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従量課金

サービスの利用量に応じて請求料金が変動する課金方式のこと。「使用量課金」とも呼ばれる。従量課金は、コインパーキングや高速道路、電気やガスなどの公共料金、通信サービス、クラウドサービスなど、さまざまな業界で採用されている。

従量課金と相対する課金モデルに「定額課金」がある。定額課金は、利用量にかかわらず一定の金額が課金される。サービスを高頻度で利用するユーザーに適している。月額同一料金になる「サブスクリプション」も一般的には定額課金と受け取られているが、年一括払いによる割引なども存在するため、一概には言い切れない。

また、定額課金と従量課金を組み合わせた柔軟な料金体系を採用するケースも増えている。

従量課金は使った分だけの価格を支払うため、ユーザーの納得感を得やすいというメリットがある。利用頻度が少ないユーザーは無駄な料金を支払わなくてすむため、気軽にサービスを利用できる。また、サービスを利用していない間は料金が発生しないため、ユーザーの積極的な解約につながりにくい。

一方で、デメリットとして、ユーザーによって使用量や金額が変動するため、収益を予想しにくく、収入に大きな波が発生する。請求金額を気にしながら使うことに、ユーザーがストレスを感じやすくなる。また、使えば使うほど支払額が増えるため、ユーザーが利用を控える可能性もある。

従量課金には、以下のような4つの種類がある。

【使用量課金】
一般的な従量課金モデル。サービスの利用量や頻度に応じて料金が発生する。例えば、クラウドのストレージでは保存するデータの容量に応じて料金が計算される。

【ユーザー数課金】
サービスを利用するユーザー(アカウント)数に応じて料金が発生する。法人向けサービスに採用されており、アプリケーションを提供するクラウドサービスSaaSなどに適している。

【アクティブユーザー数課金】
過去のログイン情報などを参照し、実際にサービスを利用したユーザー(アカウント)数に応じて、料金が発生する。

【定額従量課金】
基本料金に加えて、利用量に応じた追加料金が発生する。電気やガス、水道などの公共料金がこれにあたる。

(青木逸美)