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デジタル田園都市国家構想

岸田文雄内閣総理大臣の下で発表された「新しい資本主義」における経済成長戦略で、地方からデジタル環境の整備を進め、都市との格差を解消するための構想。2021年度補正予算と2022年度予算案を合わせて総額5.7兆円を投じる。

岸田内閣が打ち出した政策の背景には、都市地域への産業と人口の集中による地方産業の空洞化、交通・物流インフラの衰退、高齢化や過疎化など、地域格差の問題がある。デジタル田園都市国家構想では、地方の個性と魅力を生かしつつ、ビジネスや教育、医療といったさまざまな課題を解決し、ウェルビーイング(心豊かな暮らし)と持続可能性社会の両立の実現を目指す。

地方のデジタル化に向けた施策として、「デジタル基盤の整備」「デジタル人材の育成・確保」「地方の課題を解決するためのデジタル実装」への取り組みが挙げられ、「誰一人取り残さない」ために、高齢者にデジタル端末の利用法を教える「デジタル推進委員」を全国に展開する方針も明らかにした。

また、新たに創設する「デジタル田園都市国家構想推進交付金」は、遠隔医療やオンライン教育、サテライトオフィスなどを導入する自治体に支給される。今後、デジタルを活用して地域の課題解決に取り組む自治体の数を、2024年度末までに1000団体に展開する計画である。
(青木逸美)