとリアにそれぞれマイクが内蔵されているのもポイント。「Bluetoothモード」で接続したスマホを使って大人数で会話する際も、360度全域の声を明瞭にキャッチすることが可能だ。

本体正面上部には、カメラ、カメラLED、カメラレンズチルトホイール、マイク、音量アップ、ミュート、音量ダウン、バッテリーインジケーターが配置されている。

リモコンには、上からミュート、音量ダウン、音量アップ、パンおよびチルト、ズームアウト、ズームイン、発信/受話、終話ボタンが配されている

 本体内にはバッテリーが内蔵されており、「ビデオ会議モード」と「ワイヤレススクリーンミラーモード」では最長3時間、「Bluetoothモード」では最長15時間利用可能だ。周囲にコンセントのない場所でミーティングを行なわなければならないとき、バッテリー駆動できる点は大きなアドバンテージだ。

本製品には、ConferenceCam Connectデバイス本体、プラグ付き電源アダプター、海外用変換プラグ、USBケーブル、取扱説明書が同梱されている。今回は貸し出し機のため海外用変換プラグが含まれていなかった。

 本製品はBluetoothオーディオデバイスやワイヤレスディスプレーアダプター機能も備えているが、基本的にビデオ会議システムとして利用されるはずだ。今回は「Skype for Business」 を利用したが、「Cisco Jabber」、「WebEx」 といったほとんどのビデオ会議アプリに対応している。ビデオ会議として利用する際の設定方法は一般的なWebカメラと変わらない。PCと接続したあとに、アプリケーションから「ビデオ」「スピーカー」「マイク」のデバイスとして本製品を指定するだけ。「Windows 10 Creators Update」を適用した最新のWindows PCでは、特にデバイスドライバーなどを手動でインストールする必要はなかった。

これはWindows 10標準のSkypeの設定画面。「ビデオ」「スピーカー」「マイク」のデバイスとして「ConferenceCam Connect」を指定した。

本製品を約1メートル離れた場所に設置するとこれだけ広い範囲を撮影できる。小~中会議室であれば6名ぐらい無理なくフレームにおさめられる。

ライター仲間のナックル末吉氏とミーティング。彼はSurface Pro 4のフロントカメラ、筆者は「ConferenceCam Connect CC2000eSV」のカメラを使用しているが、後者のほうが明らかに画角は広い。この画角の広さがビデオ会議の際に使い勝手を大きく向上させる。

 いまどきのノートPCにはWebカメラが標準装備されているとは言え、複数人で会話する際には、より広い範囲を撮影・集音可能で、なおかつ部屋全体に音声を届けられるビデオ会議システムがやはり便利。ただ、仰々しいシステムの導入がコスト的に厳しい中小企業にとっては、本製品のようなシステムの導入を検討すべきだろう。会議室に固定する必要もなく柔軟に可動できるので、すべての会議室に導入する必要もなく即ビデオ会議を行える環境が整うので、テレワークを促進するチャンスになる。

筆者プロフィール:ジャイアン鈴木

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。