スマ研・ニュース解説 Vol.10

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【NewsPickUp-2】

日本マイクロソフト、週休3日の「ワークライフチョイス チャレンジ2019 夏」の効果測定を発表

日本マイクロソフトは今夏実施した「ワークライフチョイス チャレンジ2019 夏」の効果を集計し発表した。8月中全社で金曜日を休みとし、その時間を学習による自己研鑽、私生活やファミリーケア、社会参加や地域貢献にあてるための費用サポートを行った今回のチャレンジの効果測定を公表し、冬にもチャレンジを実施すると発表した。

https://news.microsoft.com/ja-jp/2019/10/31/191031-published-the-results-of-measuring-the-effectiveness-of-our-work-life-choice-challenge-summer-2019/

【解説】

日本マイクロソフトは生産性の高い会社だ。社員数は減少を続けているのに、売り上げは毎年上昇を継続している。そんな同社が、さらなる生産性の向上と多様な働き方の実現のために今夏挑戦したのが「ワークライフチョイス チャレンジ2019 夏」だ。

「ワークライフチョイス」とは、社員一人一人が、仕事(ワーク)や生活(ライフ)の事情や状況に応じた多様で柔軟な働き方を、自らがチョイス(選択)できる環境を目指すものと定義されている(詳しくは「MINDSレポート第2回」参照)。

8月の金曜日を全社休業し(サポートなど一部ローテーションも採用)、ワークライフチョイス社員支援プログラムとして7月~9月の期間中に従業員の「For Work(自己成長と学びの視点)」「For Life(私生活やファミリーケアの視点)」「For Society(社会参加や地域貢献の視点)」の活動に対し関連費用を支援した。

また、ワークライフチョイス推進自社実践プロジェクトとして、会議設定を30分、参加人数を5人までとし、コラボレーションには同社のアプリケーションTeamsの活用を推進する「会議の生産性効率化」も進めた。

チャレンジの仕組みを作るだけでなく、終了後には同社のAIを利用した分析ツール、Workplace Analyticsを使用して効果測定を実施し、2019年10月31日に、その成果報告記者発表会が催された。

効果測定は「削減系」「向上系」「満足系」の3方向から検証され、「削減系」では2016年から4期の比較で、労働時間が-25.4%、紙の印刷枚数が-58.7%、電力消費量が-23.1%という大きな成果を得たことがわかった。また、「向上系」では労働生産性が昨年同時期に比べ+39.9%、30分会議の実施比率が+46%などの成果を上げている。「満足系」では「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」を評価する社員が94.0%、週休3日を評価するが92.1%という高い満足感を示している。

「ワークライフチョイス チャレンジ2019 夏」の効果測定

また、社内アンケートでは、「仕事に関する効率や効果に対する意識や行動」「休暇の過ごし方や休息手段などに関する意識や行動」「中長期のライフデザイン全般に対する意識や行動」などに変化や影響があったと答えた比率が高く、「全社一斉」で行われた取り組みが、仕事や生活を考える契機になったことがわかる。

「ワークライフチョイス チャレンジ2019 夏」から見えてきたこと

日本マイクロソフトでは、「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の結果を踏まえ、この冬に「賢く休む/選んで休む」「短い時間で働く」「チャレンジを楽しむ」の3つの柱で自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 冬」を実施することを決定した。また、この冬の働き方・休み方・学び方に関するアイデアを社員から募集する社内コンテストも実施する。

企業の働き方や生産性を変えていくには、最終的には従業員の意識改革が最も重要になる。全社で一斉に取り組んだ今回の実践は、人ごとではない働き方や生活への問題意識の啓発という点で、大きな気づきとなったようだ。働き方の効率アップを図るための多様なソリューションを持ち、自社実践を重ねてきた同社が、次の冬のチャレンジで、さらなる業務効率化をどう実現していくのか楽しみだ。

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