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セーフティネット

個人や企業を経済的破綻のリスクから救済するための社会保障制度。中小企業などを対象にしたセーフティネット保証制度などもあるが、最近は格差社会の進展から生活や雇用への不安が増大し、個人を救済するための公的なセーフティネットへの関心が高まっている。

セーフティネットの役割は、その時リスクを抱えている個人や企業を救済するだけでなく、その被害の影響が社会全体に及ばないようにすることも重要だ。半面、セーフティネットの充実が一部では保険金詐欺などのモラルハザードにつながっているという指摘もある。

雇用に関する公的セーフティネットとしては、公共職業安定所や雇用保険、離職者に対しての職業訓練および訓練期間中の生活保障給付制度などが挙げられる。就業と生活の安定を守る第1のセーフティネットは雇用保険で、生活保護は最後の救済策といわれるが、それらの間を補完し、セーフティネット自体を多層化する取り組みが始まっている。雇用保険を受給できない失業者を対象に2011年開始された求職者支援制度や生活保護にいたる前に生活困窮者をサポートする2015年開始の生活困窮者自立支援制度などは「第2のセーフティネット」とも呼ばれる。

(なせもえみ)