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2019/04/17

働き方改革のキーワード - 第17回

電子決裁――「ハンコレス社会」はやってくるのか?


ビジネスの現場ではペーパーレス化待ったなし

働き方改革関連法案の施行が始まったものの、ペーパーレス化の潮流を押し戻そうと必死に抵抗する「ハンコ」の存在が会社と社会人を悩ませている。この「紙仕事の象徴」を電子化しない限り、新しい働き方はやって来ない。

文/まつもとあつし


決裁に君臨する「ハンコ」

 本連載の第5回で「ペーパーレス化」について取り上げたところ、大きな反響がありました。これについて詳しく話を聞きたいという相談も寄せられています。スマートな働き方の実現に向けてペーパーレスを実現したいと思う人は決して少なくはありません。スマートワーク総研でも様々なソリューションを紹介していますが、大きな壁がそこに立ちはだかっています。それが今回取り上げる「ハンコ」です。

 政府は2017年に「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を閣議決定し、行政のあらゆる分野において情報のデジタル化(ペーパーレス化)の推進と生産性向上を図るとしています(参考記事)。

 例えばマイナンバーを活用し、これまで行政手続きの際に必要とされた住民票の写しなどの提出を不要にしたり、会社登記の際に法務局や税務署で似たような書類を複数提出する手間を省き、オンライン手続きによるワンストップサービスの実現を目指すことが「デジタル手続法案」にも明記されているのです。

内閣官房「デジタル手続法案概要資料」より。

 ところが、これらの手続きの際、同時に求められることが多いのが「押印」です。法案では商業登記法も改正し、2020年までに押印を「任意」とする改正が盛り込まれていました。しかしこの動きに対して、印鑑業界から反発の声が上がりこの改正は見送りとなったのです。

 ハンコは紙に押すことが前提となっています。紙資料で仕事を進める時代では沢山の書類を承認する際には署名よりも効率的な面があったり、(本来その機能として積極的に評価すべきかは議論がありますが)他の人がハンコを預かって代理で処理ができるという「効能」もありました。

 しかし、労基法改正でいよいよ働き方改革が喫緊の課題となる中、オンラインでの迅速な意思決定はもはや避けては通れません。ハンコでの決裁は、その時、その場所に決済者(もしくはその代理人)が「居る」ことが前提となってしまうからです。あらゆる手続きに影響を及ぼす行政の中に、ハンコがいつまでも君臨していては、働く現場でのオンライン化、電子化も掛け声倒れに終わってしまう恐れがあります。

キャッシュレス(電子決済)の前にハンコレス(電子決裁)を

 行政手続きではこれまでも電子署名を用いる選択肢もありましたが、専用の機材が必要になったり、事前の手続きが煩雑であったりと必ずしも普及していません。また今後はマイナンバーによる公的個人認証を軸とした改革が計画されていますが、職場でマイナンバーを使うことにも抵抗があるはずです。

法務省の「商業登記電子認証ソフト」を利用する際の推奨ブラウザはIE11となっているが、すでにマイクロソフトはIEの利用取りやめをユーザーに呼びかけており、動作環境に不整合が生じている。

 そこで「電子印鑑」というこれまでの習慣に則したソリューションも生まれています。例えば、あのシャチハタも「パソコン決裁」というサービスを提供しており、クラウド上にアップロードした決裁書類に、画面上でハンコを押すことができる仕組みを構築することが可能です。多数の拠点で業務を進める際、あるいはテレワークを導入する際、既存の決裁フローを大きく変えることなく電子化する1つの解決策と言えるでしょう。

 国はいま消費税増税を控えキャッシュレス社会の実現にも力を入れていますが、スマートな働き方の実現のためには、まずペーパーレス化の推進が欠かせません。そして、その壁となる「ハンコ」といかに向き合うかが1つの試金石となります。行政手続きからハンコが必須でなくなるにはもう少し時間が掛かりそうですが、ビジネスの現場では待ったなしの対応が求められているのです。

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筆者プロフィール:まつもとあつし

スマートワーク総研所長。ITベンチャー・出版社・広告代理店・映像会社などを経て、現在は東京大学大学院情報学環博士課程に在籍。ASCII.jp・ITmedia・ダ・ヴィンチニュースなどに寄稿。著書に『知的生産の技術とセンス』(マイナビ新書/堀正岳との共著)、『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)、『コンテンツビジネス・デジタルシフト』(NTT出版)など。

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