1分でわかるIT用語集

Webフォント

Webサイト上で使用できるフォント(書体データ)には、「デバイスフォント」と「Webフォント」がある。デバイスフォントはデバイス(端末)に内蔵されているフォントのことで、「システムフォント」とも呼ばれる。Webフォントはサーバー上に保存されているフォントのことで、インターネットを介して使用する。

従来、Webサイト上のフォントは、制作サイドが使用するフォントを指定し、Webブラウザがデバイスフォントを表示する方法がとられてきた。デバイスによってフォントが異なるため、意図したものと違った表示となってしまう。すべてのデバイスで同じデザインを表示するには、テキストを画像化して挿入するしかなく、SEO効果が薄れてしまうデメリットもあった。

一方、Webフォントは、Webページを表示する際にサーバーからフォントファイルをダウンロードするため、どのデバイスで閲覧しても、同じフォントが表示される。デザインの均一化(レスポンシブ化)が可能となり、作成者が意図するデザインを提供できる。また、Webフォントは種類が多くデザイン性が高いので、企業やビジネスのイメージに合わせたWebサイトをつくることができ、他社との差別化を図れる。文字情報なのでSEO効果も高い。

ただし、Webフォントには使用する種類が増えるほど、読み込みが遅くなるというデメリットがある。日本語は「ひらがな・カタカナ・漢字」など、文字の種類が多いため、膨大なフォントデータが必要となる。使い過ぎると読み込みの遅い重たいサイトになってしまう。しかし、近年の技術の向上により、膨大なデータを一度にダウンロードするのではなく、使用頻度の低い漢字を除くなど、Webフォントを軽量化する方法がとられるようになった。これを「サブセット化」という。

また、Webフォントには有料と無料のものがある。有料サービスには一括払いや従量課金(PV数依存)などがある。無料のフリーフォントでも商業利用ができないなどの規制があるかもしれないので、その点も注意が必要だ。
(青木逸美)