スマ研・ニュース解説 Vol.6

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【NewsPickUp-2】

半数近くの企業が働き方改革関連法対応に未着手 ?「働き方改革関連法に関する企業の対応実態調査」

業務アプリのクラウドサービスを展開するチームスピリットは、2018年6月に成立した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(以下、働き方改革関連法)」の2019年4月施行を控え、2018年10月に「働き方改革関連法に関する企業の対応実態調査」を実施した。調査の結果、半数近くの企業が働き方改革関連法への対応が未着手であることが分かった。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000021273.html

【解説】

チームスピリットによる今回の「働き方改革関連法に関する企業の対応実態調査」は、経営層や人事、総務部門などを対象に行われたものだが、働き方改革関連法への対応状況は、従業員数300人以上の企業で約45%、従業員数300人未満の企業では約70%が未着手という回答だった。特に、300人以上の企業の場合「現在対応中」が35.9%と3分の1を超えているのに、300人未満の企業では「法改正のことを知らない」が48.2%と半数近くを占め、中小企業の対応に遅れが目立つ。

実施が近づく働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制や勤務間インターバル制度の導入、年次有給休暇の年5日取得の義務化など、従来の労務管理の見直しや対応項目の追加が必要となるが、多くの企業では取り組みの必要性を感じながら、未着手状態であるケースが少なくない。

なかでも急務となっている対策が、「労働時間、有給休暇などに関する就業規則、諸規定の改定」であり、対応に取り組んでいる企業の76.9%がこの課題への対応を進めている。こうした労務管理等を実現するためには「長時間労働の是正や休暇取得状況を把握するための勤怠・就業管理システムの導入」が必要であり、同じく61.2%がこれを挙げている。

長時間労働の是正や休暇取得状況を把握するための勤怠・就業管理システムの導入が急務になるが、しかし、現行のシステムのままでは制度変更に対応できないケースも少なくない。このため、従業員数300人以上の企業で67%、従業員数300人未満の企業で49%と、社員数の多い企業において高い割合で導入や見直しが進み始めている。

一方で、勤怠・就業管理システムの導入や見直しには、「導入までに時間がかかる」「コストがかかる」ため、目前に迫る関連法の導入に対して、早急な対応が求められる。未着手の理由としては「社内体制が整っていない」(55.1%)、「対応するリソース(人的資源)がない」(36.7%)、「対応するために必要な作業が洗い出せない」(36.7%)など、通常業務に加えて法対応の負荷が割けない状況がうかがわれる。労務管理システムのアップデートで、課題のいくつかが改善可能と多くの企業が認識していることでもあり、その注力を急ぐことが働き方改革関連法対応に取り組むための第一歩となっていくのではないだろうか。

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